符亀の「喰べたもの」 20230423~20230429
今週インプットしたものをまとめるnote、No. 136です。
各書影は「版元ドットコム」様より引用しております。
漫画
「しめっぽい話ですが」(単巻) 小田扉
![](https://assets.st-note.com/img/1684677871447-AJUYhMbLlh.png)
天然で仕事のできない役者志望の若者が父親の葬儀会社に入社し引き起こす、人間ドラマ系コメディです。
今週のなんか面白かった枠です。スローテンポで日常系の (1話の前後で何かが変わるわけではない) コメディは好きではないですし、ましてマヌケな主人公はイライラするので流行りではないはずですが、それでも面白く読めました。
後者の方については、主人公がやらかすのはあくまでギャグとしてであり、話の展開としてはむしろ主人公が振り回される側なのでヘイトを感じにくいというので納得しました。そして、そういう形ならギャグ数を増やして話を進ませやすくするいいところだけを利用できるということもわかりました。
なので「つまらなくなっていない理由」はわかったのですが、前者の「面白くなっている」理由の方はさっぱりわからず。単にベテランの作者さんの腕で読みやすく、主人公が振り回されて先が気になっているうちに終わるから面白くなっているだけという可能性もあるのですが、もう少し何かあるとも思うんですよね。やはりまだ漫画読みとしてのスキルが足りませんね。
「カードゲームうさぎ」(第百四十六話)
第百四十六話#カードゲームうさぎ #エピソード・ライ太 pic.twitter.com/QD6EiMDBTv
— ワタル (@urwataru) April 26, 2023
架空のTCGをプレイする動物たちを描いたtwitter連載です。不定期に読んでいましたが、この回からちゃんと追いかけて読むようになりました。
この回では、「初心者が手札のうち見られたカードを上下逆に持つ→対戦相手のベテランがその意図を見破る→相手の成長を喜ぶ」というシーンが描かれました。私はまず手札を逆にして相手に見られた情報がどれかを明示する (その処理に脳の容量を割かないようにする) というテクニック自体思いつきませんでしたし、それをただベテランキャラに見抜かせて読者に伝えるだけでなく、それをするほどまでに至った成長まで看破させて両者の格を上げたのには感動しました。こうして2回も驚かせてくれたおかげで、作者が自分の見えていないところまで見えているのを感じ、背筋を伸ばして読むべき漫画だと思い知らされた感じがしました。
これを読んでから今日執筆するまで考えていたのですが、私はこういう「驚き」を、作者が自分を打ちのめしてくれる感覚を、全てのエンタメに求めているのかもしれません。そして、その「驚き」には、興味を引くためのものと1回目を受けてとりあえず立てた予想がまた裏切られるものとの、2回分が必要なのかもしれません。うん、思ったより汎用的な考察になってきたのでこの辺で止めましょう。
自分なりの評価軸として、「驚き」という軸が固まったのがとても大きな収穫でした。とはいえ「しめっぽい話ですが」に「驚き」があったとは思えないので、さっそくこの評価軸が機能していないのですが。
一般書籍
忙しくなると一番最初に削られるもの、それが読書の時間 (漫画除く)。
Web記事
「ボードゲームにおけるラウンド終了時の目標の良いところと悪いところ(The Pros and Cons of End of Round Objectives)」
表題の通りの記事の和訳です。
「目標がやりたいことと矛盾すると、弱い戦略かやりたくないことかを選ばされる」というのは、なんとなく感づいていた気もしますがちゃんと認識はできていなかったと思います。
「The important difference between inventive and innovative board games」
新規性を求めるinvention (発明) で満足せず、それがプレイヤーの体験を変化させることで起こるinnovation (イノベーション) を求めるべきだとする記事です。DeepLに突っ込んだため、この要約が間違っていたらすみません。
innovationにこそ価値があることには同意ですが、筆者さんもinventionがそれに先立つことを明記していますし、結局は (新規性が薄くても面白ければいいというのは念頭に置いたうえで) 発明を繰り返しながらいいものを引くガチャをするしかない気もします。プロダクトが娯楽な時点で、新しささえあればいいとか思ってる人はいないでしょうし、ね?
「About shipping schedule/配送スケジュールについて」
うちばこやさんのキックスターターの支援者に向けた記事です。このnoteで紹介されていた↓の図がとてもよかったので元記事の方を紹介します。
![](https://assets.st-note.com/img/1684690878682-6f4LLQGdcA.png?width=1200)
私は何かあった時にリカバリーできるように全てが終わってから情報を流すタイプなのですが、特に先にお金をもらっている場合は現状を細かく伝えて誠意を示すのが重要だなと感じました。その点で、上の図や記事にあるもう1つの図のような形で現状と課題を視覚化するのが非常に良いなと思いました。
なお、noteの方は挙げられている本の和訳版を途中で積んでる人間にとって耳が痛い話なので挙げません。はい。
「chatGPTにアドバイスをもらったらデータサイエンスを知って1週間の友人がコンペで上位6.5%に入った話」
データ予測の素人だった友人がChatGPTの力を借りてコンペサイト上位になるまでの軌跡をまとめられた記事です。
ChatGPTは私もたまに使っているのですが、自分の状態 (どのぐらいの知識レベルなのか、何ができているのか) や最終目標を与えることで回答精度を上げるのは盲点でした。そもそもChatGPTを教師役にするのも眉唾な印象でしたが、使い方次第で夢は広がるものだなと感じました。
「人の話が処理出来ない奴へのアドバイス」
「『人の話が処理出来ない奴へのアドバイス』に関する補足」
相手の話を正確に聞き取り、足りない部分は自分で穴を埋めずにちゃんと質問するようにすべき、という記事です。
元記事は「自分ではできているつもりだがどこまでできているのかと聞かれると不安になる」感じだなと思いながら読んでいましたが、補足にある「『空』(事実認識)『雨』(解釈)『傘』(結論)を分離して使いこなす」という表現で深く納得できた気がしました。同時に、すぐできるセルフチェック方法があるとこういう記事は満足度が上がるのかもしれないなと思いました。(解釈)
宣伝枠です。「RATORO」を紹介していただきました。
「ゲームマーケット2023春 トリックテイキングゲーム一覧」
宣伝枠です。「シリアリアン」を紹介していただきました。
なお、タイミングが良かったのか悪かったのかなタイミングに拝見してついイジってしまった悪いツイートはこちらからご覧ください。
試遊会行って説明書書いて、ゲムマ前らしい忙しい週でした。なんで半年前にはルールできてたのに今更説明書書いてるんですか?だって試遊会でルール変えたんだもん。
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