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人事施策の「副作用」までを明示した『人と組織の行動科学』は、実用型研究書であり、まさに処方箋です。

セミナー登壇にご一緒させていただくたびに、色々と「勉強」させていただいている、伊達洋駆さんの新刊を一足お先に拝読いたしました。
最新の人事課題から古典的な人事課題まで、人事をやっているとよくぶち当たる44項目の課題を【課題明確化→研究知見で理解→エビデンスに基づく解決策→副作用の明示】というフローで明快に解き明かしてくれます。

コンサルタントであれば、商売道具のような解説パターンを惜しげもなく、公開されてしまうあたり、次々と新しい領域に広く展開されていく伊達さんらしいなぁと思いつつ、ここまでポイントを明示されると、読み手もジブンゴトとして深く洞察するしかなくなりますよねー。

個人的におすすめなのが、Part4・育成と自律性にまつわる処方箋です。これだけで1冊の本になるのではないか?と思いました。ボリュームがある本ですので、組織に課題が多いと感じられている方々はこのPart4から読んでいくと実効性の高い打ち手が見つかると思います。

いずれにしましても、施策を行なった場合の「副作用」に触れられている点が、この書籍の真髄だと思います。サイバーエージェントなどで言う「しらけのイメトレ」が有名ですが、人事施策は狙った通り100%進むという事はほぼないだけに、「副作用」が先に見えると、いろいろな構えもできて効果検証もしやすくなると思います。

人事経験3年以上の担当者におすすめです。人事部長、CHROは必読と思います。


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