符亀の「喰べたもの」 20230312~20230318

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 130です。

各書影は「版元ドットコム」様より引用しております。


漫画

葬送のフリーレン」(10巻) 山田鐘人(原作)、アベツカサ(作画)

勇者パーティーの魔法使いだったエルフが、魔王討伐の「その後」の世界で生きる後日譚ファンタジー。No.104以来の登場です。

1巻通じて「魔族と人の違い」というテーマを貫いていたのが良かったと感じました。言ってしまえばこの巻ではほぼ話が進んでいないのですが、これまで謎でしかなかったキャラの目的がわかり、しかもそれを敵としての格を落としたり同情して倒しにくくしたりすることなく描いたのが見事だと思います。魔法の駆け引きも面白く、決着がつくであろう次の巻が楽しみです。


他に「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」(13巻) や「推しの子」(11巻) など面白い作品は何冊か読めたのですが、面白さの言語化ができなかったので作品名だけ挙げておきます。お前何のためにこの連載やってんだよ。


一般書籍

また一冊読み始めました。果たして何週後に紹介できるのか、というかそもそも読み終わるのでしょうか。


Web記事

得られた教訓 その1

マジックザギャザリングのデザイナーさんが、自身の反省を語ったポッドキャストの内容をまとめられた記事です。

「プレイヤーは、ゲームに求められることをすることで楽しめなければならない。」「メカニズムやカードやゲーマやゲーム要素をデザインするときは、ゲームプレイ上で何を推奨することになるかを考えなければならない。楽しいことがあるなら、プレイヤーが楽しいことをして勝利できるようにしなければならない。」の2つが、特に勉強になりました。新しさを求めて体験をおろそかにしてしまいそうになるので、他山の石として覚えておかなくてはいけないと思いました。


ベアルクティの強化の歴史

遊戯王の「ベアルクティ」というテーマのカード達がどのように強化されてきたかまとめたツイート群です。

後半の、テーマ外のカードで勝ちパターンのリターンを増すのは (テーマの強みがぼやけるうえ再現性も低くなるため) 難しく、そこを保証する強化が良い強化であるとする部分が、勉強になりました。遊戯王の膨大なカードプールでも「〇〇でいいじゃん」を生まない方法として、参考になる考察だと思います。


「ボードゲームを大成功させたら、お金持ちになれる」というルートを作りたい──『ストII』『モンスト』で知られる岡本吉起氏がボドゲを企画・プロデュースする理由とは

「ストリートファイターII」や「モンスターストライク」の岡本吉起氏がボードゲームのクラウドファンディングを立ち上げたことを受け行われた、インタビュー記事です。

ビデオゲーム業界からボードゲームがどう見えているのかについて、勉強になる記事でした。個人的には、ボードゲームには余白 (ローカルルールなどを加える余地) がある点はよく語られますが、そういう余白があるものは大ヒットしにくいという悪い点にまでちゃんと言及されていた点が、的確な見方だなと感じました。


聞けば聞くほど納得しかない……。世界最大のIT企業・テンセント、ゲーム業界制覇への道筋──日本でのヒットこそが、世界的ヒットへの試金石になる!?

ゲーム業界で世界トップの収益を誇るテンセントのグローバル展開を担う新ブランドの日本担当プロデューサーさんへのインタビュー記事です。

各国で広く売れるゲームをまず目指すのではなく、市場調査に基づいてその国で売れるものを国ごとに作る点が勉強になりました。記事内にあるように資本力のなせる業だとは思いますが、少なくとも机上の空論でないデータに基づいた製品づくりを「すべき」ということは忘れずにいたいと思います。


漫画の原作者と作画者のお仕事

原作者さんが描かれたネームと、作画者さんがペン入れした原稿とを比較したツイート群です。

コマ割による視線誘導の変化や情報量の差など、非常に面白い比較で勉強になりました。


第212号『ドラゴンボールから学ぶことは一つも無い』

「ドラゴンボール」の編集担当であった鳥嶋氏による当時のお話を、まとめられたnoteです。

競争相手になくて自分たちにある強みを活かす場面設定を作る話が、編集の仕事として非常に「勉強になりました」。


ChatGPT と結城浩の対話(矛盾や反復を含んだ対話によってAIと人間の識別は行えるか)

すごい。

私だったら堂々巡りした時点で満足して切り上げてしまいそう (ツイッターにスクショを貼って終わりそう) ですが、そこでしっかりオチを付けにいったところが素晴らしいと思います。また、このオチは人間がすぐ堂々巡りに気づくからこそ成立するものであり、人間の文脈を読み取る力についても勉強になりました。


今週は、週5でボードゲームのミーティングがある地獄みたいな週でした。その忙しさのおかげでtwitterがはかどってWeb記事系のインプットが充実したのが、なんとも皮肉な話です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?