「魔法使いの決心」製作裏話 #4
アレンジ
ストーリーがしっかりしてくるとアレンジはしやすくなってくる。まずはドラム、いつものように賑やかにし過ぎるとなんだか場違いな感じなので、少し静かにする。スネアが元気なのでなくす。そしてとってしまう。うんうんこれぐらいがいい感じだ。
キックとハイハットでいい感じになった。ベースも加えてちょっと強く弾いてもらう。それだけで暗い雰囲気が出ていいのではないか。などと考えながらアレンジしていた。
さて、ちょっと憂いを帯びた表情と言ったらストリングスだ。今までもここぞってときに鳴いてもらった。弦を擦って音を出すという性質上なのか、切ない音が出るので、今回はバイオリン隊に出てもらった。テリアの心の泣きをうまく表現できればと思っていた。
ブルームーン
満月から満月までは29日間、一ヶ月は30日か31日になっている。ということは一月に2度満月が来るときがある。この2度目の月をブルームーンという。ただ青っぽいだけの月もこう呼ぶので紛らわしいが、2020年10月31日はハロウィーンでブルームーンだった。
この青い月というのは魔法の力を増大させると言われている。しかもこの日はハロウィーン、魔界の門が開き魔物たちがこちらの世界にやってくるという。その力も借りることができる。そうしたらテリアが少ない魔法を使い、術をかけるのならばこの日にするだろう。それでもかからないとき、彼女のショックはどのぐらいなのだろう。
暗く沈むテリア、それに対して街は賑やかなお祭り騒ぎ。フラフラと街に出てその心を癒そうとするがかえって虚しくなってしまう。それでも心の中には彼がいて、どうすることもできなくなっている。こんな切ない夜のブルームーンはテリアからはどう見えたのだろうか。
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