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創作意欲のわく Netflixおすすめ作品6選

メリークリスマス🎄
minneでデザイナーをやっているkihaです。

弊社は1月末から在宅勤務になり、現在はリモートワークを基本とする勤務体制へ移行しました。
感染防止のために仕事以外でも極力家で過ごしているのですが、外部刺激の少なさとインプット不足で、時たま何も作る気が起きないスランプにおちいることがありました。
そんな時によかったのが、Netflixでものづくりのドキュメンタリーを見ることです。
何かつくっている人の様子を見たり、またその話を聞いていると、不思議と自分も手を動かしたくなり、動かしているうちにモヤモヤとしたものが固まって、スルッといつもの調子に戻ることができました。

さて、本日はクリスマス・イブ。
プレゼントがわりに、わたしがいつも創作意欲を刺激してもらっているNetflixの作品たちをご紹介します。

【1】シェフのテーブル

映画「二郎は鮨の夢を見る」の監督、デヴィッド・ゲルブが原作・制作したシェフのドキュメンタリーです。
とにかく映像が美しい。わたしは2015年にNetflixを契約したのですが、当時契約の決め手になったのがこの作品でした。
その当時わたしが認識していた「食べ物の写真」は全体に黄色く明るい色味で、たしかに美味しそうではあるけれど、美的なよさを感じられないものでした。
そこにきてシェフのテーブルの映像は衝撃でした。
硬質でダークなトーンで撮られており、ヴィヴァルディ「冬」が流れながら料理が盛り付けられるオープニングは、まるでバレエを見ているような荘厳で張り詰めた美しさがあって、食べ物の写真ってこんな風に撮ることもできるのか…!とびっくりしました。

そうした画の美しさだけでも見る価値がありますが、内容も素晴らしく、ぜひシェフたちの哲学と、それが形作られるまでの人生に触れてほしいです。
食べ物を作ることもデザインを作ることも、同じような喜びや苦しみがあり、どちらも同じ創作なのだと、この作品を見て感じました。
メインのこのシリーズは6シーズン、この他にフランス編とバーベキュー編があり、全部見るにはかなりの時間がかかります。
一話完結なので、興味のある分野からランダムに見るのが負担がなくて良いかと思います。

【2】世界の今をダイジェスト

いま注目の話題をダイジェストで解説してくれるドキュメンタリー。
そもそもコンセプトの時点で最高!なのですが、この作品でデザイナーとして注目すべき点は、美しく伝わりやすいインフォグラフィックとテロップの数々です。
しっかりとした情報設計のもと作られたそれらのおかげで、医療や経済などの専門的な内容でも、とてもわかりやすい映像に仕上がっています。
これこそ正しい意味での「デザイン」という感じ。絵を作る前に情報設計をきちんとやろう、と改めて思わせてくれます。

大人になるとわからないことについて学ぶ機会も時間もなかなか捻出できなくなり、誰か3分で説明して〜!と思うことが多いのですが、そのアンサーとしてこの作品はピカイチの出来だと思っています。
Netflixに課金しててよかったな、と思う作品の一つです。
なかでもK-Popの回は内容もそこまで難しくなく、発生から現在までの歴史を体系的に学べるので、入門編としてよくおすすめしています。

【3】ハイスコア: ゲーム黄金時代

レトロゲーム誕生のエピソードをゲーム業界の歴史とともに紐解くドキュメンタリー。
まだ世の中にゲームというものが創造される前に、その未知の文化に触れた人々の想像力がどう広がっていくかを知ることができます。

作中には、そのゲームが好きで異常にやりこんだプレイヤーが作者の予想を上回る遊び方をする話がいくつか出てくるのですが、これはまさに弊社の掲げている理念「もっとおもしろくできる」に近い思想なんですよね。
シンプルで余白があり創造力を刺激されるプロダクトは、使う人が新しい発見をして、さらに進化する。人間の好奇心や知性を信じてプロダクトを作ることのお手本みたいな話でした。
また、ものづくりは温めるだけではダメで、変でもいいからまず出すことが最も重要だということも教えてくれます。

アメリカ制作なので説明はそちら視点ですが、任天堂・セガ・カプコンと日本のゲーム会社やクリエイターもたくさんインタビューされています。
スターフォックスが神社の鳥居に着想を得てつくられた話は、発想力のおしゃれさにさすが宮本サン…となりました。天才って物事の解像度がものすごく高い人のことなんですね。

【4】本番まで、あと7日

これは様々な分野のイベント本番までの7日を密着取材した作品なのですが、シャネル:ファッションショーの回が特におすすめですので、それの話をします。

シャネルのデザイナーは昨年亡くなられたファッション界の帝王カール・ラガーフェルド。
そのデザインを支える卓越した技術をもつ縫子、スケジュール管理をするマネージャー、ドレスを着るモデル、破天荒な注文を実現してくれる会場装飾業者…1つのショーを作り上げるのにこんなに沢山の人々が関わり、シャネルというブランドの価値を発信しているのかと実感させられます。
当日まで多くのトラブルがあり、どう考えても間に合わないのでは?!と見ているこちらが心配になるくらいなのですが、最後にはきちんと完成するところに、一流の人々の底力を見ました。

チーム一体となってまだ見ぬ美しいものをこの世に誕生させよう!と頑張っている様子を見ると、ものづくりをしているときの高揚する気持ちを思い出して自分の創作意欲にも火が付きます。
こんなに高名なデザイナーでも本番ギリギリまで机の上をしっちゃかめっちゃかにしながら余裕なく作業している様子を見ると、なんだ自分と同じじゃん、と思えてほっこりしてしまいますね。

【5】ネクスト・イン・ファッション

プロジェクト・ランウェイの流れをくむファッションデザイナーのリアリティショーです。
ランウェイはレベルのばらつきがありましたが、こちらはすでに自ブランドを持つデザイナーも多くかなりハイレベル、なおかつ諍いよりも制作の過程をたくさん写してくれているので、創作意欲を刺激するのにぴったりです。

与えられたテーマからコンセプトを言語化し、デザインを書き起こし、布を選んで作っていく、服作りの様々なメソッドは、自分たちが日々デザインをすることとそう変わりはありません。
そして、たとえばテーマが「デニム」の時、「デニムを使ってかっこいい服を作る」ではなく、「デニムを使ってどんなことを表現したいか」「着た人に何を伝えどう思ってほしいか」「どんな人をターゲットにしているか」そこまで掘り下げてから作業にとりかかれるデザイナーが自然と良い物を作り、評価されていました。
メッセージを最も伝わる形で表現すること、それには深い思考と言語化が不可欠なことを改めて実感します。

また、毎回のテーマで作る服は1着のみですが、決勝戦では10着のコレクションを作る事になるため、今度は全体の整合性やダブりや無駄なものがないか俯瞰してまとめる力も必要になります。
日々デザインをする中で、「一貫性」を意識する機会はかなり多いので、レビュワーの批評を聞きながら、わかる…の連続。
多くの人に理解されるのは、ただ情熱に任せて作るだけではダメですね…きちんと整理しないと…大変身につまされます。

【6】ザ・シェフショー

大好きなフードトラックの映画「Chef」のジョン・ファヴローが毎回違う料理のシェフを迎えて料理を学ぶ、お料理番組風のドキュメンタリーです。
先生のように上手くできなくても、途中でレシピを間違えても、最後に帳尻を合わせればOK!というおおらかな雰囲気で、番組は進行します。

この作品の魅力は、料理をする楽しさにあふれているところ。
何かを作っている時、新しい技術を学んでいる時、夢中で時間が経つのを忘れる…そういうものづくりのピュアな感情を思い出させくれます。
それは料理でも服飾でもデザインでも同じで、何かをつくったことがある人ならば、一度は感じたことがある気持ちなのではないでしょうか。
一旦むずかしいことは忘れて、純粋にものづくりを楽しむ気持ちに触れたい時におすすめです。

各話で作る料理がクレイアニメーションで表現されたオープニングも、とてもかわいくできているので必見です。


さいごに

いかがだったでしょうか。今回はNetflixのドキュメンタリーにしぼって、創作意欲のわくおすすめ作品を6つ、ご紹介しました。
読んでくれた方の創作活動を、少しでも刺激できていれば幸いです。

この記事は(遅刻しましたが) GMOペパボデザイナー Advent Calendar 2020 の24日目の記事でした。明日はGMOペパボ CDOの Kotarok さんの記事です。お楽しみに!


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