GIS(地理情報システム)とアマチュア無線

波を出してもいないのに机上の空論を、ということは十分承知だが半分は自分用のメモとして。

災害時にアマチュア無線が何ができるか、という話は私が電話級の免許を受けた時にもあった。イメージとしては避難所と、各自治体等の支援拠点にボランティアとして入って代替・非常的な通信を行うというもので、その後の自然災害時に諸OMが献身的な活動をされてきていることも周知の通り。ただ一方で、携帯電話とインターネットの爆発的な普及で、「固定電話が切れて交通が途絶」した時の唯一の代替手段としての必要性は、一義的には減ったのではないか。もちろん、先日の震災のように携帯基地局の電源断、といった事態は今後も起こりうるのだから、「固定+携帯の代替」という役割は担っていくべきなのだと思う。
一方で、既存通信の代替ということだけでなく、被災者、あるいは支援者の立場に置かれた一人一人のアマチュア無線家がそれぞれの情報を発信しあるいは集約する、他のネットワークへ中継するといった活動も考えられるんじゃないか、と思っている。

たとえば、平時であればスマホとLINEで、道路や公共施設の不具合箇所、要望などを位置情報付きの写真で自治体の部局に送り、即座に対応を決めていく、といったGIS(地理情報システム)の取り組みがすでに実用化されている。

普段はここにあえてアマチュア無線が入り込むメリットは少ないが、災害発生時であればどうか。基地局の電源断までは行かずとも、携帯網の輻輳、あるいは電源不足でのスマホのバッテリー切れ、などで被災箇所の情報収集を、と思っても機能不全となる事態は容易に想像できる。その時、人力にせよあるいはパケット通信のような仕組みにせよ、アマチュア無線家が被災側であれば情報を非同期に発信・共有し、支援側であればこの情報を然るべく、被災地外のネットワークに中継する、といった活動が組織的に行われれば、相応に役立つ場面も多いのではないか。

もちろん、実際の運用にあたっては多くの課題が想定されるし、人的な訓練、ネットワークの構築も必要となる。なので、平時からいわゆる「災害訓練」に限らず、こういった情報を収集する、あるいは共有する仕組みの研究、開発を行う。。といったことができれば。たとえば気象情報や花粉、あるいは桜前線でもいいのだけど、そのような情報を平時は共有する仲間たちが、災害発生時にはノウハウを生かして活動する、という。

防災訓練に代表される既存の防災行政の補完にとどまらず、アマチュアの特性を活かした独自のアイデア、人的な活動ができればいいなあ、と思う。とりあえずは局を立ち上げるのが先決であるわけで。

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