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初めてのマメルリハ

前回、生き物全般が嫌いでもちろん鳥嫌いでもある私の家で、マメルリハインコとのお試し同居生活が始まるに至る経緯を書いた。
さて、そしてお試し期間とその後について振り返ってみよう。

お試し期間第1段階 観察

我が家に鳥籠が置かれるという前代未聞の受け入れがたい日々が始まった。
その間に弟も両親もマメルリハに情が移っていくに違いない、1週間様子見してダメなら返せばいいのだが、やはりあっさり帰してしまうと、更にみんにがっかりされていたたまれなくなる。

そこで私は多少の努力を試みてみることにした。
まずは鳥の存在に慣れることと観察。
鳥籠の扉がしっかり閉まっていることを確認しつつ近くでじーっと時間があれば見ていた。

実はやってきたこのマメルリハは、とても人懐っこかった。

初めて我が家に来たその日、連れてきた人と弟と父がうちの和室でマメルリハと戯れていた。
そのマメルリハは、弟も父もかわいがってくれたからだろうか、あるいは何を勘違いしたのか、襖を細ーく開けて様子をのぞき見ていた私のところに突然飛んで来た!

これもそのマメルリハを突き付けられたファーストコンタクトの時と同じで、私にとってはテロ行為に相当する。

思わず襖をピシャッと閉めてしまい、マメルリハは襖にぶつかってしまった。
とっさのこととは言え、けがさせたかもしれず、私もまずかったと思ったが、幸いマメルリハは無事だった。

そんなこともあったのに、私が鳥籠のそばで観察していてもそのマメルリハはおびえもせず、何なら時々見つめ返してくる。

マメルリハの見た目はかわいいか、かわいくないかと言ったら、かわいい方に分類されるな、とは思ったが、やはり実感としてかわいいな、という感情は生まれない。

とにかく私が存在に慣れることができるかどうかだなと考えた。他の家族は手乗りインコなので、ちょくちょく和室で鳥籠から出して一緒に遊ぶので、その時は初日に飛んで来られた時よりも襖を細ーーーく開けて観察していた。

お試し期間第2段階 籠越しの餌やり

数日して鳥籠内にいるマメルリハにエサをあげてみることになった。自分の手で直接。
触りたくもないのに、わざわざかまれるリスクを冒すなんて、と思って嫌がるも

「(マメルリハの方が)頭いいし器用だからそんなことしない」と母に言われた。

数日観察していた結果、母の言うことももっともな気がして、私はそのマメルリハの好物だという麻の実を一粒親指と人差し指で挟んで、鳥籠越しにそっと嘴のそばに持っていった。

ぱくっ

くちばしが少し指先に触れたが、噛まれて指が痛むようなこともなくマメルリハはあっさりこの鳥嫌いの与える餌を食べた。警戒心丸出しの人間(私)の手からエサを食べたのは少しの感動と共に驚きだった。

お試し期間第3段階 手乗り

マメルリハに自分の手でエサを与えられたという小さな前進をした私に、母は次は鳥に触れるように訓練を始めた。初対面の時よりは慣れてきた(っぽい)私に鳥との「ふれあい」を試みたのだ。

間違って私が小さな鳥を払いのけてしまうと、マメルリハに怪我をさせてしまう。仮にけがさせなかったとしても鳥の方が私を怖がるようになってしまうので、何があっても動かないよう母は私に言い含め、さらに私の左腕をしっかり机に置いた状態で掴んで押さえ、その左腕に鳥籠から出したマメルリハを乗せた。

トコトコトコトコ・・・・
細くてごつごつした鳥の足が腕の上を歩いて行った。

すぐに(鳥を)取ってくれ!と頼んで腕から降ろしてもらったが、「私の腕の上を鳥が歩いていた!」と嫌悪感と恐怖と一滴くらいの不思議な初体験への感動があった。

これをきっかけに私はマメルリハ様子見期間中にこの小鳥を指に乗せても我慢できるようになった。ここまでくればマメルリハの存在とも折り合いを付けられそうだったので、結局そのまま家族の意向通り飼うことになったのだった。

マメルリハとの同居開始

今思えば、このマメルリハは元の連れてきた飼い主のところで他の中型か大型インコに足の爪部分の指を1か所食いちぎられており、他のインコほどかまわれていない状態で来たので、ちょっと苦労してきたと言える飼い鳥だった。

そしてマメルリハインコは総じて賢く「世界最小のオウム」と表現している記事や本もあった。
(オウムは賢い前提)
だからこのダメな動物嫌いに対して適切にふるまえた「経験豊富な大人」だったのかもしれないと今になって思う。

このマメルリハはその後我が家でさらに12年2ヶ月を過ごして逝った。私はその間に独立し実家を離れたので、このマメルリハとの同居期間はその半分くらいである。この頃の話もいずれ整理して投稿したいと思う。

まずは現在同居中の「シャル」について次回から書いていきたい。

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