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ワンルームマンション投資で騙されない!知っておきたい11の知識【重要部分まとめ】


ワンルームマンション投資で騙されない!知っておきたい11の知識

こんにちは
不動産投資の、本要約チャンネルの徳川です。

今日は関根克直(せきねかつなお)さんの著書
「ワンルームマンション投資で騙されない!知っておきたい11の知識」の重要部分と、この本を読んだ感想を交えながら紹介します。

まず最初に結論です。


この本を実際に読んで、個人的に重要だと思ったポイントは以下の3つです。

1、営業マンの鉄板トークを鵜吞みにするな
2、手付金さえ払えば永遠に入ってくる不労所得などない
3、不動産投資とは事業であり、仕事である、故に真剣に向き合うべし

以上の3つがかなり重要なポイントとなっています。

また全体を通して、著者の関根さんが実際に不動産投資で発生するお金の流れを具体的な数値を交えながら、素人にも分かりやすく解説してくれています。

この本を読めば、ワンルームマンション投資の儲けのロジックと、気を付けなければいけない注意点がしっかりと理解できるような内容になっています。

では、さっそく具体的な中身を見ていきましょう。

この本は、タイトルにもある通り11の知識として、11の章で構成されています。
1から11の知識までの重要部分を、順番に紹介していきます。

■まず第1の知識として

「物件を購入すると節税効果が出ますよ」という、営業マンの鉄板トークが紹介されます。
しかし、節税効果は永遠ではないし、節税効果のからくりを購入前に理解している人はほとんどいない点を指摘しています。
節税効果のからくりとはどういうことか?
関根さんによると、物件を購入する際は現金収支計算、損益の計算、節税効果の計算、この3つの計算を同時におこなう必要があるとのことなのです。

それぞれの個々の計算については、この後の知識で関根さんが詳しく解説してくれています。
まず第1の知識として関根さんが強調したかったことは、‛3つの計算を同時におこなう必要がある’という部分です。
これだけでも、ワンルームマンション投資が簡単なものではないことが伝わってきますね。

■では、第2の知識「現金収支計算」について見ていきましょう。

初年度は賃料収入から固定資産税・修繕費積立・管理費合計・原状回復費・ローン支払などの経費を差し引いて赤字、持っているだけでマイナスになると述べられています。
本書の事例ではなんと年間約30万円のマイナスですが、こういった事例はむしろ珍しくないそうです。

ただし、節税効果の計算である損益計算まで理解している人はほぼおらず、また現金収支と同じくらい損益計算は大切であることも同時に語られています。
つまり、関根さんが伝えたかった「現金収支計算」の知識とは、現金収支の結果だけにとらわれてはいけない、ということなのです。

■この流れで、第3の知識「損益の計算」について見ていきましょう。

損益の計算は、3つ目の計算/節税効果の計算にもダイレクトにつながってくる部分です。

投資用ワンルームマンションを所有するということは、事業者として不動産業を営むということですから、経費の方が多くなれば当然ながら不動産損益がでます。
結果、確定申告を行えば、所得を下げることができるため、納税額を少なくすることが出来る、これがワンルームマンションにおける節税効果のロジックなのです。

ただし、経費を計上する上で留意すべきポイントが2つ挙げられています。

まず一つ目は、ローン利息についてです。
ローン利息は支払いは利息部分と元金部分がありますが、経費になるのは利息部分だけです。

二つ目のポイントは、減価償却費に関してです。
投資用ワンルームマンション本体も費用になりますが、購入した年に一括して費用計上できる訳ではなく、更に費用計上できるのは物件価格の内の建物価格のみ、土地価格は含めることができません。
そして建物価格をその資産ごとに算出された「法定耐用年数」というもので割って計上していくのです。
ただし、建物本体部分は47年間、電気や給排水などの設備部分15年間と、耐用年数が異なります。
つまり物件を土地と建物に分け、更に建物を本体と設備の部分での価格に分けて計算していくということです。

では実際の減価償却の計算の流れを、具体的な金額込みで追ってみましょう。

本書で取り上げる事例物件では、物件価格は2,930万円、そのうちの建物価格は1,750万円とされています。
ですので、建物価格の内の70%にあたる1,225万円分が本体価格であり、残りの30%にあたる525万円が設備価格ということになります。
次に、建物価格を建物の耐用年数である47で割り、設備価格を設備の耐用年数である15で割ります。
すると、建物本体の減価償却費は約26万円、設備の減価償却費は約35万円という数字が算出されます。

この2つの建物と設備の減価償却費を費用とし、固定資産税・修繕管理費、原状回復費、賃貸管理料、建物に対するローン利息といったその他諸々の費用と併せると、費用合計は117.8万円となります。
初年度の賃貸収入が107.1万円という設定ですので、賃料収入から費用合計を引くと、差引10.7万円のマイナスとなります。

損益の計算によって算出されたこの不動産損失10.7万円で、いったいいくらの税金を取り戻すことができるのでしょうか?

■このまま続けて、第4の知識「節税効果の計算」を見てみます。

まず本書では不動産損失のない場合の通常の納税額が計算で示されます。
年収600万円であった場合、給与所得控除や基礎控除、社会保険や雇用保険などの金額を控除し、課税所得額は303万円。この課税所得額に税率をかけて算出された所得税・住民税の合計金額は、なんと51.3万円となります。
年収600万のサラリーマンが年に負担する税金が51.3万円、なかなかの大きな負担であるといえます。
勤勉に働く日本のサラリーマンは、汗水たらして稼いだお金から、よく分からないままに多くの税金を搾取されているのですね。

そして次に、不動産損失10.7万円を抱えた場合の納税額が計算されていくのですが、この不動産損失10.7万円は先ほどの所得税・住民税の合計額51.3万円から差し引かれるわけではなく、課税所得額303万円から差し引かれることになります
ここが大きなポイントで、課税所得額は292.3万円へと下がり、税率をかけて算出された所得税・住民税の合計金額は48万円とはじき出されます。

不動産投資を行わなかった場合の納税額が51.3万円、
不動産投資を行った場合の納税額が48万円

この差額3.3万円がつまり、節税効果として可視化された金額というわけなのです。

ただ1年目の現金収支を遡ると、年間約30万円のマイナスであったため、毎月の現金持ち出しが多すぎて、わずかな節税効果も投資効率がいいとは言えませんね。

■次に、第5の知識「ワンルームマンション投資におけるデッドクロス」を紹介していきます。

本書で例示されたワンルームマンションは当初、10万円程度の不動産損失が出ていたため、3万円程度という少ない金額ではありますが、節税効果が出ていました。
それが年を追うごとに節税効果が薄れ、16年目には逆に28.3万円もの不動産収益が出てしまいます。
当然ながら利益が出れば税金を納めなければいけません、28.3万円に対する税金は約5.8万円です!
前年までは不動産損失が出ていたから、結果として節税につながっていたのに、気づけば5万円以上の納税の義務が発生する本末転倒な事態に...
16年目に何が起こったのか?

答えは減価償却の設備部分にあります。
第3の知識で触れた通り、設備部分は15年と計上できる期間が短く、15年経過するともう費用計上できなくなります。

物件所有16年目も現金収支はマイナスなのに、納税義務は発生するダブルパンチ、これがワンルームマンションにおけるデッドクロスという現象なのです。

■少し視点は変わり、第6の知識「なぜ3室所有してしまうのか?」を見てみましょう。

理由は単純で、購入する最初の段階で、営業マンに複数のワンルームマンションを勧められるからです。

購入前のオーナーさんは「不動産投資イコール不労所得」という固定観念に縛られていて、当然儲かるものだという思い込みが強いのです。
その流れの中で、購入1年目にそれなりの還付金を得られ、節税効果を実感出来たら、1室だけではなく2室、3室と購入してしまう方が手っ取り早いと考えてしまうのです。

もっとも、1年目に大きな節税効果が出るのは購入時に火災保険や不動産取得税など、6項目ほどの初期費用が掛かるからなのですが。

営業マンたちは不動産投資に走る人たちの心理をよく見抜いていますね。

■続いて、第7の知識 「サブリース(借上げ)契約にメリットなし!」を見ていきます。

サブリース契約とは、賃借人がいなくても必ず毎月の賃料が支払われる家賃保証制度のことです。
空室リスクを避けられ、毎月入ってくる賃料が決まっているため確定申告などの資金計画が立てやすいといったメリットもあります。
しかし、明らかにデメリットの方が多く語られています。
まず利回りが落ちること、それでも賃料の10%を管理会社に支払わなければいけないこと。
そして、近年、サブリース契約の期間が異常に長くなってきていて、収支が悪くても簡単にサービスを解約できないこと。
更には、賃料をいくらに設定するかの決定権がサブリース会社にあること、等々です。

これだけのデメリットを上げられたら誰もこんな不利なサービスに契約しようなんて思いませんが、そこも無知で始めた投資だと、サービス会社の口車に乗せられてしまうのかもしれませんね。

次に紹介される第8の知識は、第6の知識の延長線上に位置しています。

■ということで、第8の知識 「なぜお医者さんはワンルームマンション営業マンに狙われるのか?」を紹介していきます。

高収入のお医者さんにワンルームマンション投資を行っている人が多い理由はこれまた単純で、たくさんの税金を納めているから、そして激務で忙しく調べる余裕もないからです。
あと、周りでやってる人が多いというのもあるようです。
お医者さんは縦社会、お世話になっている教授・先輩に勧められたら断れない、そうした業界の体質が、営業マンたちに狙われてしまうようですね。

次の第9の知識では打って変わって、投資用不動産を所有することで起きる現代の問題点について触れられています。

■第9の知識 「投資用不動産を所有する住宅ローンへの影響」を見ていきます。

投資用ワンルームマンションを複数所有していることが原因で、住宅ローンの審査に落ちたという事例が、最近急激に増えていることが挙げられています。
実はこれ、2020年4月からの改正で、以前は別モノと見られていた投資用マンションローンが、住宅ローンの審査に組み込まれるようになったからなんだそうです。
よほど年収が多い人でなければ、複数の投資用マンションローンを組んでいる場合、住宅購入はあきらめなければならなくなるという、歪な構造が出来上がってしまっているのです。

豊かになるはずの投資で、自らの住まいと暮らしの選択肢が狭まっていくだなんて、なんだか皮肉な結果ですね。

次の第10の知識では、遂に営業マンの営業トークの真偽に迫っていきます。

■第10の知識 「ワンルームマンション業者の営業トークは本当なのか」を見ていきます。

大前提として、営業マンが物件を売る際の営業トークは全て同じセールストークの繰り返しであり、10年前から変わっていないと著者は指摘しています。
そして、営業マンが使う定番の6つの営業トークを紹介し、著者はその一つ一つを潰していきます。
もちろん全てがウソではないので全否定は避けつつも、鵜吞みにしてはいけない点を強調しています。
その中でも、「物件は10年後、販売価格で買い取ります」「生活費や旅行費用を経費計上することができ、節税になります」という2つのトークに関しては、全くのデタラメデあり得ないと断罪しています。
確かに物件には相場というものがありますし、確定申告に心得のある方なら常識と言えることですが、やはり知らない人は知らないということなのですね。

最後の第11の知識では、素朴な疑問に対する答えが示されています。

■それでは、第11の知識 「それでも投資用ワンルームマンションが売れ続ける理由」を見ていきましょう。

ずばり理由は、投資用アパートローンにおける審査が厳しくなったからです。
以前は不動産投資といえばアパート経営かワンルームマンション経営かの二択だったのが、現在はワンルームマンション経営のほぼ一択。
さらに、現在の副業ブームが拍車をかけていて、最初に10万円を用意するだけで気軽に始めることができる副業という認識がワンルームマンション投資には広がっているようです。

結局、人は誰しも楽してお金を儲けたいと夢想する生き物なのですね。

さて、以上で本書の11の知識すべての紹介が終わりました。
如何でしたでしょうか?

この本のタイトルでもある「ワンルームマンション投資で騙されない!知っておきたい11の知識」をまとめると、

まとめ

1、営業マンの鉄板トークを鵜吞みにするな
2、手付金さえ払えば永遠に入ってくる不労所得などない
3、不動産投資とは事業であり、仕事である、故に真剣に向き合うべし

この3つに尽きると思います。

本書を読むと、不動産投資のリスクやネガティブな面ばかりに目がいきがちですが、著者は決してワンルームマンション投資を否定している訳ではありません。
自分でろくに調べもせず、営業マンの口車に乗せられて不動産投資に手を出し、結果痛い目を見ている人があまりにも多すぎるこの現実に、警鐘を鳴らしているのです。

仕事としてアプローチする必要がある以上、時間をかけて勉強し、自分で考えて納得して決断を下していかなければならない...
どんな分野の仕事でも求められる当たり前の姿勢なのかもしれませんが、社会人として改めて襟を正して、生きていくべきなのでしょうね。

この動画では紹介しきれなかった具体的な計算方法など、重要な部分が他にもたくさんあるので、この動画を見て少しでも気になった方は、是非本書を購入して読んでみてください。

きっと不動産投資の本質が学べると思います。

では、ここまでご視聴いただき、ありがとうございます。
不動産投資に関する本のリクエストも、コメント欄でお待ちしています。
お気軽にコメントしてみてください。ではまた!

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