ありがとう。

今夜も学習会の場で「ここからタイム」。初回とは違う地域の小学生が対象でした。

(初回の様子はこちら)

実はこのエリアのひとつの小学校に、昨年まで2年生と4年生対象の性教育の講演を継続して行っていました。2年生には子宮をかたどったカードを配っていて、4年生にもそれを示しながら、続きのお話だよと振り返ってもらって話していました。

なので、クラスの何人かはカードを見て、「これ学校で習った!」と思い出してくれました。男の子たちがとても元気で、晩御飯の時には数人で下ネタ(と言っても、晩御飯のソーセージと肉団子を見てげらげら笑ったり、ソックスとかシックスとか言い合ったり…といった他愛もないふざけっこ)で騒いでいたので、二次性徴の話や受精の話などとともに、「セックス」という言葉も使って、性交にも軽く触れました。子どもたちはわぁっと盛り上がり、時間を過ぎてもたくさんの質問をしてくれて(その中には「オナニーって何ですか?」というのもありました)、とても楽しい語らいの場となりました。

そんな中、ホワイトボードの前で熱心に話を聴いてくれた女の子がいました。
彼女はご飯前の学習の時間では、コーチに「私、二桁の割り算って苦手なんだよね」と文句を言い、なかなか解けない文章題に嫌気がさしたのか床に寝そべったりしていました。
その子が、ここからタイムの途中で「私、ノート取ってくる」と言ってカバンからノートを取り出し、ホワイトボードに書いた用語や子宮の絵をひとつひとつ写し始めたのです。

学習会が終わって帰る間際、彼女は私に「このカードね、ノートに貼って取ってあるんだ。だから二枚目」と話しかけてきました。何年生?と聞くと、4年生というので「そっか、今年は私じゃないけど違う先生が今日みたいなお話をしてくれるみたいだよ」と返しました。その学校にお子さんのいる知人から、今年は違う講師が呼ばれていると少し前に聞いていたからです。その子は「でも、その先生はセックスとか言わないよね」と言うので、「そうだね…。でも、私も小学校でセックスって言えることはほとんどないよ。今日は特別」と答えました。すると、その子は私の顔をまっすぐに見て「ありがとう」と言ったのです。

初対面(でない子もいたけど)の小学生を相手に「セックス」を語ったのは初めてで、男の子たちのノリの良さに調子に乗り過ぎたかも…と不安になっていた私は、ホッとすると同時に嬉しい気持ちがこみ上げてきて、その後その子になんと応えたのか思い出せないくらい、ぼーっとしてしまいました。

12年前、初めて子どもたちに命の誕生について話した時のこと、イベント後に5歳の男の子に「がんばったね」と言ってもらったのを思い出しました。

言葉も知識も大切だけど、多分本当に伝わるのは態度。
セックスが「大事なこと」だということを、彼女は確かに感じとり、学び取ろうとしてくれたのだと思います。

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