足りないものの話

お久しぶりです。深水です。

連載2作目である「ひとりになれないソロ活さん」も最終回まで描きあげることができました。
デビュー作の「潮海部長のぬいぐるみ」よりも画力が上がり、話も面白いと言ってもらえたけれど、まだまだ新人で課題も多い。
ステップアップするには何が足りない?売れるにはどうしたらいい?
自分ひとりでは解決しないだろうと思い、まずはとにかくいろんな方の意見を伺うことにしました。
頭の整理のために書いているので長くて読みにくいかもしれません。
2つに分けて、書いてみようと思います。



1.絵の話

・9/29(金)講談社のDAYS NEO REAL 合同持ち込み回にてPalcyさん、デザートさん、BE LOVEさん、KISSさんの4社
・10/26(木)集英社にて別冊マーガレットさん
計5名の方にソロ活さんの刷り出し原稿を見てアドバイスをいただきました。
そして大体週1ペースくらいで打ち合わせやお話をしている姉フレの現担当さんにも。

みなさん言葉は違うけれどおっしゃることは同じで、私に今必要なのは「画力」

私の作品の武器は
キャラの表情イチャ甘いシーン
そこに画力が追いつけば、話に多少強引さや矛盾があったとしてもこれまで以上に読者の目に留まりやすい。とのこと。
でも画力を上げるってまだざっくりしたワードですよね。なのでもっと具体的に!って聞きました。(本当は自分で考えるべきなのかもしれません)

●人物の顔について
 ・目はもっと全体的に小さく、キラキラしすぎているので瞳の虹彩や瞳孔は描き込みしすぎない。ベタ+トーンのシンプルさが欲しい。
ハイライトも少なめに瞳の中心寄りでいいかもしれない。
 ・男性キャラの鼻と口の間が広く(人中が長い)、その分顎も長い。もっと短くして輪郭少し丸めにしてみる。
 ・赤面時の照れ線は少なく短く。トーンだけでもいい。あまり長く細かいと尖って痛そうな印象になる。

●髪の描き込み
 ・もう少し毛束感があっていい。繊細すぎると古く見えてしまう。2000年代の少女漫画のような感じ。ツヤベタという概念も最近は減ってきているので、全体ベタ塗りでグラデトーンで多少の光源をつけるくらいでもアリ。
 ・電子配信のようなスマホで読む作品は、よっぽどの漫画好きや同業者じゃない限り画面を拡大して読む人はそんなにいない。
小さいコマの絵は描き込みすぎると逆に潰れて汚く見えるので気をつける。

●男性キャラ
 ・身体のバランス。肩幅、上半身の筋肉の付き方を勉強する。骨格が理解できていないので、自然なポーズも不自然に見えてしまう。
 ・表に出さないなら好きな作家さんの絵のトレスはokだけど、それだけだと絵柄が引っ張られてしまう。好きなドラマ(俳優)、アイドル、ミュージシャンなど映像をみて、かっこいいと思ったシーンを一時停止して模写する。


…改善点多くないですか?って言いそうになってしまった。
そして絵柄も少しクラシカルでトレンドからは置いてかれてる印象だそう。
例えばヒットしている作品を10個ピックアップ
⇨1人のキャラを作って、10回それぞれの絵柄で描いてみる
⇨その中から好みの体の描き方、目の描き方、ベタの塗り方、トーンの貼り方を選んで組み合わせてみる
そうして最近のトレンドを知り、自分なりの絵柄を作り上げると良いかもとアドバイスをいただきました。

絵の話だけでこれだけたくさんのアドバイスをいただけて嬉しいけど逆を言えばそれくらい足りないものが多いということで。
アドバイスをもらって終わり、とならないようにしようと思います!!


意識の話

デビューから2作品、連載させてもらったことで
「漫画は一人で描いているわけではない」と意識させられた話をします。


①自分のバックに何があるか

キャラ表やプロット、作品を通して描きたいことを企画としてまとめて、担当さんにプレゼン

担当さんと作ったネームを編集部で回して連載の可否を決める

掲載のために上がった原稿を校閲、製版所に回す

配信サイトで配信してもらう(紙の雑誌なら書店へ販促)

私も細かい流れはきちんと把握していませんが、大体はこうだと思います。
だけどこんなざっくりでも、想像以上にいろんな方の手を借りて一つの作品になっている。
私はアシスタントさんがいないのでネーム〜仕上げまでの「描く」作業は確かに一人です。
例えば今回ソロ活さんの5話も本当は10月配信の予定でしたが、体調不良で先延ばししてもらいました。
そういった原稿のトラブルややむを得ない事情で急遽掲載が1号ずれる場合、決まっていたスケジュールをリスケしなきゃいけない。リスケのために関係各所に連絡しなきゃいけない。そういう「手間」が発生する。
それが悪いと言いたいわけではなくて、そうするべき時ももちろんあると思います。ただその「手間」を担っているのは私以外です。そのことを意識しなきゃいけないと実感させられました。
だからこそ、今回のように原稿が間に合わないと思ったらすぐ相談するのが大事だな〜と。まあそれはどんな仕事においてもそうだと思いますが。。

②読む人は誰か  

ここ数週間の打ち合わせでは新規企画の草稿をあげてはボツ、やり直しを繰り返し、今もまだ形にはなっておりません。
ただ先日の打ち合わせで、以下が原因なのかもと思いました。
今自分が企画している案の読者は20〜30代女性に向けた恋愛モノ。現実に疲れた心を漫画で癒されたい、夢を見たい方がターゲットなのにそこを見落としていたからだと思います。
少女誌に限らずどの雑誌のどの編集さんもおっしゃる「好きなモノを描く」ことは大前提だけど、「この設定でこんなバックグラウンドがあってこんな世界なら面白いだろう!」ではなく、「この主人公は応援できるか?イケメンでモテるキャラでも何の脈絡もなく突然迫られたらドキドキよりびっくりして引くんじゃないか」と、一歩引いてターゲットの読者目線に立って考えられてないから、なのかなと。

そして、「王道、数年前に流行りメジャーになりつつあるジャンルではなく何か目新しい組み合わせのキャラ、深水にしか描けないものを作らなきゃ…」と考えすぎていたんです。全部が自分主体の考え方になっていたのかもしれません。
誰に向けて描いているのか、読む人は誰なのかを意識できるようになりたいです。


画力と読者目線、どちらも大事だけど…ぶっちゃけやること多くて大変!!!
でも私には本当漫画しかないし、冗談抜きで生きがいです。
次、いつ連載できるのか全然わからないけど、前作より絵も話の魅せ方もめっちゃパワーアップしとるやんけって思ってもらいたいです。

ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。自分の頭の整理のために羅列したのでごちゃついた文章になっていたらすみません、、、文章力もほしいです。

今年はあと2回、
11/22に鈴木さんと畑中さんの対談に会場参加、
12月のコミティアの出張編集部でアドバイスをもらって色んな方の意見を聞く試みは終わりにする予定です。

数ヶ月後、少しでも進歩していますように。