符亀の「喰べたもの」 20211107~20211113
今週インプットしたものをまとめるnote、第六十回です。
各書影は、「版元ドットコム」様より引用しております。
イベントが相次いだため、月曜日に更新しています。
漫画
「SPY×FAMILY」(8巻) 遠藤達哉
凄腕スパイの主人公は、任務のため偽の家族を作ることにした。しかし、娘役の少女は他人の心を読む超能力者であり、妻役の女性は殺し屋であった。そんな癖の強い家族(仮)による疑似家族コメディ。第三十七回以来の登場です。
普段から「漫画が上手い」タイプの優等生系でしたが、この巻は特に構図も話もレベルが高く、非常に面白く読めました。基本ギャグマンガなおかげで必ずしも試合運びに説得力を持たせなくてもいいためか、「相手のスゴ技→こっちのスゴ技→決着」でテンポよく戦闘が進み、読みやすいです。しかしアクションの構図の上手さや技のハチャメチャさのおかげで気持ちよさは残っており、ギャグとバトルのいいとこどりになっているのが見事です。
この巻のエピソードは基本妻役の殺し屋が主として進むのですが、ここへの他の家族の絡み方も絶妙です。本筋を邪魔するほどは主張が強くなく、結局なんで来たのかわからないほどに空気でもない。疑似家族全員の思惑を唯一知っているのが幼い子供であり、最適な行動をとれるとは限らない(むしろ祖普通噛み合わないのでギャグになる)からこそ、ハマったときの気持ちよさも増しますし、本筋に絡んでも絡まなくても納得感があってストレスにならないのだと思います。
「きみは謎解きのマシェリ」(1巻) 糸なつみ
女性の社会進出にまだ風当たりの強い昭和初期を舞台に、女性探偵と謎の大学生とのコンビが奔走するミステリーです。
まずジェンダー系の話を続けて、職業婦人である探偵のキャラと時代背景を読者に覚えさせつつ、本作がなにを描く話なのかが察せるようになっているのがいいですね。話が進むにつれて大学生側のキャラも覚えますし、キャラを理解すれば作品に愛着もわいてくるので、まず話の筋とキャラの背景とを一致させて覚えやすくする手法はいいですね。
「ちいかわ」🥄 ナガノ
ハァ?
ボドゲガレージに持ち込むなどして、時間が無い中でもなんとか数冊は読めました。まあその道中で未読のやつ一冊紛失したんですけども。
一般書籍
読む暇が、ない。
Web記事
「なぜディレクターはUXを分解・言語化しなくてはいけないのか?クソゲーが生まれてしまう原因」
ゲームディレクターのかえるDさんが、UXの言語化について書かれたnoteです。
「アスセティックス(感情)→ダイナミクス(現象)→メカニクス(仕様)」のメカニズムで分析するMDAフレームワークなど、自分のやっていることがきちんとパッケージ化されて提示されたのがありがたかったです。おかげで、自分の行動を外部標準と照らし合わせて振り返れそうです。
「50代ベテランゲームデザイナーが傍若無人を行い、若い芽を摘みまくる現場で行った戦いをプロデューサー視点で書く(ゲーム in the ノンフィクション)」
ゲームプロデューサーのうきょうさんが、ご本人の体験談をノンフィクション形式で書かれたnoteです。
最後に出てくるドリブルデザイナーの岡部さんの話が面白く、「自説の説得力を増す意外な例」の強さを感じました。「ヒト、モノ、情報、サービスを何かの媒体で体験できる形に作り上げ、利用した人が特定の感情、体験、経験までを得られるようにすること」がデザインであるというメッセージも、肝に銘じておきたいですね。
ウマ娘の二次創作ガイドラインにまつわる騒動を受け、複数のキャラの関係性を描けばえっちな絵じゃなくても伸びるよと説かれたnoteです。
物語性や設定の練り具合を観客に伝える方法として、複数キャラを描いて関係性を感じさせるというのは、単純すぎたためか盲点でした。まさに「それでいいのか」と「確かにそうだわ」との混ざりあった感覚の中で読み進めたのを覚えています。次かその次のアートワークでは意識します。
「心理学・行動経済学等の著名な研究論文が次々に追試失敗【心理学】」
心理学、行動経済学の分野において、まだ再現性が軽視されていた頃の研究成果が次々覆されているのをまとめたnoteです。
専門家の意見も挙げ、単にダメでした!で終わらず追試の誤りの可能性にも触れているのが丁寧で助かります。また単に怪しいとだけ聞いて下巻を放置していた「ファスト&スロー」について、少なくとも著者自身の研究は再現性が取れているそうなので、そろそろ読もうかとも思いました。
筑波山とその周辺を散策した紀行文です。
単なる私的な旅行記ではありますが、まずタイトルと日本国民全員の脳内に強く焼き付いた富士山(本文にはほぼ関係ない)のイメージから古典やピクトグラムへの連想で一気に「自分事」にさせてから始める、強引とも言える手腕が面白いです。こういう「自分事」へのさせかたがあるのだなと感心してしまいました。
アルビジアというジュエリーブランドが、なぜ着用写真を公開しないのかについて書かれた記事です。
デザイナーの体験を、ブランドの方針を左右するストーリーにまで磨き上げ提示する。ブランドと真摯に向き合われているのが伝わってくる記事です。
今週の宣伝枠です。どのゲームを買うか選ぶ際の指針として、拙作9作品をフローチャート化してまとめました。
このフローチャート、正直手間はかかりましたが、サークルの作品まとめや結局1サークル1、2作しか買われにくい現状でその選ばれる数作の最適化としていい手段なのではないかと、自画自賛しています。パクれ。
今週(もう先週)は試遊会と即売会が合わせて4つもあり、フローチャートを入稿しなくてはいけなかったのもあって、かなり忙しかったです。次週(もう今週)も試遊会が控えており、書きたい記事もいくつかあるので、ゲムマまで全力で駆け抜けなくてはいけなそうです。助けてくr頑張ります。
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