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ギルガルド論(トリプルバトル)

トリプルバトルのギルガルドというポケモンはメガリザードンYとしか組めないポケモンである。なおメガリザードンYもギルガルドとしか組むことができない。構築に鋼タイプを採用することを検討する場合、メガ枠がメガリザードンYでなければ雨パであろうともヒードランを真っ先に検討すべき。
トリプルレートにメガ枠にかかわらずギルガルドが多かったのはレートというゲーム要素の存在によって鋼霊というタイプとワイガを習得できたのが便利だっただけである。

ギルガルドとメガリザードンYの関係性

メガリザードンYは構築の軸かボスになりやすいポケモンである。
ここでいう構築のボスとは構築を教科書的に扱えた場合または扱える場合、フィニッシャーになるポケモンを指す。例えば分かりやすいところではバンドリマンダゴチルでは軸はメガボーマンダで、ボスはドリュウズ、カメパンプアローではメガカメックスが軸で、ボスはファイアローである。
エルテラドーリザでは軸をテラキオンに譲り、メガリザードンYがボスとなるが、テラキオン不在の晴れパを組む場合、メガリザードンYが軸とボスを兼任することになりやすい。これはメガリザードンYの特性が日照りであることによる。
当然全てのマッチングで教科書的な構築の展開ができるわけではないので、軸やボスはその役割を放棄せざるを得なかったり、他にその役割を譲ることもある。
よって本来の役割がボスであっても軸であっても、役割が変わった場合に備えて構築に自身の引き先となる存在が必要となる。
そしてメガリザYにとって最も親和性の高い引き先がギルガルドとなる。

理由として岩雪崩という技の存在が大きい。岩雪崩という技は岩弱点のポケモン(例外あり)が相手の構築に存在すると非常に価値が高くなる技である。相手に岩弱点のポケモンが生存している限り、対面でも交代読みでも押し続けることが合法となりやすい。岩雪崩連打が合法となってしまうと、岩弱点でないポケモンにまで3割怯みのリスクが付きまとうことになる。メガリザYは岩弱点のポケモンとして例外でないので、構築として相手の岩雪崩の価値を落とす要素が必要となる。今更だが岩雪崩は壊れ技なのである。
なのでギルガルドは岩半減かつワイドガード所持の可能性がある点でメガリザYの引き先として適任なのである。
岩雪崩に対する引き先は岩雪崩持ちの前で強気に動く必要があるので岩耐性が求められるがギルガルドはこれを満たし、またワイガ所持の可能性があるので、相手に安易な岩雪崩連打を躊躇させ、さらに相手の行動を読んで岩雪崩持ちの前にメガリザYを交代出しすることを合法とすることもできる。
また、メガリザYはメガガルーラとのタイマンないしそうなりうる戦況ではやや不利である。ギルガルドは霊タイプでもあるので、この点でもメガガルーラから干渉されにくいギルガルドは良きパートナーとなる。
一方、ヒードランはメガリザYの引き先としてギルガルドと比較すると、炎タイプがメガリザYと被っているため、炎タイプの弱点を等倍もしくは弱点で通してしまうため引き先として不適。また、岩耐性が無くワイガ所持可能性もないので岩雪崩連打を許し、価値を下げることができないどころか、素早さ種族値がメガリザYより低いのでメガリザYより速い岩雪崩持ちより先に炎技を当てるという芸当もできない。そもそもメガリザYの日照りに乗ってヒードランが炎技を通せる様ならたとえヒードランが構築にいなくても対戦自体に勝っているはず。さらに対メガガルーラもノーマルこそ半減だが格闘弱点である点でギルガルドに劣る。メガガル側が対メガリザY入りの構築に対してはメガガルを後発で出すので体力が温存されておりなおさら。
これらからメガリザYと組む鋼タイプとしてギルガルドに軍配が上がるのである。

ギルガルドの運用上の性質について

ギルガルドそのものの話に移る。
ギルガルドは素早さが高くないのに攻撃する度に低耐久のブレードフォルムを晒し、キングシールドもしくは交代をしないと耐久を取り戻せないため、攻撃したターンに自身に不利な択を作るポケモンである。
この負の性質を緩和するためには4つのアプローチが考えられる。
そのアプローチは、端的に言うと
1.無理ないブレードフォルムでの継戦
2.キングシールドの価値上昇
3.1度の攻撃の価値の上昇
4.シールドフォルムまま圧のある行動
である。
素早さが高くないのでブレードフォルムのままで継戦できない。
なので耐久を取り戻したいが取り戻すためにはしたくなくてもキングシールドもしくは交代をしなければならない、ので自身に不利な択を生む。また攻撃するごとに不利な択を生むのにその攻撃の価値が低ければ純粋に弱い。
ならばそもそも攻撃すると隙ができるなら攻撃せずに相手に圧を与えれば良い。
これらの理由から上記1~4のアプローチに繋がる。
具体的な手段としては、影討ち、身代わり、任意の相手への弱点技、毒々威張る、のいずれかもしくは複数の搭載となる。後に個別に述べていく。
これらの技を搭載する以上、ギルガルドの性能を重視するとワイドガード採用の余地はなく、筆者としてギルガルドというポケモンは相手にした場合ワイガは考慮するが、自身で運用する場合にはワイガを採用する余裕はないポケモンと理解をしている。
またギルガルドは性質上1度の攻撃の価値を維持する必要が他のポケモンより相対的に高いため、特殊一辺倒や物理一辺倒はギルガルドの価値を落とす。威嚇や光の壁など片方だけのダメージカット手段で価値を簡単に下げられてしまうからである。
それにより性格は素早さ低下性格が最有力、どうしても実数値72以上が必要になる場合、構成次第であるが防御低下性格が有力。耐久を上げる場合は防御上昇より特防上昇性格の方が優秀。ブレードフォルムでの耐久への影響は努力値>性格補正なので、特防補正で防御に努力値を振った方が防御が高くなる。ブレードフォルムで低威力もしくは半減の先制技や岩雪崩を受けやすくなり、上記アプローチ1の無理なくブレードフォルムでの継戦につながる。

影討ち

影討ちは無理なくブレードフォルムでの継戦を実現する。
素早さが低くても優先度で素早さ勝負に割り込めば良いのである。
優先度攻撃技同士では素早さ勝負になるが、不意打ち以外は半減だったり低威力だったりするのでブレードフォルムでも怖くないことは多い。
影討ちを搭載する場合の持ち物は弱点保険や呪いのお札などの霊タイプの技を対象に含む火力アップアイテム。
弱点保険であれば1度の攻撃の価値の上昇のアプローチも取り入れることができる、ギルガルドの種族値と最も親和性の高い持ち物。
呪いのお札は癖がなく、持ち物を自白しない、自傷しない点が優秀。お見通しや弱点攻撃を実際に受けるまで弱点保険の圧を残すことができる。
以下持ち物ごとの例
弱点保険
技:シャドーボール、アイアンヘッド、影討ち、キングシールド
呪いのお札
技:シャドーボール、影討ち、キングシールド、残り1枠

身代わり

身代わりは無理なくブレードフォルムでの継戦とキングシールドの価値上昇、シールドフォルムのまま圧のある行動の3つのアプローチを実現する。
身代わりを盾にしブレードフォルムで継戦でき、身代わりがある場合1ターンでギルガルドを倒すためにはすり抜けなどを除くと最低でも2手必要とするのでキングシールドの価値が上がる。単体技集中は言わずもがな、単体技+全体技でも全体技がギルガルド処理のための意味合いが大きければ手損になりやすい。
また毒々威張るにも言えるが、相手プレイヤー視点でもギルガルドに攻め込むチャンスはブレードフォルムになった次のターンなので、シールドフォルムのままアドを取れる身代わりや毒々威張るは相性が良い。
持ち物は火力アップアイテムだけでなく食べ残しやラムの実も候補に挙がってくるだろう。食べ残しは持ち物を自白する代わりにギルガルドを放置する相手の選択を咎めやすい。ラムの実は持ち物を自白せず、ダクホや威張るなどで身代わり阻止を防いだり、草笛や歌うも1度無視できる。

持ち物:霊タイプを含める火力アップアイテム、食べ残し、ラムのみなど
技:シャドーボール、身代わり、キングシールド、残り1枠

任意の相手への弱点技

任意の相手への弱点技の採用は1度の攻撃の価値の上昇を実現する。
そもそも1度の攻撃の価値の上昇というアプローチであるが、例えばエルテラドーに対してテラキオンの守るを読んでラムギルガルドのラスカにフェイントを重ねてダクホを無視しながらテラキオンを倒して対戦自体に勝ちました、という話の延長線上にもあるものである。
1度の攻撃ごとに隙を生むならば、攻撃後に隙を生もうがその1撃で対戦自体に勝つ、生じる隙と比べ物にならない程のアドを取ってやれば良いのである。例としてはアローを諸刃の頭突きで粉砕したり、交代読みでチョッキランドにめざ氷を刺して役割遂行不能にするなどが挙げられる。
この手法を採る場合の持ち物は命の珠。全ての攻撃技の威力を上げられる。裏を返せばギルガルドでこのような使い方をしないもしくはできないなら命の珠は持たせない方が良い。持ち物を自白する上に耐性の要や引き先になるギルガルドのHPの1/10と攻撃後の生まれる隙を攻撃にベットすることになる命の珠は相応のリターンを得る立ち回りができないと勝率に繋がらず、持ち物を自白するだけである。

持ち物:命の珠など
技:シャドーボール、キングシールド、残り2枠
残り2枠の少なくとも片方は任意の相手に対する弱点技であること。

毒々 威張る

毒々と威張るはシールドフォルムのまま圧のある行動を実現する。
攻撃せずとも単独で相手に圧を与える補助技はこの2つ。
毒々は確実に相手にダメージを与えることができ、ギルガルドに手が出ない相手を封殺せしめるが、毒鋼には無効化されることと、ダクホなどによる眠りと重複しないのが欠点。
威張るはダメージは運次第、しかも自分の首を絞める可能性も孕んでいるが、タイプによる無効はなく、眠りと重複するのが長所。最速クレセの威張る程ではないが、ラム持ちにダクホと威張るを重ねてやれば混乱にすることもでき、味方に神秘の守りがあるなら味方威張るも可能ではある。ついでに相手プレイヤーへの心理的ダメージはおそらく毒々より大きいだろう。
ただ、基本的にはメガガルーラに押しても裏目がない毒々推奨。

持ち物:霊タイプを含める火力アップアイテム、食べ残しなど
技:シャドーボール、毒々or威張る、キングシールド、残り1枠


以上がギルガルドの性質に適した採用理由や運用法である。

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