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4-5 スペインのディープな食とお酒の旅ベテランスペイン撮影コーディネーターのぶらり旅

5月9日 5日目 レェイダ経由 サンエステベ・デ・ジェメナ 約500kmのドライブ

 距離にして約475km、テルエルからジローナへ車で移動。スペインはヨーロッパ一インフラが整っている国。以前は有料だったカタルニア地方の道路も無料になり、高速は120km制限なので、止まらずに行けば5.5時間。まずはSの運転で彼女の友人とランチをするレェイダに移動。地平線が見える広大な大地の景色を見ながらのドライブは気持ちが良い。
レェイダはカタルーニャ州。昔は果物栽培でとても栄えていた。今でも道なりに大きな果樹園が見られる。桃やりんご、プラムにアーモンドなど春の花の時期はさぞきれいだろう。サラゴサを通らずにアルカニスカスペなどを通って約3時間半で到着。以前一緒に旅をしたMさん夫妻と街で最も高いところにある旧大聖堂Seu Vella横のレストラン La Sibil la Lleidaで待ち合わせ。旧大聖堂は18世紀末に兵舎に変えられてしまったが、ロマネスクとゴシック様式で、ヨーロッパ最大の回廊がまだ残っている美しい建物。これを見てみんな戦争は嫌だと思うようにこのまま残したのかもしれない。この街のディープな食べ物はカラコーレス・ア・ラ・ジャウナ(カタルニア語で炎の上のかたつむり)は四角い金属の専用容器にかたつむりをぎっしり並べて調味料をかけて火にかける。竹串でうまく身を引き出し、お好みでアリオリというガーリックマヨネーズで食べる。トスタ・デ・ブティファラは、パンの上にこの地方特有のトマトが塗られ、その上に茄子とピーマンのエスカリバダ(カタルニアの炭火焼き野菜)をほぐしたもの、そしてブティファラというこの地方のソーセージのようなものがのってくる。カタルニア風アーティチョークは、アーティチョークの茎を持ってバンバンとまな板に叩きつけて潰して両面鉄板焼きしたものに、この地方独特なアーモンドとオリーブオイルベースのカルソッツソースをのせたもの。Aちゃんの旅のテーマはここでもMさんのお蔭で見事にクリアされていく。その上レリダの主だった建物のレリーフのついたブックエンドを各自にプレゼントしてくれ、ご夫妻がランチをご馳走してくれた。おもてなし上手。

二人を自宅近くまで送り、目的地までは私の運転。ここからは2時間余り。平らな土地から山間部に。長いトンネルをいくつも超え、目的地に近づいてから食料品の簡単な買い物をする。Sは以前この近くに長い間住んでいたので、通りすがりの人には分からない店に入って行き、早速地元の人のあいさつの応酬。彼女はここでも獣医として働いていたのでなじみが多い。この地方の腸づめやパン、トマト、朝食用のものなどを買う。
緑の多いカタルニア・ジローナの小さな村、サン・エステベ・デ・ジェメナの友人マルタとパコが運営するCan Trafacという昔ながらの田舎家の宿に到着。今日からAちゃんは2泊、私とSはもう少し泊まる予定(予定は未定)。二人が出迎えてくれて、陽のあるうちに着いたのでまずは畑や庭を見ていく。ここはスペイン最北に近いだけあって涼しく、一度霜でやられたそら豆やグリンピースなどがようやくまた食べられるようになったそうだ。花も沢山咲いていて美しい。マルタは陶芸家で、日本の陶器が大好き。自身も茶碗などを作って売ったり、陶芸教室をやっている。彼らとは2013年にNHK BSプレミアム 世界ふれあい街歩き ジローナ編を撮影する前の準備の時にSを通して知り合った。その後休暇でTemp de florを見に来て以来。マラガとは1000km離れているが以前はRyanairという格安航空便が直行であったので、2時間弱で飛んでこられた。今はなくなり、ちょっと来にくくなっていた。
日が暮れると一気に冷え込む。まだ暖房が必要だ。空一面の星が美しい。



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