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メガリザードンY論(トリプルバトル)

メガリザードンYは即一度の行動で得られるリターンが大きいポケモンである。裏を返せばプレイヤーに大きなリターンを得られる行動を求めるポケモンでもある。また熱風の命中率など不安定な点も多いが勝ち筋として強力であることに変わりはない。故にメガリザードンYを扱うのであれば攻めの立ち回りを意識、練習した方が良い。
個別考察みたいなのは好きではないのだがどうやら需要がありそうなのでメガリザードンYの性質について述べていく。
ただし、誓構築は特殊なのでここでは考慮していない。

メガリザードンYの運用の傾向

メガリザードンYの採用、運用法は大きく以下の2種類に分けられるだろう。
1.葉緑素などの晴れ要素を多く取り入れた構築の軸
2.ワンマン晴れパとして日照り熱風でのフィニッシャーあるいは削り

1の運用法だと初手で出て日照り起動のため最低1ターン居座り、余裕があれば熱風などで削り、6ターン目以降に向けて裏に引き、天候が切れたら再着地、熱風でフィニッシャーとなるのが教科書的な扱いになるだろう。似た動かし方の例はバンドリマンダゴチルのバンギラスだろうか。
2の運用法はエルテラドーなどで見られる運用法である。晴れ要素が本人のみなので先発する必要はなく、先発が荒らした跡地や起点に着地し熱風で一掃していくのが主な役割。もちろん相手の構築がメガリザードンYに弱い場合、先発で出て1のような立ち回りもすることが可能。

どちらの採用、運用にしても耐久と素早さによる行動保証が求められるポケモンである。どちらの運用でも先発があり得ること、メガリザードンYが親子愛グロパンのような準備なしで高火力を発揮できることから、初手守る以外の行動ができることが望ましい。また先発する場合、比較するとバンギラスは良くも悪くも威嚇の影響から初手から交代する場合も多く体力を温存しやすいが、メガリザードンYはメガ後のみが日照りであるため、最低でも1ターン場にいなければならない。そのため消耗しやすく再着地時の体力を高く保つためにも耐久、相手の行動を攻撃によってキャンセルさせる素早さが重要となってくる。
また素早さの高さは自身の攻撃の価値にも関わってくる。大きなリターンを得られる行動を求められているのに、先に光の壁や雨乞いなどで割り込まれてしまうとメガリザードンYの価値を削られてしまう。メガリザードンYというよりかはどちらかというと素のリザードンの問題だが、種族値が良いとは言えず、攻撃力が価値を支えているのでそこを崩されてしまうと途端に脆くなってしまう。

メガリザードンYの動かしがたい要素

以上の理由からメガリザードンYの育成にあたって動かしがたい要素を導いていく。
1.HP-防御-素早さの実数値が最低でも173-123-151
2.熱風の採用
3.守るの採用
4.単体特殊炎技の採用
5.ソーラービームの極力採用
個別に述べていく。

1の実数値は行動保証に必要な耐久と素早さであるが、具体的にはメガガルーラの陽気捨て身タックル耐えかつ最速クレセリア抜きである。メガガルーラはリザードン入りの構築に対しては後発で出てくることが多く、メガリザードンYの運用上、終盤にガルーラvsリザードンの構図になりやすく、メガガルーラ前での行動保証は重要である。素早さに関しても最速クレセリアに抜かれてしまっては威張る、貰い火スキスワ、光の壁などで妨害されてしまうので最速クレセリアは抜かなければならない。
逆にメガリザードンYの上から妨害や攻撃しようとする側に素早さ実数値151以上を要求させられる。必要な素早さラインが上がれば対策側は他の数値を削らざるを得なくなり、性能低下を引き起こすことになる。なお、これがトリプルバトルで電気タイプが弱い理由の一つである。

2の熱風の採用は言うまでもなくメガリザードンYにとって必要なことである。メガリザードンYは熱風を振り回すことでリターンを得るポケモンであり、1度の行動で大きなリターンを得る為必須。メガリザードンYで熱風を使いたくないならメガリザードンYを使うことを止めるもしくは諦めるべきだし、熱風を扱えないなら扱えるように練習すべきである。

3の守るの採用は日照り起動の為の1ターンのために必須である。リターンを得るため初手から動きたいが当然許されない盤面になることもあり、猫騙しを覚えるわけでもないので守るの不採用はできない。

4の特殊単体炎技の採用はワイドガード絡みの関係である。メガリザードンYは一度の行動で大きなリターンを得たいポケモンであり、その手段は炎技なので、ワイドガードを覚えるポケモンが存在すると熱風だけでは攻めあぐねてしまう。ワイドガードの存在だけでメガリザードンYの圧を減少させたくないので単体炎技を採用する。他のポケモンが全体技を、メガリザードンYが単体炎を押すという選択肢もとれるようになり、相手への圧や動きの柔軟性を持てるようになる。

5のソーラービームは極力採用したい。理由としては主に水と岩タイプへの打点としてである。まず対水タイプであるが、トリプルバトルで強い電気タイプが存在しないため、水タイプ自体の弱点を突くのは草打点の役割である。草打点としてメガリザードンYのソーラービームはタイプ一致ギガドレインより高く、火力に努力値や性格を割く草タイプが少ないこともあり相対的に高火力で、メガリザードンYの強みなのである。そして対岩タイプであるが、メガリザードンYを採用すると構築全体が岩雪崩が苦手な構築となる。当然裏にギルガルドなどを控えさせているだろうが、それでも自身より遅い岩雪崩使いを処理する打点を持っておくに越したことはない。なぜなら自身だけでなく、味方のポケモンを岩雪崩から守ることにつながるからである。メガリザードンYを除いた構築全体で水タイプと岩タイプの処理ルートを豊富に有していなければソーラービームの不採用は難しいだろう。

以上からメガリザードンYの雛形を導く。
実数値:HP175-防御123-素早さ151
技:熱風、守る、単体特殊炎技、残り1枠
実数値は173-123-151を確保した時点で残りの有効な努力値は16。メガリザードンYは高い特殊耐久と特殊攻撃傾向にあるタイプへの耐性を持つので、特殊耐久を上げることを主目的に、ついでに物理耐久も上げられるHに残りを振り切り、半減同士を含めたような殴り合いに強くする。

単体特殊炎技と技の残り1枠であるが、次の項で述べる。

メガリザードンYの単体特殊炎技と4枠目の候補

まず単体特殊炎技から。候補とは書いているが、誓パでもない限りオーバーヒートか火炎放射の二択である。個別に述べる。

1.オーバーヒート
オーバーヒートは対メガガルーラと初手で出した場合のメガリザードンYの価値を上げるために採用する。命中率が不安要素だが、単体技としてリターンが極めて大きい為、エルテラ軸で採用するならこの技をまずは推奨している。
メガリザードンYは命中不安技が多いので技外しで負けたりで命中安定技が欲しいのは理解できるが、それよりは技外しに至るまでの立ち回りに問題がなかったかどうか振り返る方が良いと考えている。振り返った結果立ち回りに全く問題がないのであれば致し方ない負けであるし、良い立ち回りをしていれば自ずと勝率は付いてくる。
2.火炎放射
オーバーヒートと比べてリターンは大きくないがデメリットが無く命中安定の単体炎技。
メガリザードンYが炎技を外したり防がれたりしている場合ではない構築の場合の候補。メガリザードンY自身が晴れターンを活用することの重要性が高い構築の場合、居座っての打ち分けが必要になるためこちらが優位。
逆にメガリザードンY自身以外の攻め手にも晴れの恩恵が高い、天候合戦をメガリザードンYの出し入れで行うなどの場合、メガリザードンYの行動回数が減るので単発威力の高いオーバーヒートが優位。

メガリザードンYの4つ目の技であるが、自身の構築や仮想敵、環境の流行り、プレイヤーとして苦手としている構築、ポケモンなどを考慮して、実際に使った場合に大きなリターンを得られる技を採用すべきである。
以下候補を述べていく。
1.ソーラービーム
動かしがたい要素の項で記述済み。
天候への依存度が高い技構成になり、天候変化の為にメガリザードンYの交代回数が増えるのでオーバーヒートとセットで採用する。
2.気合玉
気合玉はバンギラスとヒードランを意識して採用することになる。メガガルーラにも有効だが、オーバーヒートを採用しているなら命中率などからそちらで攻撃した方が良い。
3.エアスラッシュ
エアスラッシュは雨パ、ドーブル、ハリテヤマを意識して採用することになる。対角からでもドーブルを狙撃でき、ハリテヤマ、ついでにカポエラーなどのワイガ可能性のある格闘に打点を持てる。対雨パについては雨パ側の勝負手を咎めるために使用する。有力なすいすいポケモンは耐久が低く、リザードンより素早さが低いので事前に消耗していれば、雨パ側がニョロトノ着地や雨乞いと同ターンにすいすいポケモンを動かす勝負手を潰すことが可能。雨パは飛行耐性を用意しにくい点も好条件。最終盤面が雨でも最低限の打点を確保できる。
4.原始の力
原始の力はファイアロー、メガリザードンYを意識して採用する。一応メガボーマンダにも通る。起点にしてくるファイアローを粉砕して対戦に勝ちたい場合。この場合、総合的な耐久を削るリスクがあるが、メガリザードンYミラーのSで勝つべく、素早さ実数値を152か154まで上げることがS調整の候補として考えられる。
5.めざ地
めざ地は完全にヒードランピンポイントである。当然クレセリアに先にスキスワで浮遊にされないように素早さ実数値151必須。

なお追い風はメガリザードンYで使うべき技ではない。初手で使っても追い風は強くないこと、追い風が強いタイミングで着地できた場合熱風がより強いためである。メガリザードンYは追い風を押すポケモンではなく味方の追い風に乗せるポケモンである。メガリザードンYはメガボーマンダではないのだ。


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