【HUGノート】ホバークラフトづくりの「想定外」
こんにちは。
HUG for ALL代表のあややです。
訪問型支援をしている2施設目では、1日の訪問の前半を「まなびクエスト」、後半を「あそびクエスト」として、活動しています。今日は8月の「あそびクエスト」の様子について、お伝えします。
今回のテーマ
8月の「あそびクエスト」のテーマは「ホバークラフトづくり」。風船とストロー、ペットボトルのふた、CD-ROMを使った理科実験です。
以前に1施設目でも取り組んだことがあり、そのときは子どもたちが思い思いのホバークラフトをつくろうと試行錯誤を楽しんでいたプログラム。私たちにとっても「成功体験」があったので、「きっとうまくいくはず」と思っていました。
まずは1つ、見本通りのホバークラフトを作ったあとは、素材や形を変えて、オリジナルのホバークラフトを作る。オリジナルのホバークラフトは、より速い動きを追及しても、変わった動きを追及しても、アート性を追及してもOK。そんな流れで進める予定でした。
前回と今回の大きな違い
でも、実は一つ大きな誤算がありました…。それは「コロナ」です。
前回はみんな、風船を口で膨らませていました。うまく膨らますことができない子も、年上の子に頼んだり、大人に頼んだりと、上手に他の人の力を借りていて、「風船が膨らまない!」と困る子どもは一人もいませんでした。
でも、今回は、コロナ禍ということもあり、風船を口で膨らませることができません。代替手段として「空気入れ」を使ってみたのですが、ホバークラフトの構造上、なかなかうまく風船が膨らまないというトラブルが…!
風船に空気を入れることができないと、ホバークラフトはうまく動きません。うーん、これはピンチ…
もう1つの問題
そんな中で、もう一つ問題が発覚…!それは「マスキングテープの粘着力」。今回持って行ったマスキングテープは粘着力が弱めのものが多かったようで、うまくくっつかないというトラブルが続出!
最初はマスキングテープの見た目で選んでいた子どもたちも、貼っても貼ってもはがれるテープに業を煮やして「粘着力の強いのないのー?!」とマステ交換にやってきます。
風船は膨らまない、マステはすぐはがれる。大人も子どもも四苦八苦していますが、なかなかホバークラフト作りが成功しない…!これはかなりの想定外で、全体の様子を見ていた私は、子どもたちが飽きちゃうんじゃないか、イヤになってしまうんじゃないかと、少しドキドキしていました。
子どもたちはあそびの天才!
でも、そんな私の心配をよそに、子どもたちは自分の「やってみたい」を見つけて、いろんなことにチャレンジし始めました。
細長い風船を使ってホバークラフトを走らせようと四苦八苦する子、風船を膨らませてボール遊びを始める子、シールをはってオリジナルのかわいい風船を作る子、学校で習ったという「風船クラッカー」を自作する子…。
「そこにあるもの」で工夫して、それぞれの楽しみを見つける様子に、子どもたちの創造性とあそびへの情熱を感じました。
子どもたちって、本当にあそびの天才!当初予定していたプログラムと形が変わっていっても、子どもたちの「やってみたい」に寄り添って、いっしょに楽しんでいくことが大事だなと思います。
「何かを作ること/やり遂げること」が目的なのではなく、私たちが提供した素材や機会をきっかけに、子どもたちがどんなふうにあそびを広げていくのかを見つめていくこと。そこにある、子どもの個性や興味関心、好きや得意にアンテナを立てて、発見していくこと。
それが「あそびクエスト」で大事にしたいことだなと、今回改めて感じました。
おまけ
かなへびに夢中なみさきちゃん(仮名)は、あそびクエストの間もかなへびくんといっしょです。かなへびくんが風船の中に入るかを試している場面もあって、みさきちゃんのかなへび探究はどんどん進んでいるようです。
こんなふうに、子どもたちの「好きなもの」から広がるいろんな興味関心を大事にしながら、これからもクエストを続けていきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします。