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ゲームが作りたくなる本「ゲームメカニクス大全」

先日、 #翔泳社ブックアンバサダー  という企画に参加させていただき、『ゲームメカニクス大全 ボードゲームに学ぶ「おもしろさ」の仕掛け』という本を読みました。

ちなみに日頃から技術書やら資格本、ビジネス書を翔泳社さんの電子書籍でストアで購入していまして、ポイント還元(たまに30〜50%くらい)が強力なのとPDFでパソコンでも読みやすいことがオススメポイントです。(宣伝w)

どんな本なの?

ボードゲームを中心として、古今東西様々なゲームのメカニクスをイラストと実在のゲームを参照しながら説明している本です。

ちなみに、ここでいうメカニクスとは、例えばゲームの構造(対戦、協力など)、決着の決め方(三すくみ、投票など)を指しています。

ひとつのメカニクスに対して、2~4ページ程度で説明していて、計184個のメカニクスについて説明されています。ひとつひとつが短くまとまっているので、ふと思い出したり、企画に詰まったらめくってぺらぺら読み直すのにちょうどよいので、紙版がおすすめかもしれません。

ちょっと注意なのはルールの引用元がボードゲーム中心なので、けっこう知らないゲームも多く出てきます。検索してもみつかるものもあれば、みつかりにくいものも……あと実際に買って試すハードルが高いですw (ちなみに、調査協力にボードゲーム屋さんのすごろくや さんが携わっているので、日本での販売名になっていたりするのだと思います。)

ゲームメカニクスの解説が深い!

載っているゲームメカニクスのどれもが真新しいものではなく、半分くらいのゲームメカニクスはご存知のものも多く「あー、あのゲームのあのルールとか当てはまるなぁ」とか思いながら読めると思います。

でもそれで終わらないのがこの本の魅力。
例えば、
ターンオーダーというメカニクスでは、状況によりメリットを相対化してバランスを取れるというものがある一方で、ゲーム進行が遅くなると言うデメリットも併せて書かれている。
ダイスセレクションというメカニクスは、複数のダイスを振ってそこからルールにそっていずれかの出目を選ぶというものであるが、「ダイスを2個振って高い方を選ぶ」場合は、1になる確率は約80%も低くすることができる。ひとえにランダムで判定を出したいという場合にも様々な方法があるが、ゲームデザインにおいては、こういった知っておくことで、ゲームの方向性付けや見せ方、バランスの調整などに役立ってくると思います。デジタルゲームだとつい次の画面では確率処理が終わって結果だけが返ってくるようなシーンも多いと思いますが、実装上の確率の扱い方にもこういった知識は活きてくるのではないかなと思います。

 メカニクスの組合せで遊び方が広がる

どんなゲームもいくつかのメカニクスが組み合わさって出来ています。特に最近のスマホゲームは、主たるゲーム性となるバトルや対戦、アクションとなる部分のほかに、リソースの収集など日々継続して続けられるように様々なゲーム要素が加えられています。
ついつい似たようなゲーム、売れているゲームの機能を追加なんていうのが日常茶飯事ですが、この本で知った新しいメカニクスや、よりゲーム性と親和性の高いメカニクスを組み合わせて採用してみるのも面白いのではないかと思いました。

ゲーム開発・製作以外にも活かせる

もう10年くらい前になってしまいましたが、ゲーミフィケーションというようなワードがよく使われていました。今となっては、当たり前のように様々なポイントプログラムや販促キャンペーンでゲームメカニクスに近いものが使われていると思います。ユーザーランクのアップグレードや、購入数や金額に応じた確率の変化、来店ポイントなどなど……
そういったサービスでも本格的なゲーム性の実装の難易度は高いかもしれませんが、既存のサービスに新しいゲームメカニクスを加えることで、淡々と購入してポイントを集める日々とは、ひと味違う楽しみをお客さんに提供できるかもしれません。

さいごに

ゲーム開発者はもちろんですが、C向け(一般消費者向け)の販売企画やマーケターみたいな方にとっても非常に楽しんでいただける内容だと思います。

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