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短編|クライマックス 終わりの始まり

観覧車の乗るゴンドラが
一番上に位置した
てっぺんでしばし静止する
景色一面を抱き
全てを見下ろす最高潮の瞬間
真昼間の夏の太陽みたいに
蓄えたエネルギーを一挙に放つ
最も輝かしい瞬間

同時に不安が首をもたげる
これから私は何処に向かうのか
ゆっくり下る一方なのか

時局に処して流れに乗って
嫉妬やまやかしの数々を負いつつ
ここまで昇り詰めてきたが

朝日は毎回うやうやしく拝まれ
夕日は常にうっとりと惜しまれ
それにひきかえ正午の夏日は
眩しいばかりで目も合わされない

それなのに
今が私のピークだとしたら
このあとは落ちていくだけで
ついには老いて沈むのか

だけど私には輝けるキャリアがある
今までの体験の蓄積がある
それらを活かす新たなステージを信じて
希望と羨望のエネルギーと化し
今この瞬間を益々と燃え盛るまでだ


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