ゲームセンターとオレカバトルの思い出
いつからだろう。AEONに行くと言われてテンションが上がらなくなったのは。
小学生の頃、おばあちゃんの家に遊びに行くと、ほぼ必ず連れてってもらえた。AEONにテンションが上がっているというよりかは、ゲームセンターに行けることが嬉しかったのだろう。
ゲームセンターに1番近い屋上の駐車場に車を止めて、誰よりも早くゲームセンターに向かった。僕は3人兄弟の長男で、1人300円のゲーム代金をもらうためにおばあちゃんの1000円を両替機に入れる仕事をしていた。余った100円をおばあちゃんに渡そうとすると「内緒だよ」と言って僕にくれた。
そのままおばあちゃんとお母さんが買い物に行き、お父さんが見張りをやっていることが多かった。
その当時、僕が夢中になっていたゲームは「オレカバトル」だった。このゲームは倒した敵をカードにするので、毎回カードを印刷していた。これだけでも楽しいのに、必ず「誰々の」とプレイヤーの名前が入っていて、その特別感にその当時の子供たちはみんな心惹かれた。
僕も例に漏れず、ゲームの中のモンスターが明確に自分の仲間になっていく感覚の虜になっていた。
そしてこのゲームにはそのほかにも男の子の心をつかむ特徴がいくつもあった。まず、カードにレベルアップシステムがあったのだ。バトルが終わり、自分のカードたちがレベルアップして技が変わるのを見て、最後、どのカードを印刷するのかを選ぶ画面になる。新しく手に入れたモンスターをカードにするか。強くなった仲間をカードにして成長させるか。この選択がとても難しかった。一回のバトルにつき上がるレベルは1のみ。そしてレベル10になると進化するキャラクターまでいたもんだからみんな金をオレカバトルに溶かした。
今思うととんでもない集金方法だが、そこまでの金を出しても味わいたいロマンや夢がそこにはあった。
よくこう言う文章の最後は現代批判になっている気がする。「現代のゲームにはこれが足らん!」みたいな。
僕はそうは思わない。単純に僕がゲームセンターから遠ざかっていただけだ。
いつからかゲームセンターに払うお金をもったいないと感じるようになった。確かに一回遊ぶのに100円は高い。家のゲーム機でやれば最初に5000円程度払うだけで無限に遊べる。
でもそれだけの理由であのワクワクを失ってしまうのは勿体無い。もう一度ゲームセンターに行ってみよう。
そう思いオレカバトルがどこの店舗に置いてあるか検索した。
去年の3月にサービス終了したらしい。
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