符亀の「喰べたもの」 20240107~20240113

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 173です。



漫画

姫様"拷問"の時間です」(13巻) 春原ロビンソン(原作)、ひらけい(漫画)

ゆるすぎる拷問と、それに屈しまくる姫様を描いたギャグ漫画。No.128以来の登場です。アニメ化おめでとうございます。

184話目でむっちゃ笑いました。まだこんな笑わせてくれるんですかこの作品。化け物かよ。

で、私がなぜこの話にどハマりしたのか考えていたのですが、結論から言うとよくわかりませんでした。笑いというのは無意識に抱いていた間違った仮説が覆されたときに生じるはずで、そういう意味では姫様が鳥になったり鳴き声が「くっすー」だったり鳥になっても屈したりするのには仮説もクソもないはずです。それでも面白いのは、ストーリーの流れが生じさせる次の展開という仮説を裏切っているからと考えられます。しかし、じゃあそれを再現性良く起こせるのか、そもそもこの作品は最終的に姫様が屈することなんか全員がわかっているのになんでまだ面白いのか、それがわからないんですよね。なんでなんだろうね。


追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~」(7巻) 業務用餅(漫画)、六志麻あさ(原作)、kisui (キャラクター原案)

追放されたチート付与魔術師達が気ままにセカンドライフを謳歌する漫画。No. 142以来の登場です。

前巻ぐらいから極道抗争モノっぽい展開になってきていましたが、この巻はモロでしたね。Where is the 気ままなセカンドライフ?

本作は狂気を感じるぐらい唐突なギャグとその打率とが魅力の作品ですが、こうした作風がヤクザ系に合っている気がしてきました。「イリオス」のときにも考察しましたが、アウトローの倫理観のなさとか行動方針の狂い方とかは別の文脈に載せられると不快感を消しやすいんですよね。「イリオス」は神話、本作だと不条理ギャグに載っけることで、ヤバいキャラをヤバいまま動かせています。ねえこれ本当に追放されたチート付与魔術師達が気ままにセカンドライフを謳歌する漫画なんですか?


インプット量も少な目なうえに質すら不十分な気もしますが、ちょっと年明けからずっと忙しいので許してください。


一般書籍

シンプルにね、忙しくて手つけてないっすね。


Web記事

【全文無料】説明書のチェックポイントどこ見てる ~23年ゲムマ春~(ゲームのルールの伝言ゲーム)

説明書のチェック時、どういうところに気を付けてみているのかをまとめられた、チェックリストのようなnoteです。

「出した手札の数」だと枚数なのかカードに書かれた数字なのかわからない、という指摘は目から鱗でした。あとは「内容物の名前と数の説明をするのが内容物欄」なのでそこでは最低限の情報のみ載せるべきというのも、私にはなかった考え方なので勉強になりました。と言いつつ画像込みで各種のアイコンなどの説明できるのそこぐらいなので、たぶん従来の方法を取り続けるとは思うのですが。


倫理とか。感情とか。

創作ボードゲームにおけるAIの使用に関するアンケートを受け、AIを活かしたボードゲーム制作を模索されている方が書かれたnoteです。

AIを使われている方なので実践的な内容が面白く、特に名義を「Illustration generated by Tsuna Umidori」とするのがしっくりくるという話は、実際にAIと向き合っている人でないと出せない視点だなと思い面白かったです。あとこれは皮肉とかのように受け取らないで欲しいのですが、反AIの方々は楽してる云々よりもデータセットの合法性の問題を倫理面の問題としている気がするのですが、AI利用派の方々はこのnote含め「そんな楽じゃないよ」方面で反論しているの、そう言いたくなるぐらい楽じゃないんだなと同情してしまいますね。

ちなみに、私は説明書の英訳はDeepLに丸投げしたものを校正してやってるので、少なくとも反AI派として偉そうなこと言う資格はないので誤解なきよう。


なにもできないからプロデューサーになった

宮本茂さんと糸井重里さんの、全12回の対談まとめ記事です。

どの回も面白く、ことあるごとに読み返すべきであろう対談でした。特に刺さったのは、第3回のオールスターチームに対する「こんなチームがあったら、あなたは必要なくなるよね」と、第11回の「赤字を出さないトントンで終わったとき、何が残るかっていうと『疲れた』だけ」の2つですかね。


『本当は10年かけたかった』鈴木敏夫プロデューサーが語る、宮﨑駿最後の長編の“反作用” #ニュースその後

「君たちはどう生きるか」についての、鈴木敏夫プロデューサーへのインタビュー記事です。

自分が強い側にいるとわかっている強い人の話という感じで、読んでいてビリビリとした圧を感じました。私はまだ弱いのでこれに感化されて変な影響とかは受けないと思いますが、「日本人って、追い込まれるの好きでしょう?(中略) どうして早くやりたいかわかりますか?締め切りがあると手が抜けるんですよ。」はブッ刺さったので頑張って仕事します。


ナンジャモのイラストに暗号が隠されていた話

あるファンアートに仕込まれた暗号について、解読された方のブログです。なお、このブログの主とファンアートの投稿者とは同一人物の別名義っぽいのですが、噂以上のレベルでその真偽を確かめた記述はぱっと見なかったので今回はそのあたりはあやふやでいきます。

やりすぎです。こういう記事はやりすぎてればやりすぎてるほど面白いので、つまり面白かったです。「変な家」とかもそうですが、こういうフォーマットは振り回されている執筆者という存在によって難易度高すぎて解けないだろとか解の一意性ないからヤラセじゃないと無理だろとかいうツッコミを忘れさせられるのが強いですね。特に、オモコロっぽいネタの情報量でツッコむ暇を奪われると流されるしかないので。うん、最後の唐突な宣伝も含めて、やっぱこの記事オモコロスタイルだったなという謎の結論で締めます。


3連休を活かし、映画を2本見てきました。

1本目は「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」です。前半はヨルさんの勘違いしている「浮気の兆候3つ」を消化していく流れが面白くなく、ギャグパートにノルマ潰しを感じさせるとダメなのだなと勉強になりました。一方、それが終わってからの展開やアクションシーンは、いい意味で筋書きとか整合性とかがどうでも良くなるような爽快感と豪華さで楽しめました。広く楽しまれる映画だと思うので、ぜひ金曜ロードショーの常連になったりシリーズ化したりしてほしいですね。

もう1本は「ゴジラ-1.0」で、こっちはとにかくゴジラから溢れる死のオーラが凄まじかったです。ただ街と人が破壊される様子を口を開けてみることしかできないのが、主人公の感情と重なってすごい体験でした。こう見返してみると、シンゴジラは共感対象としての主人公性がうすい分かっこいいゴジラで、ゴジラ-1.0は明確かつゴジラに人生をメチャクチャにされた主人公を置いて怖いゴジラにしたのかなとも思います。この2作しか見てないのにゴジラを語るな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?