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【HUGノート】退所までの1年の見通しを立てよう!

こんにちは、HUG for ALLのあゆ(スタッフ兼HUGメンバー)です。

今回は、高校3年生のみきちゃん(仮名)との、オンラインでの「はたちクエスト」の一コマをご紹介します。

はたちクエストは、「子どもたちを社会に迎え入れる」がコンセプト。
社会のことや仕事のことを知り、自分の興味関心や好き・得意を踏まえて将来を考え、進路や生活をデザインしながら、未来(自立)に向けた力をクエストフレンドと一緒に備えていくプログラムです。

今回は、1年の始まりのオリエンテーション。
退所まであと1年を切った子どもたちに、改めてプログラムやクエストフレンドの意味を伝え、この1年の見通しを対話する回として位置づけています。

▼「あなた」を教えて!とりせつドン

<目的・やり方>
子どもとクエストフレンドそれぞれが「お互いのことを知る」ことを目的に、共通のお題に対し、参加者が一斉に回答します。同じお題を子どもも大人も自分の捉え方で答えるので回答内容はさまざま。その違いを楽しみながら、対話を深めるゲームです。
お題も子どもたちの「今」が見えるように、さまざまなテーマを考えました。

 ・今、自分や周りの友だちがハマっていること
 ・どんな人に憧れる?なりたいと思う?
 ・1日のうち、スマホを5分しか使えなかったら?
 ・自分を色に例えると何色?
 ・バイトするなら何したい? …など。

●欲しい特殊能力は?「人の心が読める力」
 理由は、人の気持ちがわかれば、みんな平和だしオモシロいから。
 最初に「平和」が出てくるあたり、みきちゃんの優しい一面がよく見える回答でした。

●どんな人に憧れる?なりたいと思う?「犬」
 まさかの「犬」!で、びっくりのクエストフレンドですが、理由を聞いてみると、犬はみんなに癒しを与えられる存在だから、とのこと。もうみきちゃんの存在自体、私たちにとっては癒しなのですが、どこまでも周りの人のこと、居心地の良さを考えているみきちゃんは本当に優しい子だなぁと思います。

●スマホを5分しか使えなかったら?「インスタ(Instagram)」
 インスタが一番、効率がいい、とのこと。
 クエストフレンドたちは「??」でいっぱいだったので、効率の良さを解説してもらいました。インスタだったら、「LINE電話しながらDMもできるし、LINE電話しながら友だちの投稿を確認したり、インスタライブにも参加できるから、5分の中で1つの機能だけでなくツール併用しながら、友だちとのコミュニケーションを効率よくとれる」のだそう…。今どきの高校生の新常識に驚愕したクエストフレンドでした。

「同じお題であること」、子どもだけが一方的に聞かれるのでなく「参加者がみんなで開示しあうこと」でかなり子どもたちとの対話が深まり、知らなかった一面が見えたゲームでした。 

「とりせつドン」の画面イメージ

▼この1年どんな1年にする?

続いて、これからの1年について話をしました。
「進路」検討で決まっていること、そこから逆算できる「生活」の準備もざっくりと意識できるように、年間スケジュールに可視化していくプログラムです。

どのくらい先の予定を把握しているのか、少し心配もありましたが、しっかり職員さんと対話しながら進路決定までのスケジュールが見えていました!すごい!
志望校だけでなく、入試のプロセスや面接での想定質疑なども把握していて、「これから志望理由や書類の準備もしなきゃなんだ」と自分で言うほど、準備は万端!!

進路に部活に、バイトに退所準備に、やることは盛りだくさんですが、前向きでがんばりやなみきちゃんはぐんぐん乗り越えて行ってくれそうです。
この1年間のみきちゃんの成長と変化が楽しみになりました。

”退所”がより現実味を帯びてくる1年。
このプログラムが、子どもたちの社会への不安・自立への焦りに寄り添いながら、将来を一緒に描いていけるような時間になればと思います。


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