見出し画像

シャニソンはなぜSlay the Spireになれなかったのか

#シャニマス感想コンテスト なるものが始まったそうで、最近シャニソンをプレイしていて思った話を書こうと思いました。多分こういう話する企画じゃないんですけど。すいません。

0.シャニソンとSlay the Spire

シャニソンについて語る前に、まずSlay the Spire(以下、StS)について軽く話した方がいいかもしれませんね。
シャニソンは明確にStSに影響を受けていて、なんならシャニマスのフェスツアーズの時点でStSっぽさがある気がします。開発にStS好きがいるのかも。
ただ、別に「パクリじゃねーか!」と言いたいわけではなくて、StSはローグライクカードゲームというジャンルを確立させたゲームなので、参考にするのは全然アリだと思います。
クラフト要素があるゲームが全部マイクラのパクリ、とは普通言わないのと同じ感じですね。

で、筆者はStSも大好きで、100時間くらいはやってます。マジで最高。神。
なのでシャニソンがStSライクなカードゲームと聞いたときは期待したのですが、実際に遊び慣れてくると「ん?」と思うことが増えてきたので、それについてどこが気になったのかを書いてみようと思います。

1.ステータスを上げて初期カードで殴ればいい

シャニソンとStSの違いの一つとして、「ダメージ計算の方法」があります。これがかなり悪さをしていると思っているんですよね。

StSでは、ダメージはカードごとに完全に固定です。
例えば初期カードの「ストライク」のダメージは「6」で固定です。
なのでよりダメージを与えるには、より強いカードを手に入れ、「ストライク」のような弱いカードを捨てる必要があります。

一方でシャニマスでは、例えば「総Vo0.5倍アピール増加」のように、カードのダメージはステータスに依存します。
これは、Vo、Da、Viのステータスを上げていくというアイマスの伝統に従っているのでしょう。

しかし、このシステムには問題があると思っています。
これだと、初期に配られる弱いカードでも、ステータスを上げることにより強いダメージを与えることができてしまいます。
こうなると、ステータスさえ上げておけば適当に初期カードを出せばオーディションには勝てるので、レッスンなどの強いカードが手に入る行動は完全に無駄足と化してしまっています。

StSの面白さは、「状況に応じた取捨選択」にあります。
例えば、敵の毒を2倍にするカードは、毒を与えるカードを多く持っていれば強いですが、毒を与える手段がなければただの邪魔です。
その場その場に合わせ、シナジーが大きいカードを選んでデッキを組み立てる即興での戦略性こそがStSの魅力の根幹にあります。
シャニソンには現状それがほとんど見出せません。

2.プレイヤーを信じすぎるな

ではステータスを上げず、カードを集めるプレイスタイルを取ればよいのでは、と思った方もいるかもしれません。
ただ、そこにも問題があります。つまるところ、シャニソンは難しすぎるのです。

そもそも、StSはリアルタイムではなく、じっくり考えるゲームです。
だからこそ、一癖も二癖もある効果ばかりのカードや、個性にあふれた敵の特性を加味して、最大限にシナジーを得られる手をじっくりと考えることができるのです。リアルタイムでは無理です。

「5秒間、相手から受けるMeダメージ20%DOWN」、「10秒間、相手のMe回復効果を0にする」、これをリアルタイムで効果的に使える人います?
いたら申し訳ないですが、感覚的にはほとんどの人には無理だと思います。そもそも敵が何をしてくるか把握する時点で困難です。

恐らく、シャニソンで「カードを戦略的に使う」ということはほぼ不可能だと思います。せいぜいイルミネでコスト減→コスト減ならアピール増加のコンボを使うくらいです。
必要以上に豊富な種類のカードを見ると、「いったい開発はどんなプレイを想定していたんだ…?」と首を傾げたくなります。

そもそも、シャニマス運営はもとからユーザーを信じすぎているところがある気がします。「wing決勝では1位狙いの敵がVo型なので1位がVoじゃなければ勝てる」とか、今となっては慣れたものですが、普通に考えてどっかに書いとけよ、と思います。
ストーリーはむしろそういう姿勢がプラスに働いて高く評価されているようですが、ゲーム部分ではそうはなっていないようです。

3.シャニソンの3つの歯車

シャニソンの抱える問題はもう1つあります。それは、シャニソンがただのStSフォロワーではなく、同時に音ゲーであり、またソシャゲでもあるということです。

シャニソンの仕組みとしては、まずガチャでアイドルを手に入れ、それを使ってプロデュース(今話していたカードゲーム)をし、その結果得られたフェスアイドルを使って音ゲーをする、という流れがあります。
この時点でかなりややこしいですね。

それでいうと、シャニソンにおける前後の繋がりは正直とても悪いと思っています。
まず、音ゲー部分ではプロデュース時のステータスのみが引き継がれます。
どのようなカードを持っていたかは引き継がれません。
仕方ないと言えばそうですが、これによりプロデュースでのステータス至上主義が加速している部分はあると思います。

ガシャについても、プロデュースアイドルの持つスキルは、先に話したカードと同じく使い勝手の悪いものが多く、そもそもステータス上げれば勝ててしまうのもあっていまいち欲しいと思えないところがあります。
反面、サポートアイドルはかなりステータスに影響するのでたくさん欲しいのですが、シャニソンの売りが3Dであることを考えると皮肉な話です。

4.シャニソンがこの先生きのこるには

文句ばっか言ってるのもアレなので、どうすれば今後面白くなるかも考えてみました。見当違いなこと言ってたらすいません。

1つの案は、もうカードゲーム部分を切り捨ててしまうことです。
今シャニソンを遊んでいる人は、恐らくカードゲームではなく、ステータスの高いアイドルを育成することを楽しんでいると思います。
そういう人からすればカードゲームは時間がかかるだけなので、無くしても困らないでしょう。
その分、カードゲームなしで楽しめるゲーム性があれば喜ばれるはずです。
オーディションもSTEPのような簡易なものに変え、アイドルスキルもステータスに直結するものに変えれば、もっと欲しがる人も増えるはずです。

カードゲームを残すなら、初期カードを弱く、途中で得られるカードを強く調整して、ステータス上げだけでは勝てない、とかはどうでしょう。
できるだけステータス上げに時間を費やしたいが、それだけだとオーディションに勝てないジレンマがあれば取捨選択の機会は得られそうかも。
カードゲーム自体が魅力的になるかは別の話ですが…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?