【第6回】治療の流れ~細胞培養編~

こんにちは、タロニャンです。
前回は、実際に細胞採取時に何が行われているかといった内容をお伝えいたしましたが、本投稿では、採取後の細胞がどのようなプロセスを経て培養されていくのかをお伝えしてまいります。

*バイオ関連の知識が無くても理解できるよう、かみ砕いた説明をしていますのでご了承ください。

細胞採取後のプロセス

まず、ご自身から採取された細胞は、受診先内の細胞加工施設、もしくは提携先の細胞加工施設へ送られます。そこで、細胞に破損や汚損がないか確認し、治療回数に応じて細胞を分割します。
加工施設によって多少の差異はありますが、投与の予定がしばらく先の場合、分割後に培養がいつでもスタートできる状態で、一度凍結保存されます。

その後、投与日から逆算して細胞培養を開始し、カウンセリング時に決めた細胞数まで増やすプロセスを経て、加工施設から受診先に返送され、実際に投与が行われます。

細胞培養のプロセス

細胞を増やすプロセスを簡単に説明すると、幹細胞は多分化能という、さまざまな細胞組織に変化できる能力を持っており、この機能が傷んだ組織を修復する効果を発揮します。
前回の投稿で、細胞採取時に血液を採取する旨を説明しましたが、培養時に自身の血液を使い、細胞増殖のためのエサにします。また、培地(細胞増殖に必要な栄養素を与える下地のようなもの)を使用して、より効率的な増殖を図ります。
この作業は、クリーンルーム(温度や換気が管理された清潔な空間)内で行われ、安全に投与できるよう最善の注意が払って作業が行われていきます。

再生医療と細胞培養

再生医療は、自身の細胞を培養して数を増やし、それを自身の体に投与することで、拒否反応などがほぼ起こらず、さまざまな効果が期待される治療です。
再生医療における「細胞培養」はまさにその中核をなすものであり、以前の投稿でも触れましたが、培養過程や細胞の生存率が非常に重要な要素となります。
研究分野では、日々さまざまな研究が行われており、今後はより効果を発揮する事ができる細胞の研究も進んでいます。

以上が、相応にかみ砕いてご説明した内容となります。
次回以降は、培養を終えた細胞を自身に投与する際のお話をしてまいります。

治療の流れ~細胞投与編へ続く


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