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【あややノート】第28回 はたちクエスト退所編スタート!

こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。ただでさえバタつく3月後半にコロナにかかってしまい完全にダウンしてしまって、関係各所に迷惑をかけまくる…という年度替わりを迎えました。(ご迷惑かけたみなさま、本当にごめんなさい…!)

久々に外に出ると、もう近所の桜は満開になっていました。春がやってきたなぁとしみじみ感じています。

少し早咲きの近所のお寺の桜

子どもたちもそれぞれ新しい生活がスタート。おうちに戻ることになった子がいたり、施設の中で住む場所が変わる子もいたり、一緒に住む子や職員さんが変わる子も多くいました。

そんな中でも一番変化が大きかったのは、18歳で高校を卒業して、一人暮らしを始める元高3生たち。HUG for ALLで関わってきた一番上の年代の言わば「第一期生」の4人です。そして彼らの卒業と合わせて、私たちHUG for ALLも「はたちクエスト退所編」をスタートしました。

はたちクエスト退所編とは

はたちクエスト退所編は、これまで施設で暮らしてきた子どもたちを社会のコミュニティに迎え入れ、生活に寄り添いながら困りや悩みをフォローしていくプログラム。

これまでのクエストプログラム同様、子ども1人に2〜3人の担当がつくだけでなく、子どもたちをゆるく見守る「応援隊」のような大人たちも含めて、子どもたちをサポートしていきます。

担当するクエストフレンドは、小5の頃から子どもたちを見守ってきたメンバーに、新たにサポートしてくれる人も加わって、子どもたちの世界も少しこれまでよりも広がります。

はたちクエスト退所編とは

小学生のまなびクエスト・あそびクエストから、6年間の中高生用はたちクエストを経ての退所編。ゴールのように見えますが、実はここからが子どもたちにとってもとても大切な「スタート」だと思っています。

プログラムの全体像

施設を出ての一人暮らし。親元を初めて離れて一人暮らしをするよりも「自分でやらなきゃ」という感覚が少し強いかもしれません。そこではたぶん初めての経験がいっぱい。

悩みながら、考えながら、一歩一歩歩んでいくことは、子どもたちそれぞれの学びになると思いますが、そこに寄り添う人がいるかいないかで、心強さは大きく変わるのではないかと思います。これからの彼らの新生活を、程よい距離感でそっと見守っていきたいと思います。

「顔合わせ会」で感じたこと

3月16日には、退所編の担当になるクエストフレンドと、子どもたちとの顔合わせ会を行いました。これからの「はたちクエスト」で何をやっていくのかを話しながら、まずは担当さんと仲良くなってもらおう!という時間です。

顔合わせ会当日の様子

実はこの日を迎えるまで、私の中にも、18歳という多感な時期に、少し年の離れた私たちと過ごす時間を持つことは子どもたちにとってうれしいことなのだろうか?という不安があったような気がします。

でも、この日の子どもたちの様子を見て、私が元々思っていた以上に、この「大人たちとの関係性」は、子どもたちにとって大きな意味があるのかもしれないと感じました。第一期生たちの性格もある気がしますが、月に一回会うこと、個別に連絡を取り合うこと、誕生日などを祝われること、いずれも喜んでくれたからです。

「施設を出たら一人でやっていかないといけない。気軽に職員さんも頼っちゃいけない。失敗をしても何をしても自分の責任だ。」そんな悲壮な決意で巣立っていくのではなく、「施設を出ても1人じゃない、これまで知っている人たちが社会に迎え入れてくれる。失敗しても相談にのってもらえる。」そんな安心感を持って巣立っていくことができること。その大切さをしみじみと感じます。

小5からの約7年間。じっくり、ひとつずつ、私たちが積み重ねてきたものは、私たちの中にも、子どもたちの中にも積み上がっている。ある意味当然なのですが、改めてそんなことを感じて、少し胸が熱くなったりもしています。

このタイミングで起きたこと

私が個人的に仲のいい児童養護施設出身の若者の中には、順調な生活をしている子もいれば、かなりしんどい状況の子もいます。実はこの3月~4月、複数の施設出身の若者たちから連絡をもらいました。

安心して頼れる人を求めて連絡をくれた子、話を聞いてほしくて連絡をくれた子、近況報告で連絡をくれた子。それぞれ状況は様々ですが、人生を歩んでいく中で、悩んだり、迷ったり、困ったり、喜んだり、楽しんだり、みんなそれぞれいろいろあるなぁと思います。

その中には、とてもしんどい状況から連絡をくれた子も何人かいます。彼らに対して私ができることは、ほんの少しかもしれない。でも、こうやってつながって、できるだけの手を伸ばして、その子に寄り添うことが、必要なこともあるんじゃないかなと思います。

施設を出た子どもたちにとってのクエストフレンドは、安心して頼れる、相談できる、ちょっと年上の友達。クエストフレンドにとっての子どもたちは、何かあったら絶対に力になろうと思う、幸せになってほしい愛しい存在。私は、HUG for ALLの活動を通して、そんな関係性をつくっていきたい。今回、若者たちから連絡をもらって、改めてそんなことを感じています。

さいごに

HUG for ALLの願いとして掲げる「すべての子どもたちに安心できる居場所を生きる力を」。これは、私自身の強い願いなんだなぁと改めて思います。

子どもたちには、自分自身で人生を歩んでいくための「生きる力」を持っていてほしい。そして、その子たちが一人で苦しむがないように、彼らを支える大人たちにそばにいてほしい。子どもが幼いときだけでなく、思春期も、大人になってからも、ずっとずっと、です。

人は、それぞれ自分の生きたいように生きる力がある。でも、人は、一人では生きてはいけない。私の中にはそんな強い思いがあります。

だからこそ、子どもたち一人ひとりに「生きる力」を、そして彼らの生きるエネルギーの源になる「安心できる居場所」を、しっかりと育めるようにしていきたい。それが、HUG for ALLを通した私の願いです。

これからもHUG for ALLを応援いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

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