符亀の「喰べたもの」 20220918~20220924

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 105です。

各書影は、「版元ドットコム」様より引用しております。


漫画

夜な夜な夜な」(1巻) 柴田康平

盗みを働く腐った警察を相手に、その宝を盗み返して持ち主に返す怪盗たちの物語。

世界観はダークですが、そんな中でも発揮されている主人公たちの遊び心が素敵な作品です。キャラ設定の良さやアクションシーンの上手さなどの堅実な面白さが土台となりつつ、作者のセンスが感じられる遊び心が今後の展開をより楽しみにさせているように感じました。

ですが残念なことに、「なぜ本作のユーモアに魅力を感じたのか」を言語化することができませんでした。おそらく、過程は独特だが結果は王道展開なことが、ストーリー展開を察しやすくして余計なことをしている感を減らしつつ分かりやすいだけの陳腐な作品という印象を持ちにくくしているのだとは思います。が、これは「なぜ本作のユーモアをウザく感じなかったのか」という減点要素への考察であり、加点要素は不明なままなんですよね。そこを捕まえられればもっといいインプットができるでしょうし、本作は真剣に吸収しにいくべき面白い作品だと思いますので、2巻が出たら再チャレンジしたいところです。


河畔の街のセリーヌ」(1巻) 日之下あかめ

先生の教えだけを頼りにパリを訪れた主人公が、本を作るために職業体験にはげむ物語。版元ドットコムさんに登録されていなかったので、画像はありません。

本作も、雰囲気やユーモアという私にとって言語化が難しいところが魅力的な作品です。「月からきたような奴」と言われるような少女がふとした瞬間に見せる人間らしさが良さを生んでいるのではという仮説は立てられましたが、そもそも人間らしさの薄いキャラを主人公にするべきではないのではという問いへの答え (だからこそ鏡のような彼女の眼に映る他キャラが映える) と矛盾しているような気もします。言語化ムズカシイ。


君のことが大大大大大好きな100人の彼女」(11巻) 中村力斗(原作)、野澤ゆき子(作画)

イカれたハーレムもの。(第一回の記述より再再再再利用)

今週ふと気づいたのですが、漫画って各コマでキャラの感情が動いているとそれを追うだけで読めてしまうので、読みやすくなるんですよね。このテクニック自体は今までにも何度か聞いていたのですが、今週になってようやく心で理解できたというわけです。

その観点から見ると、本作は多すぎるヒロインが主人公への恋愛感情を出しまくるので、情報量の多さにも関わらず読みやすいです。その愛情表現の圧のおかげで、他の感情もスベりにくく、全力で読者をぶん殴れます。イカれてるくせに仕事が丁寧でムカつくぜ!


考察も表現もいまひとつだった気はしますが、それでも正面から取り組もうと思える作品たちを読めて恵まれた週でした。その分自分のしょうもなさが辛い。


一般書籍

二冊同時に読んで、両方半分ぐらい読めました。じゃあ片方だけに集中してれば読破できていたのでは?


Web記事

カードプールの作り方

『少ないカード種類でリプレイ性を上げるにはどうすればよいか』という観点から、ボードゲームにおけるカード効果の作り方を考察されたnoteです。

使用タイミングと効果により解決したい要望との掛け合わせで効果を考えるという方針がとてもシンプルで、勉強になりました。


金色のガッシュ‼と雷句誠原画展」に行ってきました。第0回的なやつでも書いたように、「金色のガッシュ!!」は私の漫画体験の原点とも言える存在であり、何度も涙ぐみながら拝見してきました。

コミックスを漁っていた当時はストーリーの面白さばかりに目が行っていましたが、改めて見ると本当に絵が上手い。漫画的な読みやすさと絵画としての精緻さが両立されており、大変感動いたしました。そして、逆に今まではなぜこの絵の上手さに気づいていなかったのかを考え直した結果、ほぼ全てのコマでキャラの感情が前面に押し出されていることに気づき、先述の感情と読みやすさの話に至れました。やはりガッシュは全てを教えてくれる。

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