命みじかし、恋せよ乙女
「生きているんだから幸せにならきゃ」
樹木希林が出演した最後の作品を観た。
ドイツ人監督が描く−生者と死者−のものがたり。
日本に帰国してしたかったことの1つ。映画鑑賞。
冒頭の文句は劇中に主人公に言うセリフ。
生者として出演する樹木希林が生き方を説き、
しかし作品が公開された「いま」、彼女は死者となっている。
なんという巡り合わせなんだろう。
この作品の演者が公開される頃には亡き人になっていることは
監督にもだれにも予期できなかったことだ。
そんなことは当たり前だが、その当たり前を凌駕するほどに、
樹木希林の去就を監督は知っていたのではないかと思うほどに、
この作品に、樹木希林が、このセリフがしっくりとくる。
樹木希林がこの言葉をいうことで
より深く実体験のように胸にストンと落ちてくる。
最期まで人を引き込み魅了する、大好きな演技でした。
ありがとうございました。
ゆっくりとお休みください。