符亀の「喰べたもの」 20230917~20230923

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 157です。



漫画

奇妙で怪異な日常譚!」(1巻) たるはる

怪異の出没する世界に囚われてしまった4人の女子高生を描いたホラーコメディです。

本作の怪異たちは対応を間違わなければ死なないタイプなのですが、これにより各キャラが生き延びるための対応策を考えようとするため、巻き込まれ系なのに受け身な感じが少ないのがいいと思います。また、4人のその対応の仕方も「怪異への知識があるか」「積極的に解決に動くか」の2×2パターンで分かれており、話にバリエーションが生まれている印象です。

ただ、そういったキャラ付けのために「積極的に解決に動く」2人メインで話が進みがちなのは気になるところです。巨乳天然ギザ歯お姉さん (知識なし動かない) がギャグ的にも見た目的にも好みなので、できればもっと彼女が話に絡んでほしいなと思います。完全に個人の感想です。


イリオス」(5巻) 円城寺真己

伊莉雄 (イリオス) 会の亀山組若頭である亀山パリスと、朱維屋 (アカイヤ) 会所属の半神と呼ばれる男アキレスとの、命をかけた競走を描いた作品です。No. 126以来の登場です。

(以下、本編のネタバレが含まれます。)

徹辺ええええええ!!

パンダロスの時に「2回死ぬ」演出の考察をしましたが、今回はその亜種という感じですね。絶対死ぬやんこれという演出から劇的な決着と一矢報いる意地を描いての生存、からのハイエナにサクッと殺される。徹辺の物語のクライマックスと敵役の格上げとをこなした前半と、その2人の関係性をも蹂躙するような雑すぎる死の後半で、1回の戦闘でこなせるだけの物語を詰めてきたなという印象です。

最初に「徹辺は生き残るのか」という問いすら浮かばないほどの圧倒的死亡フラグを積み立てた分、いざ生き残りそうになった時には手放しで生存ルートを受け入れそうになっているのも上手かったと思います。最初に思考が死一色に染まると、その後見えた希望の方も疑わずに受け入れてしまう。さらに、殺される直前のコマ割が単純かつ視線誘導がシンプルなおかげで、思考する時間もなくすぐページをめくりたくなるのも見事です。余韻パートの時間が物理的に短い分、死が余計あっさりした印象になると。最悪な漫画力の使い方っすね。


ひとり*遊戯」 火鳥

お尻にあらゆるものを挿入れて世界を救ってきた男、後崎歩里雄の活躍を描いた短編集です。は?

悔しいですが、毎ページ出オチを続ければ面白いギャグ漫画になるという正面突破なやり方にやられました。勢いも緩急も凄いですし、毎回想像の上の上の斜め上を飛び越えるネタをぶっ込んでくれますし、女の子は可愛いですし、漫画の教科書として優秀な気がしてきました。いや、うん、やっぱ流石にそれはないか。


最近ちょっとは本業に力を入れるようになってきたのですが、それでもこれまでと同レベルのインプットはできているので悪くないと思います。


一般書籍

わりと順調に読み進められています。これなら来週に読み終われるかなと。


Web記事

『Sapporo1876』と『Otaru1899』からゲームデザイナーが学べる3つのこと

ボードゲーム「Sapporo1876」と続編の「Otaru1899」についてのレビューnoteです。

1つ目の、アクション自体でなくその副作用によってじわじわと差が生まれるメカニクスは初心者でもやっている感が楽しめ上級者にはより奥深い体験ができる、という部分が面白いと思いました。このメカニクスはわずかな差の地味なせめぎ合いになりうる弱点もあるかと思いますが、そこを初期資源の差からくるアクションの価値の非対称性で目的意識をはっきりさせて解決する (これが学べること2つ目) というのも見事だと感じます。


Designer Diary: Challengers!

ボードゲーム「チャレンジャーズ!」の、デザイナーズダイアリーです。英語記事ですが、DeepLに全文突っ込んで読みました。

個人的には、「使用後のカードが7種類以上になったら負けというルールにより、同じカードを複数枚デッキに入れるのが強くなり、カードピック時に同じカードを見つけるという目的が生まれた」という部分と、「トーナメント中に何度も試合が行われるため、1回の試合を短くしなくてはいけなかった (複数人同時対戦にするなどして回数を減らすことは考えられていなかった)」点が面白いと思いました。このゲーム、私は運ゲー感が強くて好みではないのですが、そこまでゲームデザインで割り切っていいのかと思えるのと面白くはあるのとで、1回はやってみるのをオススメします。


HIROTSUバイオサイエンスのNewsPicksに対する反論について

線虫によってがんを診断するサービスを提供するHIROTSUバイオサイエンスが当サービスの問題点を報じた記事に行った反論について、さらに問題点を指摘したnoteです。

内容自体も統計学入門としてわかりやすいですが、最後の検査は陽性や陰性が出た時にどうするかを決めてからやらないと意味がない、「目的なき検査が誰かを幸せにすることはない」という部分がなるほどなと思いました。実験も、どんな結果が出たら何が言えるかとか考えずにやるやついますもんね。ハッハッハ。


君たちはどう生きるか」と「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」を見ました。前者は何の話をしているのかがわからないパートが長すぎるので嫌いですが、それが判明した後に、アオサギが仲間っぽくなってからは面白かったと思います。ああいう小人物っぽいキャラは、味方サイドで憎まれ口を叩きながらもなんだかんだで協力してこそ輝くように感じました。ポアロの方は、原作 (未読) の大幅な改変やジャンプスケアの多用で賛否両論らしいものの、私は嫌いではなかったです。個人的に一番の問題は、エンディングの文字組みがぐっちゃぐちゃだったことです。ちゃんとして。

あと、「音MAD DREAM MATCH -天-」を (タイムシフトで) 見ました。個人的には、芋タルトさんのファンなこともあり「音MAD」が好きでした。こういうアンセム的な作品、キャリアの最後に作りたいっすね。

あ、あとエアコンが壊れました。まあ夏本番にぶっ壊れなかっただけマシだと思うことにします。なんかまだ暑いのは気のせいだと思うことにします。


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