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「魔法使いのライバル」製作裏話 #4

ライバル

Aメロ、Bメロの歌詞がのってきた、次に考えるのがサビの歌詞だ。お話の構成としてライバルちゃんも恋に落として魔法が使えなくなってしまうというのは初めの段階であったのだが、なんだか安直すぎるなぁと思ってやめておいた。

しかし、そのままにしておくとクールな性格もあってか、ただの意地悪なクラスメイトになってしまう。う〜ん、曲としてどうなんだろう。しかも歌詞がなんだかビビッとこない。自分がビビッとこないものを曲にしても、人の心に届くわけがない。願わくば自分の思いを曲に乗せて届けたいので、やはり自分がのらないものをのせられなかった。

なんとなくお話を考えるときに(妄想力を働かせるときに)、気持ちがのると頭の中で情景があとからあとから出てくるものだ。ライバルちゃんを恋に落としたとき、出てくるんだなぁこれが。いくつかのパターンが出てきて、一番曲調に合わせるパターンに落ち着いた。やっぱりこういうのって勢い大切だよなぁ

ブレイク

曲を作り始めてからの憧れでやってみたいことがいくつかある。その一つにブレイクがある。ブレイクと言っていいのかわからないが、曲が一旦止まって無音が一瞬できる。あるいは、歌手だけが歌っている、みたいな状態だ。

やってみたいとは思っていたのだが、どうやっていいのかわからないのと、どうすればいいのかもわからなかった。しかし今回2番のBメロの最後に「言えない」というところがある。ここはもしかしたらブレイクの使いどころではないかと考えた。

いちど、1小節以上離してみた。そうしたらタメが長くてなんだかわからなくなった。このあとサビが来るので曲のリズムを壊したくない。でもブレイクしてライバルちゃんの心に集中させたいという気持ちもある。何度も何度も繰り返し試してブレイクの長さを考えた。そして思ったのが、リズムに合わせるよりもちょっとずらしていつ来るかわからない感じにした方が緊張感が出ていいなと思いつく。

実際ずらして入力して聴いてみるといいかんじ。またもやビビビッときた。この瞬間曲を作っていて楽しいときだ。でもまだなんか違うので何度も何度もやっているうちに今の形になった。あの間になるまでかなり苦労した。私の中ではこの曲で聴いてほしいところの一つだ。聴いてほしいところが無音というのもなんとも言えず苦笑いする。


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