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「金木犀のかをり」制作裏話 #4

見直し

いい感じにアレンジがまとまりつつある。これならばなんとか間に合うかなと思っていた。そこでふと初めお話を決めるときのメモを見た。そこに「香りとともに昔の片思いを思い出す。」と書いてあった。ん?「昔の...?」確か歌詞はこれとは違う感じでストーリーが進んでいる。

これは見直し手直しが必要だ。なんてことだ、昔のメモなんか見なければ良かった。このままの話で行こうとしたけれど、確かスペースで「香りとともに恋を思い出したらいいよね。」みたいなことを話していたことを思い出した。やっぱりお話に昔の恋を入れることにしよう。

1番はそれほど手直ししなくてもいいかな。問題は2番を昔の恋、しかも片思いを思い出すようにしよう。時間はないがここでやるしかないのだ。その日やるべきことを全て終わらせて寝る前の15分を確保した。この15分でお話を決めると決めた。できなかったらそのままで行こう。もう締め切り間近なのだ。”さあ我の中の深淵に眠りし妄想よ起きて我の元に顕現せよ。”妄想の神はきっと厨二病が好きに違いない。(^^;)

そこで思いついたのが、1番の終わりに自分のかをりをキンモクセイに伝えてもらおうとして願う。2番に入りそのかをりを伝えてもらおうとしたら、彼も誰かに伝えようとしている。相手は…自分ではない。彼が前々から好きだと言っていた子だ。キンモクセイは思いを伝える花だから、自分のかをりを伝えてもらおうとした。

でもキンモクセイは彼の思いを伝えて彼の恋が成就するようだ。そんなとき、自分が思いを伝えることはかえって彼の迷惑になるだろうから、胸の奥にそっとしまっておく。誰にも気づかれないようフタをしてそっとしまっておく。あまりにもやるせない片思いではないか。でもそうしてきた人はたくさんいるのではないだろうか。

霧の中

キンモクセイの時季に霧が出たことがある。まだキンモクセイが咲いたと思っていなかったので香りだけが漂っていた。せっかくだから探したのだけれど、見つからなかったことがある。このことをCメロで使ってみた。

ここの時間は過去を思い出している「今」ということにしているが、昔片思いで心痛めたときにしていいかもしれない。それは聴いてくれた人の感じた通りでいいことにしよう。どちらと決めないことにした。

そのあとラストのサビだけれど、これはもう時間は今に戻ってきていて、キンモクセイの香りをかいで、過去の片思いを思い出し、今どうしているかわからない彼の幸せを願うのがいいだろう。ということでそうしてみた。あとは曲のメロディーに合わせて歌詞に落とし込んでみた。15分は少し過ぎてしまったけれど、なんとか出来上がった。やればできるもんだ。偉いぞ自分。

Cメロ

2番が終わったあと間奏を経てCメロそしてラスサビへと向かう。しかしなんだか感情がうまくつながらない感じがした。2番は自分の気持ちにフタをして沈んでいる。ラスサビは昔の恋を引きずりながらも前向きに生きようとしている。なんだかつながってない。違和感がある。

ここでCメロの歌詞を変えなくてはいけないかと考えたけれど、ここのCメロは霧の実体験も入ったお気に入りの歌詞だ、変えたくない。しかし曲の流れとして不自然。そこでまた考えてみる。ここは気持ちの転換点、感極まるところである。

それならばミクちゃんの歌い方を変えてみよう。2番の沈んだ感じとは違う、ラスサビとも違うもう一つの声で繋いでみよう。ということでミクちゃんの声を変えてみた。私の中では感極まる感じが出ていたよくなったと思う。もう時間もない。これで完成としよう。\(^o^)/ 終わったときはい日付を跨いでいたので今日はミクちゃんの誕生日。8月31日、ミクちゃん16歳の誕生日おめでとう。


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