見出し画像

「魔法使いの卒業」製作裏話 #5(最終話)

再考

さてお話をどう変えようかと思ったところで復習。恥ずかしながら自分自身でも設定を忘れてしまっているので、以前noteに書いた文を拝借。

1. 魔法使いの女の子 2021.7.1 (サリア曲)

2. 魔法使いのライバル 2021.9.1 (テリア曲)

3. 魔法使いの決心 2021.10.15 (テリア曲)

4. ワガママ魔法使い 2022.1.1 (サリアママ曲)

5. 魔法使いの憂鬱 2022.4.1 (サリア曲)

6. 魔法使いの誓い 2022.4.23 (テリア曲)

7. 魔法使いの男の子 2022.10.8 (男の子曲)

8. 魔法使いの卒業 2023.3.1 (テリア曲)

お〜、こんなにあったか。話が長くなり、わからなくなるわけだ。聴いてくださった方などなおさらだろう。ややこしさはそれだけではない。このシリーズ、通して3人の魔法使いが出てくる。少し整理してみよう。出てくるのは「サリア」「テリア」「サリアママ」だ。まあ歌詞に「サリアパパ」も出てくるのだけれど置いておこう。最近ではサリアとテリアが好きになった「魔法使いの男の子」も出てきた。

「サリア」曲は
1.魔法使いの女の子 と 5.魔法使いの憂鬱


「テリア」曲は
2.魔法使いのライバル と 3.魔法使いの決心 と 6. 魔法使いの誓い と 8. 魔法使いの卒業

「サリアママ」の曲は
4.ワガママ魔法使い

「男の子」の曲は
7. 魔法使いの男の子

ちょっと追ってみよう

1.「魔法使いの女の子」

魔法使いの家に生まれたので自ずと血筋はいい。この世界は魔法使いがいる世界だが、全員が魔法を使えるわけではない。使える素質がある人はやはり遺伝しているようだ。ママもグランマも「グレートウィッチーズ」(偉大なる魔女)の称号は持っている。国が優秀な魔法使いに与えるものだ。それぐらいは知っている。しかし今の二人はてんで魔法は使えない。わずかの魔法しか使えない。なんでこの二人が「グレートウィッチーズ」の称号を持っているのか不思議なくらいだ。

中高校生ぐらいになると、子供の勉強はもう教えられない。勉強なら子供の方ができるようになる。できるようになるとちょっと親を小馬鹿にするようになる。そんな感じが1番だ。

2番では魔法の力だけはあるサリア。だんだん魔法が使えなくなっている。その原因は親友と幼なじみの彼がいっしょに帰ったという噂を聞いたからだ。この世界、恋をすると魔法が使えなくなる。さあどうしたらいいだろう?

2.「魔法使いのライバル」

前曲「女の子」のサリアにはライバルがいる。親友にしてライバルのテリア。このテリア、きっちりとした性格でクールビューティーな感じ。自分は先祖からの魔法家系で、魔女が迫害を受けていたこともあるが、時の国王に保護された家系。貴族のご令嬢といったイメージだろうか。

親友だけれどサリアが何にも勉強していないのに魔法の力だけで毎回学年上位を持っていくのは気になる。努力も惜しまず最大限にやっているのになかなかサリアを抜けない。自分も悪い血筋ではないのだが、やはり血筋なのかと諦めそうになる。でも、どうやら幼なじみのこと気にして恋に目覚めそうだ。そうしたら自然と魔力が落ちて自分が上位になれるのではと思い、サリアと幼馴染みの彼の恋を応援する。

彼とテリアがいっしょにいるところを周りに見られてしまうが、それも作戦のうち。それでやきもちをやいたサリアの恋が成就させれば作戦成功なのですが、なんと自分が幼馴染みの彼に恋をしてしまいます。落ちていく魔力、心が彼で埋め尽くされる、自分ではどうしていいかわからない。まだなんとかなるのではと希望を持っている。

3.「魔法使いの決心」

前曲同様テリア曲。今まで恋らしい恋をしたことないテリアがよりによって親友の彼に恋をしてしまいます。親友サリアに呪いの魔法をかけようとしていますが、魔力が足りないのでかかりません。ハロウィンの夜、悪霊たちが徘徊する夜に彼とサリアがいっしょにいるところを見てますます落ち込みます。

もうこれ以上どうしていいかわかりません。それでも真面目な彼女は前曲の希望を捨てて「恋」に生きると決心します。この「恋」が成就することもないかもしれないが、彼を「好き」であることをやめようとはしなかったのです。

5.「魔法使いの憂鬱」

テリア曲が2曲続いたので、こんどは「女の子」のサリア曲。テリアがそんな絶望の縁で決心しているのを知らずに、彼と親友テリアが仲良いのは気になっています。小さい頃の夢である「魔女」になるためには恋はできません。サリアは魔女の道を選びました。

幼なじみの彼とはずっといっしょにいるから、恋愛という感じではありません。でも女の子といるとちょっと気になります。ましてや自分の親友ですから。4月すべてが明るくなる世界なのですが、親友と彼が何度もいっしょ帰っているし、なんなら自分とは帰らないし、親友の魔力が落ちているのも気になるし、そのこと聞きたいけどなんて聞いたらいいかわからないし、付き合っているわけではないから聞くのもなんか変だし、まあいろんなことが頭の中ぐるぐる回ります。

小さい頃にずっといっしょにいてくれるって言ってくれた彼が今とても遠くにいます。今どうすることもできません。

これがサリアとテリアのお話です。二人ともどうしていいか未来の道が全くわかりません。もう一つ外伝的に書いたのが「ワガママ魔法使い」です

4.「ワガママ魔法使い」

これはサリアやテリアが生まれるずっと前、サリアママが世界を救ったというお話。魔女は長生きするので色々なことがあり、サリアパパと知り合い、世界を救います。この話は「ワガママ魔法使い制作裏話」に詳しく書いておきましたから見てみてください。最後にサリアが魔女になる決意をして、今の話につながります。

6.「魔法使いの誓い」

もうどんどんと魔力が落ちてくるテリア。恋することをやめれば元に戻るのでしょうが、残念ながら止むことはありません。心の中にしまえばしまうほど広がっていくものです。自分が親友を陥れようとしたバチが当たったのだと納得もし、自分の運命を受け入れ誓います。

いまさら彼に自分の恋心を打ち明けたところで、この恋が成就することはない。それでも彼から聞かれるのはサリアのことだけ、最近彼が避けられているのは、サリアが男の子のことを幼なじみから異性へと意識し始めたから。それを言ったところで自分の魔法も戻らないし、恋心も実るわけではない。ますます気持ちを押し込め、魔法が消えていく自分を受け入れていきます。人生生きているとどうしようもないことを受け入れることありますが、まだ10代には厳しすぎます。

7. 「魔法使いの男の子」

前曲のテリアちゃんの気持ちもあるのですが、男の子はもう昔からサリアのことが大好きです。自分も少し魔法が使えるのですがサリアと同じ学校に行きたくて猛特訓を受けました。この世界、男子はあまり魔法は使えません。女の子の「恋する気持ち」が魔法の原動力になっている世界ですから、ちょっと違うのです。その設定を考えたのも「魔女」という言葉はあっても「魔男」という言葉がないからです。

男の子はサリアのことが好きなので、最近冷たくなったサリアが気になって仕方ありません。「もしかして恋をしているのでは、止めさせないと。」と言っていますがお前だよとツッコミを入れたくなりました。(コメントでいただいた時は意図が伝わっていると思いめちゃめちゃ喜びました。)しかもその相談相手がテリアです。テリアは自分の恋心を押し殺して好きな人の恋を応援しています。神はひどい仕打ちをするものです。あっ、神は私だった。テリア、申し訳ない。

8.「魔法使いの卒業」

それで今回の「魔法使いの卒業」。ここまで考えてきた上でやっぱりテリアにはきちんと卒業させてあげたいと思った。確かに入学時に描いた道とは違うが、ただ何もやることがなく日々屍のように過ごすのではなく、何かに夢中にさせる道が欲しいなと思ったのです。そして決心して誓って不安はあるけれど卒業させてあげたい。そんなことを思いながら考えた歌詞でした。だから今回は少し歌詞に力が入っています。

動画

最後の難関は動画だ。いつも曲がギリギリになるので動画の時間が全くない。もうすぐ公開日です。でもそこまで凝っていないので時間はかからないはずでしたが、なんだかんだやっているうちに時間がかかる。

そこで思い出したのが山で咲いていた早咲きの桜だった。とても日当たりがいいので早かったのかもしれないが、白い息と共に桜を見たのは初めてだった。でもこの感じ、白い息と桜吹雪の感じはテリアの心情を後押しするにはいいと思った。

そこから桜吹雪を最後飾ろうと思った。そうしたらはじめ雨のように降る桜吹雪で驚く。何だこれはといろいろいじっていって何とか桜吹雪になった。何だか平面的だなと思ったので、奥行きを出したい。作曲だとリバーブかける感じ?それで一部の桜吹雪だけ文字の手前に出るようにしました。これで歌詞も含め中の月が一つの空間になっているようで好きです。我ながら頑張ったと思う。いい桜吹雪だ。(誰も褒めてくれないので自画自賛モード)

公開

何とか間に合った。相変わらずだけれどやっぱり直前に予告を出すと聴きますよと言ってくれる方がいる。本当に嬉しい。何でこんなに時間がない中こんなことやっているのだろうと思うのだけれど、やはり曲を聴いてくれる人がいるからだ。たくさんの人に聴かれるよりも、誰かの心にささればいいと思いやり始めた曲作り。誰かの心に届くといいのだが。ここまで読んでくれた方、曲を聴いてくれた方。皆さんには感謝しかないです。ありがとうございます。(^^)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?