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「月は満ち欠ける」制作裏話 #2

アレンジ

ボ〜ッと朝の時間を過ごしていた。歌詞のメモ、それからアレンジのアイデアなどを書き殴った紙を見ながら考えていた。まだ月をモチーフにしてなかった。でも大体のお話を書き上げる。なんとなくだが普通に書けた。

いい悪いは置いておいて、もうこれを修正している暇はない。大体これをもとにメロディーとコードを決めた。なかなか切ないいい感じが出たのではないかと思った。
そこでアレンジだ。いつもアレンジで悩む。さらにその先のMIXで悩む。またまたさらにマスタリングだ。なぜいつもこんなに悩むのだ?それは正解がないから、どこまでやっていいかわからない。これが正解かなと悩んでも不安で押しつぶされそうになる。でもMIXにかけられる時間はあまりないはずである。

ここで初めていつもの迷宮。迷宮に入ったのだから後は出ればいい。でももう正味1日しかありません。でも1日と言っても朝5時ぐらいから12時ぐらいまでの6~7時間。前日までにコードとメロディー、歌詞は決まっていたので、曲の雰囲気は出ていました。ちょっと静かに、でも情熱的なアレンジ。いろいろやったけれど何だかイメージに合わない。楽器が多いんだ。トラック数が多いから、何だかとっ散らかっちゃうんだ。少なくしてみよう。とは言っても少なくしてできる自信はない。スカスカになっちゃう。

昔の記憶

そこで思い出したことがある。ずいぶん懐かしい記憶だ。学生時代のある日友人から、

友人「おまえ、電気配線とか得意だよな。」

風月「まあ好きだよ。半田付けも好きだし。」

友「いや半田付けではなく、オーディオとかの配線も大丈夫か?」

風「もの見てみないとわからないけれど、たぶん大丈夫。」

友「一度見て欲しいので、今度先輩に会ってくれないか。」

風「えっ、先輩?できなくても怒られない?」

友「大丈夫、ジャズ研の先輩なんだけれど、完全アナログな人なのでオーディオの機械のつなぎ方わからいらしい。おれもわからないのでおまえに聞いてみたんだ。」

とのことらしい。ジャズ研究会の練習場に行ってみると演奏していた。いくつかバンドはあるみたいだけれど友人の先輩たちだけが演奏していたみたいだ。ジャズってちょっとかっこいいとこのとき初めて思った。

私は紹介されてあいさつしたあと、先輩から言われたことは、アンプから音を出すこと。ジャズ研のアンプが壊れたので、取り替えようともらってきたアンプに入れ替えた。でも音が出ないとのこと。後ろの配線見たらめちゃくちゃ。Phono端子のアースは取っていないし、カセットの入力と出力が逆だった。なんか適当につないでいるのがわかった。

家から通電用のテスター持ってきて、どのケーブルが繋がっているのかを確かめてスピーカーとアンンプレコードプレイヤーを繋いだ。スイッチを入れてレコードかけると音が出た。みんなで拍手した。けっこうな満足感。

このときはこれで帰ったけれど、後日また呼ばれることになった。どうやらこの先輩、小さなジャズバンドを組んでいて、夜どこかで演奏しているらしかった。その職場で使っているというカセットテープを使った4チャンネルのマルチトラックレコーダーを持ってきた。たぶんこの方のイラストのMTRだと思う。

もちろん先輩は使い方わからないので私を指名。たくさんつまみはあったけれど4チャンネルの入力端子を持っていてVUメーターがついていてフェーダーは音量、左右に振るつまみ、今で言うパンのつまみぐらいはわかった。

あとは音質を変えるつまみなのはわかった。今思えばLogicの4チャンネルバージョンみたいなものだったな。これを使って学祭で音響につなぎたいという。4チャンネルあれば先輩のジャズバンド、ピアノ、ドラム、ウッドベース、ヴォーカルなら十分だ。これで学園祭に出る時のスピーカーの音響をお願いしたいといわれ、やることになった。

何とかその役はこなし、ジャズ研の音響総監督としての役をつとめた。ちょっと楽しかったな。その後これそれぞれをカセットに録音できますよとMTRの使い方もお教えした。(^^)


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