符亀の「喰べたもの」 20240602~20240608

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 194です。



漫画

SAKAMOTO DAYS」(17巻) 鈴木裕斗

元伝説の殺し屋、今太った商店店主。そんな坂本太郎と、周囲の殺し屋たちによるアクションコメディです。No. 163以来の登場です。

ぶっちゃけこの巻ではほぼ話が動いてないですし、やってることもこれまでと同じっちゃ同じなんですが、それでもアクションのかっこよさだけで楽しませてくれるから名作です。やっぱ娯楽は頭空っぽになれるのがいいっすわ。

特に好きなシーンが、ミニチュアの街を壊しながら殴るシーンと、降ってきた飛行機の翼を殴ってシーソーのように攻撃するシーンです。この両方に共通しているのが、アクションシーンがストーリー上の疑問の答えとして提示されている点です。前者は身体強化と相手の武器封じを決めて「いける━━…!!」と思わせての返しとして、後者は変形した武器をどう使うのかという問いの答えとして描かれます。この描き方のいいところは2点あり、まずストーリー的な疑問に読者が注目するので、アクションへの意識が薄れ、ガードが下がったところにかっこよさがクリティカルヒットするわけです。さらに、気になっていた答え自体も同時に提示されるので、予想外だったにも関わらずアクションが邪魔者になることもありません。ミスディレクションしつつも受け入れ態勢を整えさせる、見事な手法だと思いました。


追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。 ~俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?~」(10巻) 業務用餅(漫画)、六志麻あさ(原作)、kisui (キャラクター原案)

追放されたチート付与魔術師達が気ままにセカンドライフを謳歌する漫画。No. 181以来の登場です。

正直本作の能力バトルパートはあまり好みではなかったのですが、この巻の戦闘、特に神事関連は面白く読めました。おそらく、「読者にも何が起こったのかわからないかつ視覚的に明らかなトラブルが起こり」「事態を理解するために能力を知る必要が読者に生まれ」「その結果知った内容がキャラクターや作品世界に結びついている」のが、能力設定の解説に興味を持たせる必要条件なのかなと思いました。まあ1回心を掴まれてしまったので、こっからはそんな手順踏まれなくとも真剣に読む羽目になったと思うのですが。


ミズダコちゃんからは逃げられない!」(1巻) 眼亀

他種族の名残を受け継いだ亜人がいる世界でくりひろげられる、タコのような亜人とのラブコメです。

ヒロインのミズダコちゃんがいいキャラしてます。ラブコメなので1巻はこれだけで100点です。終わり。

もうちょっと書くと、まずかわいい。見た目もそうですし、人外らしい天然な挙動もかわいらしい。その上で、周囲の人間の姿を変える能力や、そこから類推される本当は何の亜人なのかという正体の謎もあって、中期的な快楽への導線もしっかり引かれています。さらに、その正体の予想を裏付けるような怖い一面があるのも、吊り橋効果的に読者をドキドキさせたり、次はかわいさと怖さどちらで来るのかと予想できなくさせたりと有効に働いていると思います。

あと個人的には、その怖さというか暴力性の発露先として中山というキャラを配置してるのが上手いと思いました。キャラが掴める前に主人公に危害を加えると悪い暴力ヒロインになってしまいますし、そんな暴力が許されるぐらいにイカれた主人公だと読む気になりません。そこを、最初の被害者としてまあこいつはボコられてええやろとなる絶妙なビジュアルと言動のキャラを配置し、そいつがその後も懲りていない様子を示して1笑い追加する手腕が、特に素晴らしいと思いました。これで初連載なのマジっすか。


ジャンプコミックスが発売される週でこの少なさかよと思わなくはないのですが、本業もゲーム制作も忙しくなってきたタイミングでも一定数読んで一定数書いてるだけで褒められていいと思うんですよねえ僕は。そうでもないですかねえ。じゃあすみません。


一般書籍

そこそこ読めています。なんか思ってたのと違う感も出てきましたが、やる気が残っている間に走り切れるでしょうか。


Web記事

テストプレイを重ねて、そのゲームの本質を掴む。『本質を掴む』とは、『みんなに通じる現実世界のものごとの例えでそのゲームの快感を言語化する』と言い換えてもいい、かも?

アークライトの編集さんのツイートです。メモツイートなのでほぼ全文引用です。

テストプレイにより何を言語化しにいくべきなのかを端的に記されており、流石だと思いました。今後のテストプレイ時に覚えておくようにします。


四字戯画 ~よじ君の漢字クイズ~ - 瓜頭(かず)| フリーゲーム投稿サイト unityroom

漢字を表す絵を組み合わせ、特には足したり反転したりして四字熟語を作るゲームです。基本問題と応用問題を全クリしました。

なにもかもを使うパズルとして楽しめました。アイデアをここに書くとネタバレになるので伏せますが、1回ヤバいことができた時の世界の広がりっぷりはやっぱり気持ちいいと思い出せたので、こういうメタなネタもどっかでやりたいですね。


金曜日はEJPゲームズさん主催の土曜日はハレルヤロックボーイさん主催のテストプレイ会にお邪魔しました。テストが連日だったために思いついたのをそのまま試すような形になりましたが、おかげで新作のルールは固まったかなと思います。さて、アートに取り掛かれるのはいつになるやら。

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