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千葉ロッテマリーンズの編成について(現役ドラフト編)

 昨シーズンオフ、出場機会に恵まれない選手を救済する制度として「現役ドラフト」が実施された。12人の選手が移籍したが、中日ドラゴンズの細川成也は24本塁打を放ちチームの主軸として活躍。阪神タイガースの大竹耕太郎は二桁勝利を挙げ、タイトル争いに迫る活躍を見せた。一方で、6人が戦力外通告(2人は育成再契約)を受けるという形になり、明暗が分かれた。
 本記事では、今季の第二回現役ドラフトについて私の贔屓球団である千葉ロッテマリーンズについて考察していきたいと思う。


-現役ドラフトと対象選手

-千葉ロッテマリーンズの対象選手について

 投手については対象選手が他球団に比べ非常に多い。近年、単年で好成績を残すリリーバーが多いため、年俸が上がりにくいせいだろうか。今季好成績であった移籍組の坂本光士郎、澤田圭佑は来季も継続して活躍して欲しい。生え抜き組では、東妻勇輔、中村稔弥が一軍に定着。期待の若手として横山陸人、中森俊介、森遼大朗が経験を積むことができた。一方、社会人卒2年目を迎えた廣畑敦也、八木彬は1年目より成績を落とし、昨年はローテ谷間を担った二木康太、本前郁也はほとんど一軍登板がなかった。
 野手については、井上晴哉、柿沼友哉を除くと全員が26歳以下である。外野手はほぼ全員レギュラーポジションを狙える選手であるが、内野手は中村奨吾、藤岡裕大と絶対的な選手がいる中で、ドラフトでは1位で主に三塁を守る明治大学の上田希由翔を指名。一軍枠をかけた争いはさらに激化するだろう。

-候補選手

①  本前 郁也 (26歳)

2023年 1軍成績
1試合 5回 0勝0敗   防御率 3.60

2023年 2軍成績
21試合 104回 3勝9敗 防御率 4.15 

 2019年育成ドラフト1位で入団した大卒左腕。2021年に1軍で8先発しプロ初勝利を達成。2022年は11先発で3勝とローテーション入りに向けて順調なステップを踏んでいたように思えたが、今季は1先発に止まった。2軍では、春先調子が良かったが、出番は回って来ず。一軍先発が苦しくなってきた夏場に自身も不振。終盤は怪我によって離脱してしまった。中村稔弥や鈴木昭汰など同年代の左腕が一軍リリーフで立場を掴みかけており、彼らは来季以降先発挑戦の可能性もある。チーム内での優先度は下がって来ているか。

②  佐々木 千隼 (29歳)

2023年 1軍成績
2試合 3回 0勝0敗  防御率 3.00

2023年 2軍成績
26試合 79.2回 4勝7敗 防御率 3.84

 2016年5球団競合の末、ドラフト1位で入団した大卒右腕。1年目は先発で4勝をあげるも、そこからローテーションには定着できず。リリーフ転向2年目を迎えた2021年に54試合登板。34ホールドポイントを挙げ防御率1.26とセットアッパーとしてチームに貢献した。しかし、2022年は防御率6点台と不振。2023年は先発再転向も2軍で圧倒的な成績を残すことはできず、一軍では2登板、0先発に終わった。先発投手は、小島和哉、種市篤輝、佐々木朗希と若い世代の選手がチームの柱となっており、先発機会を掴むのは難しい。特徴のあるシンカーを活かし、リリーバーとして再び輝けるか。

③  井上 晴哉 (34歳)

2023年 1軍成績
32試合 打率 .179 1本塁打 8打点 1盗塁  OPS .528

2023年 2軍成績
66試合 打率 .293  7本塁打 31打点 0盗塁  OPS .869

 2013年ドラフト5位で入団した社卒内野手。スラッガーとして期待され、5年目の2018年には4番として打率.292 24本塁打 99打点と申し分のない活躍。さらに2019年にも24本塁打とチームにとって待望の和製大砲として打線を引っ張った。しかし2020年は15本塁打に止まると、2021年は故障に悩まされる。2022年は60試合で打率.246ながらOPS.767と復活の兆しを見せるも、今季は打率1割台と不振。2軍暮らしが続き、一塁手のポジションは山口航輝に譲る形となった。来季は中村奨吾の三塁コンバートによって安田尚憲が一塁を守る可能性が浮上。上田希由翔の入団もありさらにポジション争いは激化する。かつての打棒を再び取り戻せるか。

④  平沢 大河 (26歳)

2023年 1軍成績
32試合 打率 .170  3本塁打 8打点 3盗塁  OPS .555

2023年 2軍成績
66試合 打率 .280  5本塁打 19打点 7盗塁  OPS .830

 2015年2球団競合の末ドラフト1位で入団した高卒内野手。プロ3年目となる2018年には外野手として112試合に出場。一軍枠を掴みかけたかに思われたが、次の年から遊撃一本で勝負に臨むも送球難や故障の影響で一軍出場は激減。2022年、三塁手として開幕スタメンを掴むも定着できず。今季は外野に再転向。印象的な一発も放ったが、安定した打撃を見せることはできなかった。2軍では好成績を残せるだけに、何かきっかけを掴めば打撃開眼するのではないか。

-まとめ


 今回は候補選手として4選手を挙げた。実際には今オフ、外野手では福田秀平、菅野剛士、西川僚祐と3選手が戦力外となり、ドラフトで外野手の補強はなかったため、外野に専念し、ファームで多く出場した平沢大河を選択する可能性は薄いだろう。
 一方で、リスクを負って実績のある選手を選択する可能性もなくはない。今季登板がなかったが、28歳ながら1軍通算41勝の二木康太、かつては勝ちパターンを担い、今季のCSにも登板した東條大樹国吉佑樹を選択する可能性もあり得る。
 今まさに行われている現役ドラフト。何人の選手がどこの球団へ移籍するのか、17時頃の報道が待ち遠しい。

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