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Re:Birth~お産の喜怒哀楽を語り合う~

今日は私が20年近く活動しているNPO法人ままとーんの事務所で、3月に発行したフリーペーパーの制作スタッフが集まり打ち上げがありました。
コロナ対応でバタバタしているうちに時間が経ってしまったようで、発行から半年以上経っての会でしたが、久々に会えたスタッフもいて楽しいひと時でした。
(サムネイル画像は、今日みんなでシェアしたお菓子。フリーペーパーで紹介したお店で購入したものです)

スタッフがそれぞれ感想とか反省点とかをシェアしたのですが、私は当時入会したてだったスタッフSさんと共にまとめた「新米ママが語る 私のセキララ産後体験」という記事がとても印象に残る仕事で、今後の活動にもつなげていきたいと話しました。
(記事閲覧はこちらから。PDFへのリンクがあります)

その記事は当初、市の産後ケア事業を紹介するという企画でした。ですが、それを利用したというSさんの産後の体験を聴いていくうちに、これは彼女自身の体験にフォーカスした方がいいのではないかと思い、編集長とも相談して企画を途中でがらっと変更。私が彼女に改めてインタビューをし、まとめたテキストをもとに彼女自身が仕上げた体験記事となりました。

彼女への取材や、記事を仕上げていく過程でのテキストのやりとりで私が感じたのは、出産の体験を自分なりに消化しておくことの大事さでした。
お産の後にはまったなしで育児が始まり、出産の中で感じたひっかかりやもやもやは、「出産おめでとう」の周囲の声にもかき消されてしまう。
でも、その記憶は消えることなく心の中にわだかまり、浮上しないように何とか押し込めようとしてきた彼女の苦しさが、言葉の端々から伝わってきたのです。

私自身は3回の出産を経験しましたが、どれも喜びに満ちた体験でした。だけど、子育て支援の場に長くいると、そうではない体験 ― 時には死産ということも ― を耳にしたり身近に起こったりすることが何度もありました。
なので、もう10年ほど前になるのですが、お産体験をひたすら語り傾聴し合う場を企画し、開いていました。
今日のタイトルはその企画の名前です。産んだ自分へ、メールの返事を書くように振り返ってみたらどうだろう?という思いを込めて。

少し前にお産サポートJAPAN主催のシンポジウムに登壇し、当事者による子育て支援の場づくりを紹介する機会をいただいたのですが、ここで他のシンポジストが紹介されたお話からも、お産体験の昇華の重要性を感じることがありました。

私は人のお産の話を聴くのが好きです。なぜかは分からないけれど、そこに立ち現れる喜怒哀楽に触れることに、とても惹かれるのです。
すごく重たい、悲しい話もあったりするから、場をつくるのも、継続するのもエネルギーが要るのだけど、もう一度やってみようかなと思っています。

フリーペーパーが出来上がった時に、やらねばと思っていたのだけど、棚上げになっていました。
開くなら、オンラインではなくリアルでと思うので、コロナ下をかいくぐっての場づくりは難しいかもしれないけど、とにかくやってみようと、美味しいお菓子をいただきながら、改めて決意しました。

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