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「金木犀のかをり」制作裏話 #1

スペース

またまた制作裏話である。
今回発表の「金木犀のかをり」のきっかけとなったのは実はスペースで話したことがなのだ。なんとなく好きな花の話になり、花のキンモクセイの話になったときに、実はあのキンモクセイ片思いで相手がいないんですよと話した。

キンモクセイ は中国原産の木で、江戸時代にはもうあったみたいだからずいぶん前に日本に入れられた。でも日本に入れるときに、香りのする雄木しか入れなかった。雌木は海の向こうの中国に置いてきてしまった。

だから男の子だけの世界で気持ちを香りに乗せて女の子に飛ばしているんですよ。なんて話をした。花好きにはけっこう知られているお話だったけれど、ことのほか盛り上がった。そのとき秋に曲を作らないとなんて話になった。確かに気持ちに香りを乗せて片思いの相手に届けるというのはロマンチックではないか。お話にするのは面白そうだ。

でもこの話をしたのは桜の咲く前だったので、メモだけが残っていた。そのメモには「香りが香るような曲、金木犀の香り。」と書かれていた。秋になったらきっと作って、ちょっとびっくりさせちゃおっかな。などとほくそ笑んでいた。しかしボカコレ夏でがんばってラテンの「そばにいて」を作っていたので頭から離れていた。

金木犀

ボカコレが終わってちょっとしか経っていないのにもう8月10日だ。あと20日しかない。相変わらずだが、仕事やプライベートが重なってなかなか時間が取れない。今度の曲のテーマは何にしようかなと考えていたところ、やっとキンモクセイ をテーマにしようと思い出し、メモを見てみた。「香り香るような曲」いったいどうすればいいのだろう。全くわからない。

まずはキンモクセイ をテーマにしたお話を考えてみることにした。片思いの恋を香りに乗せる。伝えてほしいと願う。いや伝えられない。いろいろ思いつくがなんだか散漫。いまいちビシッと芯が通らない。妄想にもエンジンがかからない。ちょっと今回は延期して来月かまた来年の9月にするというのも考えた。

しかし来月の10月だともう終わってしまっているところもあるだろう。まだ今年香りに出会う前にこの曲を聴いてもらって、本当に香ってきたときに曲を思い出してほしいな。ということはやっぱり今頑張らないとダメだよな。来年だとスペースで話してくれた人も忘れてしまうかもしれない。やっぱり来月9月1日に出そう。

そして私もキンモクセイ の香りに出会ったときに、まだ聴いたことないキンモクセイの曲を口ずさもう。もう何年もキンモクセイ の香りを嗅いでいるが、この秋はこの香りで自分の曲を思い出すことになるとは思っていなかった。


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