符亀の「喰べたもの」 20231210~20231216

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 169です。



漫画

鍋に弾丸を受けながら」(4巻) 青木潤太朗(原作)、森山慎(作画)

「治安の悪い場所の料理は美味い」をキーワードに、二次元の過剰摂取で全ての人が美少女に見える釣り人が各国の料理を食べるグルメレポ漫画です。No. 118以来の登場です。

もう治安が悪いとか関係なくなってきてますが、原作者さんの思考と洞察が興味深すぎて、そして美味い飯の作画が美味しそうすぎて、どうでもよくなっています。

19話目の景気が良いとは何なのかの考察なんか、もう感動しました。飯関係ないやんもう。この人と誰かが週一で30分雑談するポッドキャストが欲しいです。

こういう「何かあったときにシナプスが反応するぐらい普段からインプットと思考を欠かさず」「何かを見つけられるぐらい目を見開いていて」「得たものを書き残せるぐらい言語化能力に長けている」の、本当に羨ましいです。このnoteが、私にもこれができるための練習になっていればいいのですが。


ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」(1巻) 魚豊

小学4年生のときに論理的思考力について誉められたのが心の支えになっているフリーターが、恋と陰謀論に巻き込まれる話です。

何ていうか、ここまでいいやつだけど頭が悪い人の哀しさを描いたら、それはもう娯楽漫画じゃないと思うんですよ。作者さんが主人公みたいな真面目バカに何らかの憎しみを持ってらっしゃる方がむしろ楽というか、オモシロのためにこんな解像度の高いバカを描けるならそっちの方が怖いですよ。分岐も何もない一本道なロジックツリーで独りよがりな思考を表現するのとか、作者さんの精神を疑うレベルで悪趣味で的確ですからね。

正直、1巻分が丸々前置きという感じで、鬱漫画としての描写の凄さを除くとまだ面白さの評価はしにくいです。でも、これだけ描写力を見せつけてくれたら2巻も期待しちゃいますよね…。


カードゲームうさぎ」(第二百六十話) ワタル

架空のTCGをプレイする動物たちを描いたtwitter連載です。No. 165以来の登場です。

3枚目のトラ夫のショック描写からキバのフォローまでと、4枚目のフォローを受けてトラ夫が立ち直るまで。この両方の間を1コマで描けるのが、4コマというフォーマットの強みだなと感じました。普通の漫画としてのコマ割りをイメージしてみましたが、たぶん1コマで済ますと、両方ともトラ夫の心理が軽すぎるんですよね。前者はトラ夫がショックを受けながらも何か言うなり考えるコマが欲しいですし、後者はキバのセリフを2〜3コマに割った上でトラ夫の方も「キバさんは…」だけの受けのコマを作りたい。そういうシーンの重要性でコマ数を増やすとか受けのコマを入れて反射だけでしゃべっている感じを出さないとかを考えなくていい、1コマずつがっつり展開を動かしてもいい、そんな4コマという形の物語駆動力の高さを再認識した気がします。なんかこういう内容前にも書いた気がするんですけど、見つからなかったのでドヤ顔で書きました。


ゲムマ終わりまでさき回しにしていた仕事を片付けるため、漫画のインプットは控えめになってしまいました。その分結構noteとか読んだから許して。


一般書籍

Dr.マシリト 最強漫画術」 鳥嶋和彦、霜月たかなか(執筆・構成協力)

数々の有名漫画家を育てヒット作を産んだ伝説の編集とも呼ばれる鳥嶋和彦氏が、ジャンプ作家を目指す漫画家志望者に向けて書かれた一冊です。

以前読みかけては途中で止まっていたのですが、読み直したら面白く、一気に最後まで読めました。2章の漫画技法の解説部分がどのページも勉強になるぐらい内容が濃く、しかも「ドラゴンボール」などの過去に鳥嶋さんが担当された漫画が実例として載っている豪華仕様のおかげで、理論と実践例が一度に入ってきます。3章以降の漫画家として働くための話も、史料として価値のある話と今現在の漫画家志望者にとってためになる話とが共に具体的な数字を伴って載っているため、とても価値が高いと思います。

一方で、編集面では気になる点が多かったのも事実です。雑誌風に各所に散りばめられた文章は読みにくく、横書きと縦書きが入り乱れる構成もあって、漫画技法として説明されている視線誘導が全く機能していないページも複数あります。実例として挙げられている漫画も、説明文とテンポが合っていないせいで、先に漫画だけ読んだ方がわかりやすくなるような欠点にもなっています。まあ最後は漫画が面白すぎるのが悪いんですけども。この読みにくさと、最初に鳥嶋氏の来歴や漫画全体の話が来るというツカミの弱さにより、面白くなる2章まで辿り着くのがしんどいのは否めませんでした。

あと編集面の話だと、最後の方にある稲田浩司さん (「ダイの大冒険」の作画) との対談部分の左上の柱がその前の「桂 正和・鳥嶋和彦 最強対談」のままなのは流石に失礼すぎると思いますよ。これ2版目以降は修正されてるんですかね。


Web記事

汐留的、売り子の心得

ゲームマーケットを受けて書かれた、売り子としての心得のまとめnoteです。せっかくなので、課金しておまけも読みました。

特に読めてよかったなと感じたのは、真正面から話しかけずに一歩引いてパーソナルスペースを保つべきという話と、チラシ配布を説明の導入として用いる話の2点ですね。前者は、正面から離さないのは何となくやっていましたが距離は近かった気もするので、自戒として。後者は、チラシの使い方がよくわかっていなかった (ウチのブースは基本チラシを刷りません) ので、勉強として面白かったです。

あ、ちなみに我々符亀はコロナ禍以降ワンオペで、今回の2023秋はひたすら「ムズいのとヤバいののサークルでーす」と言い続けてました。これでも呼び込めるなんて、ゲムマのお祭りボーナスはやばいですね。


【ゲムマ2023秋】思想強めの雑感(出展者視点)

ゲムマ後の所感noteその1です。

口は悪いけど内容は勉強になる話と内容は正しいけどそれ言っちゃおしまいよな話と単純に偏見すぎて内容がアレな話とが混ざっているせいでオススメしにくいのですが、面白かったので載せます。勉強になった話は、単純接触効果狙いで1個綺麗
な画像を作って使い回し、当日もそれを掲示して「見たことあるやつ」にするやつですね。コスパが非常にいいので。


『ゲームマーケット2023秋』初出展を終えての裏話

ゲムマ後の所感noteその2です。

取り置き予約分を袋で分けて、渡し間違えを防ぐ話が上手いなと思いました。ウチも、複数種予約してくださった方の分だけでもそうした方がいいかもしれません。


ゲームマーケット2023秋に初めて参加した感想

ゲムマ後の所感noteその3です。ただし、こちらは1年後に出展予定の方が一般参加者として参加された感想のnoteです。

複数のサークルの塊として見られたときにも目立てるよう全体の配色を考えるべきという指摘が、勉強になりました。あとは、1000円でも「完成度が高ければ購入する。」ラインなのがまあ、そりゃ、そうよねという気分です。はい。


ポジショントーク

ゲームマーケットの宣伝について、ポジショントークと題して投稿されたツイート群です。

個人的には、一番最初の、ゲムマ公式ページに概要だけでなく特長も載せることで「ゲームのルールではなく面白さを伝えるページ」にするという話を再度意識しなおそうと思えたのがよかったです。


はいかわいい。


ハヤシさん主催の「第2回 ABC東京ボードゲーム会 suppoted by note」にお邪魔してきました。個人的に遊ぶ機会の少ない商業作品に触れつつ、「シリアリアン」を遊んでもらったり「Yae-Zaki」を配ったりと宣伝もさせていただきました。運営の皆様や同卓の方々、ありがとうございました。

ああ、あと行きつけの書店さんで、例年通り年末の漫画セールが始まりました。今回は色々忙しかったせいで期間中の取り寄せ注文となってしまいましたので、半分ぐらい届けばいいですね。

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