符亀の「喰べたもの」 20220116~20220122

今週インプットしたものをまとめるnote、第七十回です。

各書影は、「版元ドットコム」様より引用しております。


漫画

先生、今月どうですか」(2巻) 高江洲弥

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予知能力によって16歳年上の売れない小説家と結婚することを知った大家兼高校生のヒロインが、彼に家賃を取り立てに行くときのみ、月に一回だけの会合を重ねる恋愛ものです。第三十九回以来の登場です。

前巻同様、いやそれ以上にぶっ刺さりました。刺さりすぎて、息ができなくなるほどの興奮状態になりました。高江洲先生は最高ですね!

もうこの巻では、ヒロインにクール系美少女の面影があった1巻から、当人以外にバレバレな好意を必死に隠そうとするかわいい女の子になってしまっています。毎回甘々で破壊力の高いシーンにより殴ってくる、暴力的にカワイイ作品に進化しています。こっわ。

その中で上手さを感じたのが、先にヒロインが見た小説家の姿を描き、その後それにキュンときているヒロインのかわいい表情を持ってくるという流れです。まず、ヒロインがどういう理由でその表情をしているのかを見てからカワイイシーンが来るので、その絵に文脈が生まれます。これにより、ただ一枚絵を見せられるよりも情報量が増し、読者が当事者感として読めるようになり、結果シーンの破壊力が増しています。

読者も描かれた小説家のしぐさに良さを感じたなら、ヒロインの好意に共感でき、かわいい小説家とかわいくて共感できるヒロイン両方の好感度が上がります。逆にそこまでの良さを感じなかったとしても、直後のかわいいイラストでテンションを上げてくれるため、共感できずに冷めてしまうリスクが抑えられています。むしろ、あばたもえくぼ状態になっているヒロインへの好感度が上がることすらあります。

恋しているヒロイン視点で小説家が描かれるため、彼がより魅力的に見えるのも、この方式の強みです。ヒロインだけでなくその相手への好感度も上がり、作中のキャラや世界全体を好きになりやすいです。また、彼に恋をするヒロインにも共感しやすくなり、作品や萌えのための人形ではない生きたキャラだと感じやすいです。

こうなってくると未来予知設定いらないのではと思いましたが、1巻のときにスタートダッシュを決めるためのものだと分析しており、いらなくなったのが正解なのかもしれません。「あの時は必要だった」という当時の分析を残していた恩恵を、こういう形で受けるとは思いませんでした。


今週も忙しく積読がたまっていく一方ですが、数回に分けて読まなくてはならなかったほどの破壊力のある一冊が読めて個人的には大満足です。


一般書籍

セールで4冊増えました。1ページも読んでいません。


Web記事

『きけんなさいくつ』制作ノート

Studio GGさんがゲムマ2021秋向けに制作された、「きけんなさいくつ」のデザイナーズノートです。

Studio GGさんはどの記事でも有効なノウハウを端的にまとめてくださっているのですが、今回も勉強になりました。「リソースグラフ」は、さっそく新作に取り入れさせていただきました。まだ自分のものにできていないためか矢印を引いてまとめるところまではいきませんでしたが、その段階でも頭の整理に役立ってくれました。


ゲームの勝敗でかんしゃくを起こす子どもにできることは大人げない大人になること

負けるとすぐかんしゃくを起こす子どもに対し、フィンランドの感情教育を取り入れて対応した例についてのnoteです。

まず子どもにどうしたらいいのかを考えさせ、その方法を実行しやすくするための助言や失敗したときの保険の提案を大人がやるという形が、勉強になりました。


今日から使える文章技法覚書、リズムについて

文章のリズムについて書かれたnoteです。

その重要性はすでに学んでいましたが、書き出しで文全体のリズムを提示するという考えは持っていませんでした。訓練していきたいですね。


とりあえず一番大きな山は越えましたが、まだまだ2月中旬まで修羅場が続きそうです。その間このnoteはスカスカになりそうですが、まあ前からスカスカだったので許してください。

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