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テラキオン+メガリザードンY構築総論(トリプルバトル)

初心者から最強プレイヤーまでガチ対戦を求める全ての人向けの構築。
この構築と同格の構築はモルパー(トリプルバトル総論のガルーラ構築)、らき砂(バンドリマンダゴチルゼル)、カメパンプアロー。
トリプルレートで強かった要素を排し、トリプルバトルで本当に強い要素と技を詰め込んだ上で綺麗に纏まったエルテラドー。
レートで強い要素はあくまでレートを稼ぐ、レートを維持する為のものである。

構築の構成について

テラキオンとリザードンの組み合わせはトリプルバトルにおいて必要な要素を詰めていくと、所謂叩きパと呼ばれるテラキオン、エルフーン、ドーブル、メガリザードンY、ギルガルド、ランドロスの6匹に帰結する。
テラキオンとメガリザードンYは攻撃面について補完し合い、さらに対メガガルーラを苦手とするリザードンをテラキオンがカバーする相性の良い組み合わせである。この6匹の組み合わせは、テラキオンとリザードンを核とし、この2匹と相性の良い4匹で構成されている。

テラキオン+リザードンの性質

テラキオンの正義の心岩雪崩、リザードンの日照り熱風は共に勝ち筋として申し分ない火力をしている。展開速度に関してもテラキオンは一度袋叩きを受けるだけで良く、リザードンに至っては即時天候書き換えが可能で随一。テラキオンがトリプルバトルにおいて有力なポケモンの中で頭一つ抜けた素早さであることも後押ししている。
一方で防御面や安定性に不安がある。テラキオンは準伝故種族値は高いが弱点が多く、リザードンに至っては4倍弱点まで抱えている。攻撃面は強い2匹だが、それをいなされてしまうと両者とも防御面の脆さが浮き彫りになってしまう。そして岩雪崩も熱風も命中不安技なのでどうしても運要素による負け筋から逃れることが難しい。
両者とも高速で、攻撃を通したときのリターンが大きく、防御面、安定性に不安を抱える共通点があることから、総じて攻撃は最大の防御といった性質を持つ組み合わせである。よって扱うプレイヤーもこの性質を把握しつつ、攻撃の価値やリターンを意識した勝負に出る立ち回りが求められる。

構築全体の性質

前項では核となる2匹の性質について述べた。ここでは他の4匹を含めた話となる。どちらかというと短所についての記述が多くなる。
まず、テラキオンとリザードンは高速で攻撃的な組み合わせであると述べたが、構築全体もこの2匹を採用する以上極力高速で攻撃的な、リターンを重視した構成にならざるを得ない。何故なら構築の核の2匹とそれを補完する4匹の足並みを揃えないといけないからである。構築全体の足並みが揃わなければ、テラキオンとリザードンが突出して各個撃破されてしまう。どちらか一方を不用意に失うと構築の出力がガタ落ちしてしまう構築なのでそのような負け筋を生みやすい構成にはできないのである。
また、テラキオンとリザードンの火力は条件付きの火力である。袋叩きを阻止されたり、天候変化で弱体化させられた場合、他のポケモンでダメージを稼いでいかなければならない。
さらに、エルフーン、ドーブルと削り性能が低いポケモンを抱えているため、なおのこと攻撃性能のあるポケモンはリターンを重視した構成にしなくてはならない。
ただこの恩恵として、テラキオン、リザードン、霊獣ランドロス、ドーブル(初手中央除く)、ギルガルド(相手の構築次第)のどれもが中央でも端でも強力な攻め筋を有することになり、選出の幅が広いという利点にもなっている。
これらの性質から構築全体が高速化すること、S操作がエルフーンの追い風であることから、結果として基本的にはトリックルームによる行動順反転が弱点の構築となる。また、リザードンを採用してること、エルフーンの袋叩きは優先度が付かないことから、高速岩雪崩、スカーフダークホールも苦手としている。
しかし、個々のポケモンの数値の高さ、特性、覚える技の組み合わせの優秀さから防御面を直接的にも間接的にも補う手段が豊富であり、トリックルームというだけでは試合に負けない堅牢さを手に入れられることも判明した。
同格の構築との相性関係は、
対モルパー:互角
対らき砂:有利
対カメパンプアロー:不利
である。

以下採用となる6匹について個別に述べていく。

テラキオン

実数値:172-150-136-*-111-176
持ち物:オボンのみ
技:岩雪崩、インファイト、ファストガード、守る
構築の軸。範囲技枠。
相手にするのがとてもつらいテラキオン。
最速かつHP実数値4nかつランドロスのスカーフ馬鹿力耐えかつA4振りを満たす中で最もHPが高くなる配分。A4振りはメガガルーラに対するインファイトの乱数が無振りと比べて大きく動くため必須。
オボンの実と光の壁により耐久が以前とは比べ物にならない程高くなり、袋叩きコンボ成立後の命と守るの価値が極めて高くなる。これにより相手側はトリルを成立させたとしても無視したり縛ることが難しく深刻な脅威となる。叩き成立後裏に引いてもオボンにより体力が保存されているため、2度目の着地時にも価値を高く保つことができる。上手なプレイヤーの使う強い構築のメガガルーラはこの構築相手だと後発で出てくるため、2度目の着地時のHP残量の高さはメガガルーラ対策のポケモンであるテラキオンにとって重要である。
ヨプのみは格下に試合を落とさない為のレート向きの持ち物。
とはいえ対メガガルーラ用の格闘打点はトリプルバトルで数多く採用されているのは事実である。格闘技に限らず弱点技全てに言えることであるが、一致格闘打点など高火力の弱点技を受けるときは威嚇などのサポートを貰って受けること。
ファストガードは隣に並ぶスカーフドーブルやエルフーンの行動保証および、テラキオン以上に有力な勝ち筋となっているポケモンとの連携に必須。

メガリザードンY

実数値:175-*-123-179-135-151
メガ前特性:猛火
技:熱風、守る、オーバーヒート、ソーラービーム
構築のボス。高速メガ枠兼範囲技枠。
最速クレセリア抜きかつ陽気メガガルーラの捨て身耐えの配分。配分の理由は過去記事で言及済み。
構築に光の壁を採用しているため、耐性と数値で元から高かった対特殊との殴り合い性能が強化されている。
オーバーヒートの採用優先順位は高く、晴れ下のW熱風+オーバーヒートをチョッキランドロスは耐えることができないことは覚えておきたい。
また主に滅びの歌を持つニョロトノへの打点となるソーラービームも優先順位が高い。ドーブルの変身によって、自身はソーラービームを押さずに天候維持に努め、ドーブルにソーラービームを押してもらう立ち回りが可能。
ニョロトノや雨パ、水タイプは居ないという環境読みが必要となるが、この構築で他に採用価値がある技は気合玉。入れ替えるのはソーラービーム。光の壁下でヒードランに強く出ることができ、単独でバンギラスにも対応可能。
素早さラインはメガリザードンYの強みである特殊耐久をHPを削ることで下げることになってしまうため、これ以上上げることはできない。同様のことはニンフィアなどにも言え、無駄にSラインを上げることで強力な構築+強力なプレイヤーと渡り合うために必要な、重要な要素を毀損するのは構築を歪ませる本末転倒な行為である。HPは総合的な耐久を上げるため他の必要な要素を満たした上で高ければ高いほど良い。
対策側にSラインの上昇を迫る観点でも、リザードンの立場であれば他構築の最速霊獣ランドロスが代わりに行ってくれるようになったため不要。主な原因はほぼ完全に他構築の話になるが、カメパンプアローに対してガルーラは採用している霊獣ランドロスが最速でなければ構築相性が不利になることである。ガルーラ側はカメパンプアローに対して互角を取るために最速霊獣ランドロスを採用せざるを得なくなったのである。これによりガルーラの霊獣ランドロスの地震の火力が弱体化したことはオボンテラキオンを擁するこの構築にとってプラスの要素となる。ただし最速でなくともカメパンプアローvsガルーラはガルーラが負け越しはするが、エルテラドーvsバンドリマンダや、バンドリマンダvs雨パほど絶対的な不利ではない。

エルフーン

実数値:167-64-105-*-96-184
持ち物:きあいのタスキ
技:袋叩き、追い風、草笛、光の壁
S操作枠。そして袋叩き役。
正義の心を起動する袋叩き、S操作の追い風、放置を許さずトリル下で粘るための草笛。そして構築全体の特殊耐久を底上げし、構築全体の防御面の不安を緩和する光の壁。技はこの4つで完結。
素早さはMOVEを最も活かせる最速固定。最速テラキオン〜最速エルフーン間のポケモンにはテラキオンを対策してくる相手が多いので、それらに対して1つでも多く選択肢を持てるのは重要。
新たに採用となった光の壁は構築内のポケモン全てと強みを伸ばす方向性でも相性が良く、挑発より優先される。トリル下での殴り合いにも強くなるため、トリックルームという技だけではこの構築の対策足りえなくなる。
そして挑発は押すタイミングが基本的に草笛や袋叩きで良いこと(例外は確実に止めたい滅びの歌)、同格の構築相手にはむしろ挑発を押すためだけに先発選出すると試合自体に負けることが殆どなので挑発を持つ理由が薄い。挑発は所謂偉い技と呼ばれるレートで強い技。だがもうトリプルレートはない。
追い風は互角の状況で序盤や初手に押しても強い技ではないが、この構築は試合展開を強引に中盤以降に持ち込みやすいため、少し早めに押しても問題ない。
他にS操作としてトリックルームを覚えることができるが、トリックルームの採用はエルフーンと構築のパワーを落とすため採用できない。トリックルームの代わりに草笛もしくは光の壁の採用を諦めることになるからである。草笛を不採用とするとエルフーンが居座らないといけない場面で有効な技を失い腐ることになる。エルフーンが居座らないといけない場面なのに草笛などの有効な技がないので交代するなどという行為は対戦自体に負けに行く行為である。光の壁の場合は構築全体の耐久を落とすことになる。トリックルーム対策であればトリックルーム返しをするより光の壁を使ってトリル下で殴り合う方が良い。そしてそもそも、素早さに努力値と性格を回さなければいけないこの構築のエルフーンではトリックルームを扱う為の耐久が不足しており覚えさせる技として不適切である。

ドーブル

実数値:139-40-79-*-65-139
持ち物:こだわりスカーフ
特性:マイペース
技:猫騙し、ダークホール、ファストガード、変身
猫騙し枠兼交代抑制枠兼ワイガ枠。
この構築のドーブルの運用として猫騙しを押すと次のターンに大きな隙を生むこと意識しておくこと。猫騙しした次のターンは交代かmoveしかできないが、袋叩きが成立していなければmoveすると袋叩きが2ターン連続で成立しないし、袋叩きが成立していても素早さがスカーフドーブル>テラキオンなのでmoveすると岩雪崩の価値が落ちてしまう。
変身は構築に柔軟な動きをもたらすので確定採用で良い。光の壁との相性も良く、天候合戦になった場合に天候奪取とリザードンが引く選択肢を作れる他、相手のゴチルゼルやメガゲンガーに変身することで影踏みから抜け出せるなどの芸当が可能になる。交代抑制枠とは、ダクホドーブル、影踏み、勝気負けん気の全てを指しており、その内部でもドーブル>勝気負けん気>影踏み>ドーブルの3竦み構造になっているが、変身を持つことで相性関係をひっくり返せるのである。変身を抜いてワイドガードを採用してしまうとこのような柔軟性が失われてしまう。さらに言うとそもそもスカーフワイガという動き自体が弱い。
ならば襷ドーブルで採用すればよいのかといえば否である。襷ドーブルはこの構築には不適である。
理由はテラキオンとのS関係である。テラキオンと足並みを揃えるためにスカーフでなければならない。テラキオンと非スカーフドーブル間の素早さは隔絶しており、なおかつその間にメガガルーラや最速クレセリアを始めとした有力なポケモンが多くいる。ドーブルがこれらより先にファストガードやダークホールを使えないと勝ち筋である叩き雪崩を通せないし、テラキオンとドーブルの行動順に割り込まれ、最悪叩き雪崩を不成立にされた上でダクホまで阻止されることになる。
一方、スカーフドーブルとテラキオン間も隔絶しているが、スカーフドーブルとテラキオンの間に割り込める有力なポケモンは少ないこと、それらのポケモンはダクホに弱い傾向にあること、さらにそのような場合テラキオンを初手で出すべきではないことが多く、こちらは欠点となることは少ない。
また、他の構築でのスカーフドーブルにも言えることだが、初手でスカーフドーブルを中央に出すのは基本的に悪手である。
スカーフドーブルというポケモンはスカーフ故の高速からダークホールと同等程度の価値のファストガード、猫騙しを構えて2択掛け、3択掛けを行うポケモンである。スカーフドーブルは初手で中央に立ってしまうと悪い意味でダークホールの価値が高騰し、択掛けの意味がなくなりダークホールしか使えなくなってしまう。初手で中央にスカーフドーブルを出す場合は相手があまりにも初手スカーフダークホールに弱い場合か、どうしてもダークホールの価値を最大化しなければならない場合のみである。

霊獣ランドロス

実数値:196-187-120-*-104-126
持ち物:とつげきチョッキ
技:地震、叩き落とす、ストーンエッジ、とんぼ返り
威嚇枠兼叩き落とす枠。
この構築の霊獣ランドロスは突撃チョッキを持ち、A187、最速バンギ抜きでの採用が適切。
理由は複数あり、火力面ではリザードンとテラキオンのタイプ一致全体技の火力が本体の実数値以外の要素である天候、ランク補正に依るところが大きいことから、その欠点を埋めるべく霊獣ランドロスの安定したタイプ一致地震の火力は極力高く保ちたいことが一つ。
他のポケモンの引き先となりたいので、耐久面はチョッキを持ち、努力値を大きく耐久に回すことで受け出し性能の向上とトリル下での行動保証を図るため厚くする必要がある。
素早さは火力、耐久面の確保とトリル下での行動順、味方との役割分担を考えると最速バンギ抜きの125〜126が精一杯となる。速くしすぎるとその高い速さと耐久に努力値を回せなくなることによる耐久低下からトリル下で動きにくくなってしまう。リザードンより速いポケモンを用意するという観点でもそもそも最速テラキオンが居るので必要ない。
よってこの構築ではこの配分が最適解となる。
岩技はリターン重視で威嚇が入ってもファイアローを落とせ、ワイドガードに引っかからないストーンエッジ。エルフーンの技構成との兼ね合いで、対滅びとそれに伴う天候合戦を意識したとんぼ返り。滅び耐性が落ちたことを補うために、とんぼ返りそのものの滅び耐性と、対ニョロトノ打点のソーラービームの為の晴れ維持を目的に採用。馬鹿力はオボンの実と光の壁によるテラキオンの生存性の向上により必要性が下がっている。
素早さはS操作が追い風であるため、126まで伸ばしている。

ギルガルド

実数値:167-70-193-70-198-72
性格:生意気
持ち物:弱点保険
技:シャドーボール、アイアンヘッド、影討ち、キングシールド
鋼霊枠兼ワイガ枠。
この構築では緩和手段を採用しているとはいえ、構築全体で防御面に不安要素を抱えているのは事実なため、引き先として耐久を重視した上で、切り返し時や攻撃面のリターンの足並みも揃えられる影討ち弱点保険での採用が適切。テラキオンやリザードンが先発できない場合の先発にも向く。
弱点保険は相手に踏んでもらっても良いし、袋叩きで自身で起動しても良い。
光の壁により、対雨や水打点への場持ちが良くなる他、ブレードフォルム状態でも無理やり弱点特殊技を耐えて切り返すなどの芸当を可能にしている。具体的には臆病ヒードランの熱風やメガカメックスの悪の波導を耐える程。
身代わりや毒々は遅効性なのでエルテラを採用しない堅実な立ち回りを重視する構築向け。命の珠は持ち物の効果と努力値配分により耐久を削ってしまう上に火力も耐久調整の的にされており、たかが知れているので不適。弱点保険であれば珠想定の耐久調整を崩せる火力が出る。ワイドガードは弱点保険と影討ちの相性の良さと、この構築のギルガルドは場にいるときにワイドガードをしている場合ではないので不採用。ただし相手視点で持っている可能性を失わないこととワイドガードを持っていないことをバラしても良いタイミングとリターンを考えた立ち回りを心掛けること。
性格はブレードフォルムでの特防より防御を重視した生意気。素早さの代わりに攻撃を下げる穏やかは不適。弱点保険との噛み合いが悪くなり光の壁に弱くなる他、影討ちの火力も下がってしまう。
また素早さに大きく努力値を振るのはレートでの発想。レートが無くなった今レートを稼ぐ手段を咎める為の素早さ振りは最速バンギラスを抜けないので無意味である。ギルガルドというポケモンはS60族であるため、素早さを上げると耐久が下がる不利益の方が大きい。火力の高い影討ちを持つギルガルドが最後まで生き残るのはこの構築の勝ち筋の1つであり、その為には高い耐久が必要である。
6V(ACSはU可)前提の実数値であり、孵化厳選が難航する可能性がある。一応素早さは合理的な理由を付けられれば妥協可能であるが、実数値72であれば追い風下でメガカメックスやヒードランを抜けることは念頭に置いておくこと。トリル下で動きやすい数値でもある。努力値や性格上昇補正が不要な数値であり、対戦時における育成リソースを全く消費しないことも実数値72は評価が高い。追い風と連携が取れる実数値であることに越したことはなく、個体値で上げられる分には高ければ高い程良い。消耗しきった終盤で最後に勝つのは素早さの高い方である。

選出の目安

初心者向けの項。選出について。目安としているのは選出はその都度自身の頭で考えるものだからである。上級者~最強プレイヤーなら自然かつ的確に行っているだろうが、それ未満であれば特に考えずにエルテラドーやバンドリマンダでそれがミスである、もしくはより良い選出があることに気づかず出したりしてしまうことだろう。または下手に選出を崩すプレミを犯すパターンもある。選出は実質0ターン目の行動であり、ここで優位~互角を取ることは勝利への第一歩である。故に選出を自分自身の頭で考えることはプレイヤーとして上達する上で避けて通れない道である。裏を返せば自身で考えることを放棄したプレイヤーに上達は望めない。頭を使って戦うのはトリプルバトルの醍醐味の一つである。
以下選出についての手引き。
1.端スカーフドーブルはほぼ固定
ドーブルは受け出し性能が極めて低く、また初手で出て1度引き、2度目の着地を行うのが最も強い扱い方なので初手の端で出す。初手で出さないパターンとしてはドーブル以上に初手の端で出ることで相手構築にアドを稼げる候補が存在する場合が考えられるが、少なくとも現状同格の構築にはそのような相手は存在しない。また初手中央ドーブルは上記ドーブルの項にある通り、ダークホールの価値をどうしても最大化しなければならない場合のみである。
2.中央の選定
相手の構築、もしくは相手の選出に対して有効なポケモンを選択する。基本的に候補はテラキオン、リザードン、霊獣ランドロス、ギルガルドの4体。もちろん複数存在する場合もあるが、その中でもテラキオンとリザードンのどちらかを出せるか優先して考える。テラキオンやリザードンが出せなかったり、この2匹より有効であるとなった場合に残り2匹の内から中央に出すことになる。特にギルガルドはテラキオンもリザードンも出せない場合の中央に適任であることが多く、この構築に欠かせない存在である。
3.残り1枠
中央を選定したら、その中央と連携が取れるか、相手の構築や選出に対して有効な動きができるかを軸として考える。候補はドーブル、中央で選定したポケモン以外の全てのポケモン。この残り1枠で相手構築と選出、自身の選定した中央に対して不適切なポケモンを出したことによって初手の盤面が不利にならないようしっかり考えること。

対トリックルーム

対トリックルームへの立ち回りが分からない人が多い様なので記述。
まず基本的に1回目のトリックルームは通しても良いという考えを持つ。(ただしゴチルゼルのトリックルームは除く。後述。)
理由は主に2つ。1つ目はトリックルームから仕掛てくるパーティは1回目のトリックルームで大勢を決することが難しく、2回目のトリックルームで大勢を決する、もしくはトドメを刺すのを目的とすること。
1回目のトリックルームで大勢を決せられた場合は、プレイヤーが弱いか、構築が弱いかのどちらか、その両方か、もしくは余りにも運が悪いかである。どんなに強い構築を使っていてもプレイヤーが弱ければ負けるのは当然である。
2つ目は1回目のトリックルームを阻止することを目的に構築を組むと、その為の技構成が必要になり総合的なパーティーパワーが落ち、さらに対トリックルーム以外に腐りやすい技を搭載する羽目になることである。さらに1回目のトリックルーム阻止に大きくリソースを割くため、阻止できなかった場合それがそのまま負けに直結する。パーティーパワーが落ちることによって他の構築への勝率も落ちてしまう。
ただし、この構築の場合、1回目のトリックルームを阻止できなくても良いが、阻止しうる択が自然に構築内にあることは重要である。
結局のところ、この構築に限らず、対トリックルームへの最も有効な勝ち筋は2回目のトリックルームを阻止する。もしくは1回目のトリックルーム中のやりとりでこちらが残数、ダメージレースなど有利状況を築いた上で2回目のトリックルームを迎えることである。
この構築で相手がトリックルームから仕掛てくると察知した場合の選出は、端スカーフドーブル+中央テラキオンorリザードンorギルガルドから考え始めることになる。残り1匹は相手の構築を見て初手選出を予想した上でこちらの中央を決めてから、相手の初手選出に有効となる1匹を考えて選ぶこととなる。
この構築の場合、中央の攻撃の価値の高さと耐久を盾に光の壁や威嚇、草笛、守るでトリルターンを稼ぎながら相手の残数減、ダメージレース優位、2回目のトリックルーム阻止を狙うように立ち回る。
また、残数有利を取る過程で、倒して良い相手、位置を意識すること。倒してはいけない相手を倒すことは負け筋である。
エルテラドー、エルガルドーの並びで選出した、選出できた場合は叩き雪崩、叩きインファイト、叩き弱保シャドボなど1回目のトリックルームを阻止しうる選択肢がごく自然に存在するが、阻止できなくても問題ないよう行うこと。相手目線で1回目が阻止されうるという圧があるだけで十分である。
トリックルーム絡みでこの構築が苦手とする相手はメガカメックス、ブルンゲル、ゴチルゼルである。特にメガカメックスは厳しい相手で、光の壁で従来より緩和はされているが、初手から猫騙し、潮吹き、水波、悪波の2〜4択がけを突きつけて来るため苦戦必至。カメドートリパ系統全般を苦手とするが、特に初手中央に置くことで確実にスカーフドーブルのダークホールの価値を毀損してくる不眠特大パンプジンと組んでいる、カメパンプアロー相手は極めて厳しい戦いになる。
ブルンゲルも強敵。こちらも光の壁で緩和はされているが、トリックルーム後即潮吹きは脅威。まともに潮吹きを通さないように初手選出、初手行動をきちんと検討しよう。
ゴチルゼルのトリックルームは1回目でも通してはならない。必ず阻止すること。この構築の火力は袋叩きコンボを軸としたものが多いので、影踏みで盤面のロックとトリックルームによる行動順反転によりコンボパーツを各個撃破されると構築と勝ち筋が崩壊してしまう。ゴチルゼルを含む構築との相性は、滅びパとは互角、バンドリマンダには極めて有利である。しかし、この構築の場合、ゴチルゼルのトリックルームは1回で負けに繋がるため、相性有利でも決して油断しないこと。


まとめ

1.テラキオンとメガリザードンYの補完関係から成る攻撃的な構築である。ただし火力と行動の保証を欠きやすい2匹であることも認識すること。
2.勝ち筋が明朗な代わりに防御面の脆さもあるのでプレイヤーは攻撃の価値を維持しつつリターン重視の立ち回りを心がけるべし。
3.命中不安技が勝ち筋の中核な以上運要素による負け筋は割り切る。
4.中央に置ける攻め筋が豊富なため、選出は柔軟に、時間をかけて考えるべし。
5.光の壁の採用により、採用しているポケモンの耐久数値が大きく活かされる様になりトリル下でもどっしり構えて戦える。焦らず勝ち筋を見極め追っていこう。


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