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セミナー「遠州織物とブランディング」の感想をいただいて(静岡文化芸術大学)

先月、静岡文化芸術大学さんから講師のご依頼をいただきましてセミナー「遠州織物とブランディング」を開催させていただきました。

デザイン学部デザイン学科に所属する学生さんとその他関係者の方にご参加いただいたのですが、地元新聞社さんにも取り上げていただき、いくつか反響もいただけました。

静岡文化芸術大学
デザイン学部デザイン学科

今回の講義の内容は、主に

1.遠州織物の本質的価値について
2.地域産業のブランディングについて
3.HUIS起業の経緯について

になります。

90分という時間でしたが、学生さんたちみなさん熱心に聞いてくれて、開催いただいた荒川先生からも関心の高さを伺っていたのですが、先日、学生さんたちからの感想アンケートをいただきました。

正直、思っていた以上にたくさんのことを感じ、考えてくれたことがよくわかる嬉しい言葉ばかりで、今回ご紹介する他にもたくさんの素晴らしい感想をいただきました。

こうした声が、産地を担う方々にとって1番の力になると思っていて、HUISをご覧いただけている繊維関係者の方々もたくさんおられることを伝え、学生さんたちからのご了承をいただきましたので、以下、その一部をご紹介させていただきます。

なお、こちらのほかにもいくつかいただいたご質問がありました。そちらについてはまた後日ご紹介させていただきたいと思います。

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・私の地元は兵庫県赤穂市で、織物といえば赤穂緞通と刷りこまれて育ってきました(過言です)。そのため他のものの知識があまりなく、今日初めて遠州織物を知りました。話を聞けば聞くほど面白かったのですが一番印象に残っているのは、「浜松の産業はすべてつながっている」というお話です。初めて浜松に来た時も思ったのですが、浜松は本当に名産の数が桁違いで、さらにその名産は世界的に有名なものばかりで浜松特有の風土と人が創り上げたものなのだろうと思います。今日のお話を聞く中でますますそのように感じました。
 
・以前までは、服は学生だし激安のネットショッピングでいいだろうと思っていたけど、最近、あまりの安っぽさに少し質を気にするようになりました。そんな時に、このような特別な織り方をした質の良い生地であったり、遠州はこうした生地の産地だという情報はとてもためになりました。「高いから良いわけではないよね」と話し合ったりすることが多々ありますが、やはり高値のものはそれなりに質の良いものが取り入れられていたり、それこそ日本のすばらしい技術、大げさですが魂が宿っているんだと感じました。
 
・浜松が「ものづくりの街」と呼ばれる所以が身にしみてわかりました。途中HPで商品を見た際、その値段の高さに驚いてしまいました。しかし、その後の話を聞いたり、実際にHUISさんのハンカチに触れる中で、シャトル織機を用いて作られた服がいかに価値のあるものなのかということを知り、その値段は決して高いものではないことに納得しました。また、世界屈指の織物産業を営む浜松を誇らしく感じました。
 
・織物というと硬そう、和服といったイメージをもっていたが、カジュアルな服にも使われ、その織物がもつ質感や品質の良さを生かしたブランド化がされていることを知った。大量生産ができる現代でも、たくさんの人に利用される遠州織物は、私が思っている以上に魅力がつまっており、高いポテンシャルをもっていた。また、消費者の目に止まるようなアイデンティティーには形や色ではなく、素材や生産地といった視点もあるのだと思った。実際に遠州織物を触ってみて、よくある市販の物と比べ驚くほどちがった。
 
・世の中に流通している「MADE in JAPAN」と記載された服は、実際には、他国の要素が入っているという事実、そして「HUIS」の商品は全て日本で作られている希少な商品であることに驚きました。
地域発のブランドのお客さんへのアプローチとして、「地域のものを使う」だけでは、人を集めることができない。一方で地域と繋がっているからこそのメリットなどを伝えることが重要だと学びました。こんなに手の込んだ製品にもかかわらず、手頃に価格で提供できるのは、地域ブランドのメリットであり、そういった反面、大量生産ができないというデメリットもあり、希少性が高いということを伝えることで、人を惹きつけることができると学びました。
 
・遠州織物が地域の特産物として有名なのは知っていたが、どういった魅力があるのか詳しいことは知らなかったので、今回のお話を聞いていろんなことが知れてよかった。トヨタやスズキが元々は織機から、車など作る大企業に発展したと知り、驚いた。シャトル織機で織られた布を実際に触ったとき、全然違って驚いた。浜松の織機の技術にルイヴィトンなどのハイブランドが目をつけているというお話を聞いて少し誇りに思った。
 
・遠州織物のサンプルを触らせて頂いた際に本当に軽くて驚きました。
そしてその驚きは松下さんが遠州織物の良さを知識のない私にも分かりやすく説明して下さり、遠州織物のすごさを感じた後に触れたからこそ驚きが増したと思います。奈良の靴下や、岡山のデニムなど最終製品に近いものは認知されやすいが、繊維産地は地元の人にすら認知されていないのはとてももったいないことだなと思いました。浜松は多くの産業があるのにも関わらず、分離していると聞いて、これも残念なことだと感じました。これから、多くの産業が様々な組み合わせで浜松が発展していいてくれたらいいなと思いました。今回のお話を聞いて、遠州織物、浜松の良さ、そして松下さんの大きな愛を感じました。この度は本当にありがとうございました。
 
・最近、ファッションに少し興味が湧いているので、こういう機会をいただけて嬉しいです。経営者の試みや会社のコンセプトなどしっかりとした考えがあって作り上げているのですごい刺激を受けた。
服というのはそれぞれ好みや考えがあるので、価格や服の良さを吟味することは大切だと思う。僕はこれまで安くてデザイン性の良いものを求めていたが、シャトル織機を用いたHUISさんの服にも多くの魅力を感じた。服の工夫は会社によって違うものであり、もっと他のブランドの工夫も調べてみたい。
 
・私は、シャトル織機というものを今日の講義で初めて知りました。
多くの人たちは効率を重視していった中で、シャトル織機の技術が残り、その価値を伝えていこうとする人たちがいることが素晴らしいと思いました。また三大織機のメーカーが浜松にあり、その織機技術があった故に自動車技術が成長していった、というお話が大変面白かったです。浜松にそのような優れた技術があったからこそ技術者が集まりものづくりのまちになったというのは今まで知らなかった歴史だったので、これからそのような話があった時に思い返せるようにしたいです。
 
・浜松は自動車や楽器のイメージが強く、遠州織物も名前は知っているけれどそれほど意識したことはありませんでした。ですが、自動車や楽器は、織物にもつながりがあって、浜松で織物がさかんだった理由がよく分かりました。
・学生なので高い服はあまり買おうと思ってこなかったけれど、素材の良さを知ると値段の価値に納得できるし、欲しいなと思いました。ものをつくって売るときに、自分だけが良いと分かっているのではなく、買う側に分かりやすく伝え知ってもらうことで買ってもらえるのだなと思いました。
 
・これは私が普段から思っていることなのですが、良いものを良いと周囲に発信するのは想像以上に難しいことだと思います。HUISさんのように情報発信や様々な場所での出店、現地での説明など、色々な視点からアプローチしていくのは相応の熱量があるからこそだと思いました。


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