黒しずくとオードリー 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 アニメ第8話感想
今回は黒しずく、白しずくの衣装が良すぎてめっちゃ刺さった。
刺さりすぎて光と闇が交わって最強になったときに『演出の良さ』と『最高だったドレスの変化』が交わり微妙な気持ちになってしまうレベルで刺さった。
リトルブラック
装飾の少ない黒のシンプルなドレスはリトルブラックドレスというジャンルで、淑女の中ではメジャーな衣装として確立されている。
元はファッションブランドのシャネルがモードな洋装としてデザインしたのがはじまりだが、オードリー・ヘプバーンが『ティファニーで朝食を』で着用して注目を浴び、一躍有名になったという経緯がある。(執筆にあたり調べて知った)
この黒いドレスを、しずくちゃんが着ているというのが最高にエモい。
舞台が大好きなしずくちゃんは、明言されていない(実質はされてる)けどオードリー・ヘプバーンの大ファンである。
そんなしずくちゃんがリトルブラックという大好きな女優の衣装を身にまとい、隠している本音を演劇で語る演技をするという演出がはぁぁぁぁ(語彙力)なんだ。
中身が部長?細かいことは気にしてはいけない。
白しずくはその反対の色、白いドレスを着用している。
こっちは特にジャンルとしてあるワケではないようだけど、単純に黒の反対だから白にしたという理由だけじゃいと思われる。
――オードリーで白い衣装といえば、ローマの休日の花嫁衣装だ。
これをしずくちゃんが身にまとっているのは、理想のヒロインを演じているという暗示であり、演じている自分が好きという構図でもある。(オタク特有の深読み)
この、白と黒が融合して生まれたのが、
見た目は微妙だけど最強の衣装である。
さりげに同好会作の首飾りやイヤリング、ボタンでしずくちゃんのパーソナルカラーを取り入れているのもポイントが高い。
隠したい黒、吐き出した灰、理想の白を体現した構図とか本当に最強すぎるんだけど、最強なんだけど……
仮面ライダーWのエクストリーム。
最強で設定も最高だけど見た目が微妙という気持ちを再び味わうことになるとは……
――オードリー・ヘプバーンという人物を知ってから桜坂しずくを見ると、練習着がサブリナパンツだったり、理想のヒロインが服装から理想(オードリー)に寄っていたり、オードリー(曲)の赤いトレンチコートだったり、やがてひとつの物語の女優帽だったり、衣装に散りばめられたしずくちゃんの好きな要素ってのがそれとなく理解できて、古い小説や演劇が大好きな『本当の私』を他人に嫌がられない範囲でうまく出してきているなぁと関心してしまう。
こういうしたたかな感じ、大女優っぽくて大好きです。
アイディールホワイト
物語の最後に、桜坂しずくは「本当の私を、見てください!」とインタビューに答えている。
――が、結局のところ何が『本当』なのかは明確な描写があるワケでなく、視聴者の想像に解釈を委ねるところが上手いと思った。
わたし的には、舞台女優としては自分の経験を糧にしてキャラ作りをする桜坂しずくへと躍進。
でも、スクールアイドルをやっている理想のヒロインも『本当のしずくちゃん』で、彼女はスクールアイドルとしては『本当の自分を曝け出すことはしない』スタンスでこれからも活動していくんだと思う。
反面、同好会の友人にはもう少し気安い感じになるんじゃないかな。
彼方ちゃんの可愛さをオフィーリアと混同したり、キャラ作りために誰かをストーキングすることも辞さない――そんないけいけドンドンのしずくちゃんに。
――物語の主軸は女優としての桜坂しずくという側面がつよく描かれており、スクールアイドルの桜坂しずくはそれに付随する形だった。
キャラを演じるようになったきっかけの話があったけど、桜坂しずくが『理想のヒロイン』を演じるときにある根源もきっと同じで、彼女が子供の頃から好きだった古い映画や小説からきた理想像があるんだと思う。
だから、舞台では彼女が好きだった俳優のようにプロ意識を持って。
だから、舞台では彼女の大好きが叫べるように自分を殺して。
理想のヒロインを演じることができるんだ。
――これまでの人生を演じて生きてきたしずくちゃんに対して、かすみさんが「桜坂しずくが好き、結婚しよ」と『今』を肯定して告白する場面があったけど、最高にエモくてフヒヒだった。
同時に負の側面である『頑固なところも、意地っ張りなところ、本当は自信がないところ』に言及があったけど、そこは『弱点を強さに変える』という形で表出されているので、醜い自分を曝け出すのではなく、あくまで『理想のヒロイン』の定義がアップ―デートされただけという仕様だとわたしは解釈している。
しずくちゃんが理想のヒロインを演じているというスタンスは崩れていないと思うんだ。
「できないよ、自分を曝け出すなんて。こんな私……きらい」
こんなことを言っていたしずくちゃんが、理想のヒロインが雨に濡れて弱い場面を表現して魅せてくるという要素があざとい。
あざとい。しずくま好き。
読者サービスとしてあざとい。
――しずくちゃん、ひょっとするとかすみんより可愛いを追求しているし、腹黒であざといし、実質の中須かすみなのでは……?
今週も幼馴染が可愛い
今日の上原さんもかわいいよ。
席配置的に侑ちゃんが端なのは上原さんの圧。
身長高い果林さんの後ろにりなりーが配置されるのは同好会の闇。
「私を一番に応援してくれるって言ったのに」という幼馴染がキレる案件と思わせて、束縛する幼馴染に「そんな歩夢はかわいくないよ」と苦言を呈する案件もありかなぁと思っています。
これは人類悪顕現。
おいしく収穫されました。
余韻を殺す連動シナリオ
20章で離脱したメンバーが、冗談で同好会を抜ける話をやるというのが闇案件すぎる。ライターさん、これ話題になるし楽しいと思って書いたんだろうなぁと思うと心が黒く染まりそうになる。
でもね、そこがスクスタの味があるところ。
クソゲーっぽくて良い感じと思ってしまう自分もいるんだ……
今回配布のしず子は、同作戦の効果倍率が高いのでフレンド用として最適です。SR果南やフェス限マリーなど、ガチ勢が使っているような有用キャラが入手できるまでは代用として使っていくと良いと思います。
ふふっ、クソゲークソゲー。
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