詩 poem『時』(504字)過去はもはや存在せず、未来はいまだ現れない
俺に残されている時間は、あまりにも少ない
俺の過去は俺の皮膚にのって、俺の体にあまりにも密着しすぎている
俺には過去はない
未来はもう見放されている
俺に残されているのは現在でしかない
未来を信ずるのは、愚かなことだ
未来とは希望そのものであり、俺はあらぬ希望を放擲したのだ
俺に残されているのは、過去の希望そのものであった現在でしかない
鏡をのぞいてみればすべての時間がわかる
鏡は永遠であり、過去と未来を照らす魔法の器具なのだ
我々が永遠の時間を獲得するのは、現在という時間の