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神々の一服

そう称して夜な夜な集まっていた。

とにかく暇だったのだ。
暇だけはいくらでもあれど、金は無ければ女もいない。

最初はそんな奴等2人だけで始めた些細な会ではあったが徐々に3人4人と人数を増やしていき多い時には20人近く集まる事もあった。

それだけ皆暇だったのだ
勿論皆お金も無ければ女も男も居ない奴等ばかりが集まった。
駐車場前の自販機にたむろしみなタバコを燻らせながらあーでもないこーでもないと取り留めない話で語り明かす。

そして1人2人と夜明と共に捌けていき、朝焼けの中眠りに付く。

あれからもう10年近く月日が経ち
今はもう神々が一服の為にこの自販機の前に意味も無く集まる事はもう無い。

取り出した熱い缶コーヒーを啜りながら
あの頃と同じように煙草に火を付ける。
吐き出され続ける一本の紫煙は朝焼けに照らされながらゆらりと消えていった。
end.




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