天使とは
聖書には天使の存在が出てくる。基本的には「遣わされた者」という意味の単語で、ヘブライ語ではマルアク゜、ギリシャ語ではアンイェロスという。英語の angel は、このギリシャ語に由来する言葉である。ちなみに、旧約聖書の一番最後の書にマラキ書(マルアヒー)というのがあるが、単語末尾のイーは「私の」という意味の接尾辞なので、これは「私の使者」という意味である。もうひとつちなみに、カ行に半濁点をつけたものは、無声摩擦音つまり痰を出すような音のつもりで記述している。
日本語では「天使」と訳されることが圧倒的に多いが、「使者」が一番よい訳語だと思う。「YHWH の使い」という言い方はあるが、「天の使い」という言い方はないからである。(YHWH は神様のこと。ユダヤ人たちは、この単語の箇所をアドナイ「主」と読み替える)
日本語で「天使」というとキューピッドを思い浮かべてしまう人が多いだろう。羽の生えた赤ちゃんみたいな、西洋絵画によく登場するあれを。しかし、聖書の「使者」はそうではない。人に紛れるような形で現れるからだ。
私は、宇宙人であっても決しておかしくないと思うのだ。
もう一つ、聖書に登場するもので「神の子ら」というものがある。創世記の 6 章などに登場する。ここでは、「使者」ではなく、ヘブライ語ではベネイ・ハエロヒーム、つまり「神の子ら」という意味である。ギリシャ語ではイイ・トゥ・テ゜ウであり、これも同じく「神の子ら」という意味である。(ちなみに、タ行の半濁点は英語の th の濁らない音のつもり。ギリシャ語の音はイエス様の時代はほぼ現代ギリシャ語と同じだったため、現代ギリシャ語に準じて記述している)
ヘブライ語はヨブ記の冒頭でもこう書かれているが、ギリシャ語七十人訳(この七十人訳については、また別の記事で説明する)の方はヨブ記ではイ・アンイェリ・トゥ・テ゜ウ「神の使者たち」と書かれている。
ここでいう「子」というのは、生殖上の子のことではない。養子や僕など、帰属する者にも使われる単語である。親会社に対する子会社のような感じといえばわかりやすいだろうか?
聖書に出てくる神様の使者は、人間よりも強い存在であり、人間からは神々しく思えることもあるようだ。ヨハネの黙示録 22 章 8~9 節では、ヨハネが伏し拝もうとすると、「やめてください。私はあなたの僕仲間です」という発言がみられる。
なんだか親近感が湧く。頼れる兄貴分といったところだろうか。ちなみに、これは完全な余談だが、一度だけ、私は天使(神様の使者)の夢を見たことがある。まったくビジュアルは予想に反して 2m くらいある割とガッシリした体格の大男であり、美青年というわけではなかった。そして羽もなく、私たちのような人間に見えた。軽装だった気がするがあまり覚えていない。でも、とても頼りがいのある感じで、2 人いたのだが、他の天使と見た目はそっくりだった。夢の中で私は質問攻めを始めたら、残念なことに答えをもらう前に目が覚めてしまった。予想外の見た目から、その夢を見た日以来、私は「たぶん実際にそういう姿の宇宙人なのだろうな。いつかまた会いたい」と思ってしまった。
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