符亀の「喰べたもの」 20221009~20221015
今週インプットしたものをまとめるnote、No. 108です。
各書影は、「版元ドットコム」様より引用しております。
漫画
「姫様"拷問"の時間です」(10巻) 春原ロビンソン(原作)、ひらけい(漫画)
ゆるすぎる拷問と、それに屈しまくる姫様を描いたギャグ漫画。第五十回以来の登場です。
やってることは10巻ずっと変わらないのですが、それでもマンネリを感じさせないのがすさまじいです。この巻にいたっては拍手笑いまでしてしまいました。連載の中で成長している…?
この巻はツッコミ不在系の話が多い印象でしたが、そういう話でボケの誘導が丁寧なのが上手いと感じました。「さすがに外出はマズいよな~」でボケとフリを両立しつつ「セキュリティは万全ということか」(出歩けてる時点で万全じゃない) でボケつつ落とす (134話)、「私はまだ屈していないのだぞ?」で話の流れを示しつつボケる (136話)、でかいから可愛くないというボケを天丼しまくったうえでカゲや集中線が強烈な可愛くない絵面でオチを作る (140話) と、どういうボケかわかりやすくして読者の脱落を防いでいるように思います。そのうえでツッコミというブレーキを無くして加速し続けられたら、そりゃ面白いですよ。ズルい。上手い。見事です。
「デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い」(5巻) 平方昌宏
地獄から暇つぶしに人間でも滅ぼそうかとやってきた最強ながらポンコツな悪魔(デビィ)をメインに据えたギャグ漫画。第八十六回以来の登場です。
クソザコなヒロインの情緒を楽しむのがコンセプトの本作において、ここにきてヒロインをいじめる役のキャラを出してきたのがすごいと思います。キャラや要素が増えてきて元の持ち味が薄くなってきたとはいえ、原点回帰用に1キャラ増やす択はかなり思い切った技ですし、それでちゃんと機能しているから何も言えません。やっぱキャラとパワーが全てだぜ。
「てるてる建設(株)」(1巻) 馬渕朝子(原作)、安藤コウヘイ(作画)
ゆるふわ女子な主人公が、現場監督見習いとして奮闘する話。
単なるドジでも真面目さが取り柄というのでもない、全力で頑張る一般人な主人公のキャラが良い味出しています。彼女の雰囲気のおかげで建設現場の辛さや危険さを作中世界に持ち込む必要性が薄れ、努力や無茶ぶりへの対応といったおいしいところだけ描いてもリアリティラインが下がってチープな印象を感じにくくなっています。
体育会系のテンションの高さはありますが、ここでも主人公のキャラのおかげで暑苦しさはそれほどでもなく、テンションの高さによる絵とストーリーの盛り上げという利点のみを活用できています。いいとこどりの上手い作品です。
「R15+じゃダメですか?」(2巻) 岸谷轟(企画、原案)、裏谷なぎ(漫画)
厳しい親の元に育ち「大人なもの」を見ずに育った主人公が、R15+の映画を見て変わろうとする話。第九十九回以来の登場です。
「R15+の映画を見て大人になりたい女の子」な主人公に加え、「人と向き合おうとする男の子」という別軸の成長要素を入れてきたのが、上手いなと思いました。主人公が成長して「もう映画見なくてもいいじゃん」となるとこの作品の意味がなくなってしまい、かといって何も成長しないようだと一生同じ話が続いて退屈です。その問題を、もう1人のメインキャラにも成長要素を与えて解決しているのがスマートだと思います。
「へのへのもへじと棒人間とパンツ」 林快彦
棒人間になってしまう病気の主人公と、ヒロインの話。
演出が上手いです。フキダシを絵の後ろに持ってくることで立体感を表現し、主人公の顔を集中線代わりに使い、セリフをフキダシからはみ出させてあふれんばかりの思いを表す。クライマックスの、「二人の視点に合わせた横向きのコマ割り→4コマ漫画っぽい余白を取ったコマ割り→上下の余白を廃し斜めに切ったコマ割り→1ページに2コマだけにして主人公の表情を描くコマ割り→見開き」の流れは本当に見事です。
物語の演出も上手く、中盤の「すべてを失って」パートを主人公とヒロインで2回やってその感情の差を示しつつ盛り上げる流れにも感動しました。静と動の使い分けが上手く、噛めば噛むほど味が出る名作です。
先週積んでしまったジャンプ系漫画を、ある程度崩せてよかったです。長期連載はもう言うことがなくなったりそれまでの固定観念から新しい面白さを見つけるのが難しかったりしてしまいがちですが、ジャンプ系は進化し続ける作品が多くてありがたいです。
一般書籍
先週読んだので今週は休みです。
Web記事
"How your email finds me"の意味を調べた記事です。
ミームの検索方法やその結果のアーカイブとして面白い記事でした。日本と同レベルのネタが海外で流行っているというのも面白いです。
「ほとんどの上司は『自分は“えこひいき”していない』と思っているが、実際にはしている」
『「意識」の知らないところで、「無意識」が実力と成果の知覚を書き換えるために、えこひいきが行われていることに誰も気づかない』ことについてのnoteです。
下世話な話ですが、好感度をあげるためのチェックリストが勉強になりました。「相手の話したがっていることを鋭敏に察知し、即座にそれを聞く質問をしてあげる。」「重大な問題点ほど、ミーティングが開かれる前に、こっそり、本人にだけ、伝える」あたりが思いついていなかった内容で、特に意識しなくてはいけないなと感じました。
また記事の投稿をサボり、日が開いてしまいました。この週はそこまで忙しくなかったですが、執筆タイミングがずれているせいで書く方の週の忙しさに巻き込まれてしまいました。早急に1週ズレまでには戻さなくては。
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