シェア
不幸鳥
2020年10月21日 20:49
月白の砂の上を、男二人が歩いている。砂はさらさら風を舞う。静かな静かな夜だった。男たちもまた、口を開くことはなく。たださくさくと砂を踏む音だけが蒼白い夜にこだましていた。 言葉にはしないものの、二人には共通した思いがあった。何処まで行けばいい。この旅に、終わりはあるのか。片方はいつか聞いた歌を思い出した。「終わりなどはない、終わらせることは出来る」。違いない。だがきっとどちらも終わらせ