ピンチとチャンスの波、リズムの話

緊張しやすい人、失敗しやすい人、「なにをやってもうまくいかない人」というのは、力が抜くのが苦手なことが多い。

「うまくやってやろう」「失敗しちゃいけない」そう思うほど、不自然に力が入り、普段ならやらないようなミスを自分から引き寄せている気がする。

そういう人でも、24時間365日ずっと力を入れている訳ではない。
どこかで力が抜けるタイミングがある。

力の抜けと入り、緊張と緩和は一定の周期で繰り返し、リズムを持っている。リズムは波型で上から下、下から上というように連続する。
月が満ち欠けを繰り返すのも、人が眠って起きるのも、株価が一定期間で高騰と暴落を繰り返すのも、すべて連続した波のリズムだ。

東洋医学には陰陽論という考え方があり、「陰が極まると陽に転じ、陽が極まると陰に傾く」と言われている。
西洋医学にもバイオリズムという考え方があり、人間の体調が一定周期で良いリズムと悪いリズムを繰り返すと考える。

生と死も、大きな視点で見れば陰陽の流れに当てはまるだろう。
日常の体調や運勢の善し悪しも小さな陰陽のリズムだ。
その小さな波が合わさり、積み重なって大きな陰陽の波を作る。
一週間、一か月、一年、十年と、周期的に波が作られていく。

人生では何度か、大きなチャンスやピンチが巡ってくるという。
「モテ期」が死ぬまでに三度あるという話も聞く。
そういうものも、陰陽、つまり緊張と緩和のリズムの中にあるのだろう。

日の出と日没があるように、誰にでも一日の生活の中に陰と陽が存在する。
寝て起きるという大きな陰陽の中に、半日単位、一時間単位とさらに細かい陰陽が存在する。

上手に力を抜くためには、自分の中になる陰陽のリズムに沿って力を抜くことが大切だ。

力が入りやすいときに無理に脱力しようとしてもうまくいかない。
「力が抜けない」という人は、自分の中の陰陽の流れ、オンとオフのリズムのタイミングを察知できていないか、流れを無視している。

陰陽のタイミングがわからない人は、自分の一日、半日、数時間を落ち着いて観察してみるといい。どこに陰陽のリズムがあるのか、どんなふうに波ができているのか、オンとオフの境目はどこなのか、観察して、考えて、感じてみるべきだ。

人間は息を吸って吐く。
脈拍、血流、感情の起伏。
生きるということは、リズムと流れの中で生命活動を連続させることだ。

占いに自分のリズムや流れの診断を頼る人も多いが、自分自身をよーく観察して、客観的にリズムを掴むことは、良い運勢を掴むきっかけにもなる。

仕事や生活をするうえで、ずっと同じ調子で頑張り続けるのは、陰陽論的に不自然な行為だ。途中で上手に脱力をして疲れを抜き、次のタイミングでまた頑張る方が、より強い波を引き寄せられる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?