見出し画像

「言葉にせんとわからんし、変わらんよ」

数年前、夫に言われたせりふです。

「言語化」ということばをよく見るようになったのは、けっこう最近な気がします。いや、私が意識するようになったから目に入るだけかもしれません。

いつだったか、夫と話し合いになって、私が「わからん」と何度も言っていたのか、「言葉にせんといつまでたってもわからんし、何も変わらんよ。わからんでも、言葉にすることはがんばらんと」と言われました。

そのときから私は「言葉にすること」がそんなに大切なことなのかと、意識するようになりました。

そんな私に、夫は課題図書を出してくれるようになりました。

夫は、学生時代にゼミの教授から本ごともらったという本棚を持っています。付き合う前、はじめて部屋に行ったとき、壁一面に本がどどんとあって、せまい部屋だったのもあいまって、「こんな部屋がほんとにあるのか...!」ととても驚いたのを覚えています。

その本棚から何冊か渡してくれて、読み終わると、「どうだった?」と聞かれます。私は、印象に残った部分を言ったり、思い浮かんだ考えや、ひもづけたできごとなどを話します。

本棚に多いのは、内田樹、養老孟司、鷲田清一、橋本治、河合隼雄、平川克美(著名人を紹介するとき、呼び捨てにするか、さん付けか、迷いますね。)、、。

私は特に、内田樹さんと養老孟司さんの語り口に惹かれました。それを少し真似させてもらって、インスタグラムのキャプションに、その時読んだ本の内容から考えたことや、日常生活でふと感じたことなどを、書くようになりました。(おそれ多くも、お二方の文章とは似ても似つかないですね。)その時の私には、文章を書いてみる場所がそこしかありませんでした。

次第に、あぁ、夫の話す時のリズムと似ているな、と思うようになりました。夫が楽しそうに、あるいは興味のあるものごとについて話す、そんなときのテンポに、私の文章の感じが似てきたように思います。

さて、順番を考えずに書いていたら、着地点がわからなくなるのはあるあるです。文章をあたためて、よしできた!と思うところで発信したいと思いつつ、せっかちなところが出てしまうようです。それに、「勢い」もけっこうだいじです。今書きたい、もう言いたい、と思ったときに、そのときのできる限りのことばで言いたいのです。言うまでもありませんが、言いたくないことは無理に言いません。

言葉にすることを意識して、実践してみたら、たしかに少しずついろんな変化はありました。(なんとか良い感じにまとめようとし始めましたね。)職場でも、自分のリズムで話すことができるようになってきたり、Threadsでお話しできたり、こうやってnoteを始めて、文章を読んでもらえるようになった。おおげさに聞こえるかもしれませんが、私の世界が広がりました。

ちょっともう、かっこいい終わり方が思いつかないので、今日はここまで。夫の教授のこともいつか書きたいな。良い、おじさん(おじいさん)と、奥さまなんです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?