符亀の「喰べたもの」 20240519~20240526

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 192です。



漫画

その着せ替え人形は恋をする」(13巻) 福田晋一

高校生かつ雛人形職人の主人公と、彼とは真逆の世界で生きているギャルのヒロインが、コスプレ衣装と「好きを否定しない」ことで繋がるラブコメです。No. 158以来の登場です。

もう、シンプルに画力が凄まじかったです。殺されるまで眺め続けるしかない天使の笑みを描くという、絵に説得力がなければ終わりのシーンでここまで心臓を掴む表情を描かれたら、もう降参するしかないです。何回そこ読んでも、新鮮に驚嘆の声が出ます。参りました。俺を殺してくれ。


龍とカメレオン」(4巻) 石山諒

新人漫画家と中身が入れ替わってしまった天才漫画家が、自らの超人気漫画を越えるために一から奮闘する物語。No. 170以来の登場です。

「作品に飲み込まれないようにトラウマを思い出して抗おうとする」展開、初見時は鳥肌立ちました。斬新な回想シーンのぶち込み方で驚かされましたし、それまで勢いで押し切るタイプだったキャラがいきなり黒背景で「よく謝る母親だった」というモノローグで空気を一変させる演出の畳みかけも相まって、二重でゾクっとさせられました。こういう「斬新な演出で何が起きたのか理解できていない読者に、さらなる驚きで追い討ちする」手法、演出として使えそうなので覚えておきます。


古々路ひめるの全秘密」(1話) 小松翔太

大富豪の娘の警護のために高校に転校した用心棒の主人公が、そのターゲットの秘密により非日常へと巻き込まれていくコメディです。

設定が盛りすぎで笑いました。その設定を明かすこと自体を長期的な話の軸にして設定の開示自体が楽しみになるような構成にしているのも上手いですね。本作のおかげで、シュールギャグというジャンルは結構ジャンルがガバガバになっても読めるというのを知れたのもよかったです。いつ使うねんそんな知識。

あと、シュール系のギャグ漫画ではあるものの、某キャラをツッコミ役にして笑いどころをわかりやすくしているのも読みやすいですね。1話限りのキャラっぽいですが、こいつがいるかどうかで読みやすさが大きく変わるでしょうし、是非ともメインキャラとして継投してほしいですが…。
(追記:2話も読みましたが、ちゃんとそいつレギュラー化してました。エライ!)


SCPって何ですか?」(1話) ハチフン(漫画)、三山高(漫画)、梨(原作・監修)

謎の原作者から送られてくるSCPの話と、それを作画する漫画家たちとの話を同時に描いた作品です。

「作画を2人にわけて作中作をやらせる」という発想が凄まじいです。だからこそ描ける原作からの逸脱が、SCPという題材と合わさり、何が起こるのか期待させてくれます。しかも原作が「コワい話は≠くだけで。」で見事なギミックを魅せてくれた梨さんとあれば、そりゃ期待感も倍プッシュってもんです。


シスター・サイレとおかしな懺悔室」 ピロヤ

口外禁止の懺悔室で予想外の懺悔を聞かされるシスターを描いたギャグ読み切りです。

さすがは「でこぼこ魔女の親子事情」の作者さん、懺悔大喜利が外れなしで面白いです。毎回懺悔後のページの2コマ目でツッコミ直す構成も天丼が効いていて、大喜利以外の部分のストーリーを進める役目としてもうまく働いています。頭おかしいギャグを漫画力あるやつにやらせたらそりゃ無敵だよ。


今回は、量はそこそこですがかなりいいものを読めました。分析の方が追いついてないのは許してくだせえ。


一般書籍

先週読み終えたばかりなので今週はなし…と思いきや読み始めました!エライ!


Web記事

【カードゲーム】あなたは無意識に不正をしているかもしれない【注意喚起】

カードがランダムになるのが適切なシャッフルであり、あるカードが等間隔に並ぶようないくつかの山に分けるシャッフルやカードを交互に差し込むシャッフルは不正である、というnoteです。

言われて見たらそりゃそうという内容なのですが、言われてみるまで気づいていなかったので載せました。気をつけます。


ゲーム攻略に熱中し過ぎた結果、やがて人殺しが選択肢に入り込んできて、そのうち誰かの干渉でふと冷静になって一旦頭が冷えるみたいな話 ひたすら繰り返し描写しているので作中のテーマなんだと思う。

「ボマーを語尾にして雑に能力の制約を満たすゲンスルー」ネタを踏まえて、Bee3号さんがグリードアイランド編やHUNTER×HUNTER全体について考察されているツイート群です。

VSゲンスルーの面白さや作品全体のテーマを言語化されており、連載再開時に読み返したくなるであろうという理由からここにメモしました。Bee3号さん、問題がございましたら消しますのでご一報ください。


シャニソンはなぜSlay the Spireになれなかったのか

シャニマスのアプリ「アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism (シャニソン)」にあるローグライクな育成モードの微妙な点について考察されたnoteです。

ローグライクなカードゲームの面白みを「状況に応じた取捨選択」とし、それをいかにシャニソンが壊しているかがまとまっており、勉強になります。個人的にこういう否定的なnoteは取り上げたくないんですが、少しはプレイした人として身に覚えがありすぎる内容だったのと私はここまで言語化できていなかったのとで載せました。


どうして、「学園でアイドルマスター」なのか? 開発陣にぶっちゃけ聞いてしまう、『学園アイドルマスター』ができるまで

学園アイドルマスター」のローンチに合わせた、電ファミニコゲーマーのインタビュー記事です。

かなり骨太な記事で、学マスPになっていない私でも興味深く読めました。個人的に面白かったのは、「そのアイドルにとってのベストカット」を立ち絵にした話、ローグライクには「積みあがっていく」感覚があるという話、アイドルの成長曲線に迷走を入れた話、あとは坂上さんの「主人公思考」に関する話ですかね。買うかー「主人公思考」。


「学園アイドルマスター」、スマホスペックと時間の都合でプレイはできていないのですが、とりあえず全員分のMVを観ました。曲としては「Luna say maybe」と「clumsy trick」、「光景」に「Fluorite」あたりが特に好きなんですが、まずティザームービーが無茶苦茶気合い入っててワクワクしました。インタビューでもあった「バランスをとっていない」MVたちがただコラージュされたような構成により、文脈もクソもなくただ高いクオリティに殴られる感じが、何が起こるかわからないけど期待はできそうなワクワクにつながっているのかなと思いました。あと個人的には、手拍子とロゴから始まるのがライブの観客席で他の人と観てる感じがしていいなと思いました。そこまで好印象なのになんでプレイしてないんですか?

あ、あと拙作「バックハンダー」のリメイク版である「The Icarus Club」の先行予約販売が始まりました。円安と送料とで正直地味に高いとは思いますが、ルールも少し変えてもらってより面白くはなっていますので、ぜひご検討いただければと思います。

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