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これから登山をはじめる方へ(2) 装備編[1]

の続きです。
じゃぁどんな装備が必要なのというところに絞って記載しますが、長くなるので、まずは登山の三種の神器から。

ザック

登山の三種の神器と言われるのが、「ザック」「登山靴」「レインウエア」です。日帰りであれば、登山用のザックじゃなくても十分な場合もありますが、持つ荷物の量が10kg前後となると、腰で支えられる構造のザックが必要になります。
ザックも容量や種別があり、目的とする山行によって使い分けることになるので、登山をやっていくと結局4,5個ザックがあるような状態になります。

容量でいうと
・30L - 40L  日帰り〜山小屋1泊用  10kg以下
・40L - 55L  山小屋2泊以上 or 夏のテント泊  15kg以下
・55L - 65L  冬山 山小屋泊 or 夏のテント泊2泊以上  15kg以下
・65L -         冬山テント泊 or 夏のテント泊4泊以上  20kg前後
みたいなイメージでしょうか。
もちろん、それぞれ人によって持ち物は違いますので、もっと少ない・もっと多いというのはあると思いますが、だいたいの基準として以上になるかと思います。

種別としては、あまり一般的な分け方ではないかもですが、
1) 通常の登山用ザック
2) Ultra Light(UL) 登山ザック
3) アルパインザック
の3種類が大きく分けられるかと思います。

1) 通常の登山用ザックは、登山用のお店で売ってるいかにも登山用といったザックです。背中にがっつりしたフレームがあり、クッション性の高い腰ベルトがあり、いろんなところにポケットがあり、なにやら締めるベルトがいっぱいついているごっついもの。
こういうものです。

https://www.gregory.jp/item/detail/ZULU55_F43_1/7416

2) Ultra Light(UL) 登山ザックは、作っているのがガレージメーカーなどが多いので、大手の登山用のお店では取り扱いがないことがありますが、Ultra Lightの思想に基づき、より軽量なものを目指して作られているザックです。
背面のフレームや余計なポケットが廃されていたり、シンプル&軽量を目指して作られています。

山と道や、TrailBumなどのメーカーが有名です。
ザック自体が軽いのは魅力ですが、フレームがないのは背負いにくかったりもするので、自分のスタイルを考慮して選んだほうがいいと思います。(フレームのあるULザックもあります)

3) アルパインザックは、アルパインスタイルに基づいた命名だと思いますが、印象としては、一般登山道以外のクライミング+雪山を含むような登山をする用のザックといった解釈が近いかもしれません。
ULザックと同じように、より軽量に無駄なポケットや分厚い腰ベルトなどは廃して作られていますが、アイスアックスホルダーやギアラックなどが付いていたりします。例えばこちらなど。

https://www.millet.jp/c/hardware/backpacks/50l/MIS2111

どういったザックがいいかは自分のスタイルにもよりますが、個人的にはアルパインザックがオススメです。余計なものが廃されて軽いというのもありますし、フレームなどはしっかりしているので背負いやすい。いちいち荷物を下ろさないで使えるポケットの類は不足してはいますが、後付けでつけれるものも色々売っているので、それらでカバーもできます。例えばこういったものとか。

レインカバー

あといずれの種類のザックを選んだにしても必要なのはレインカバーです。
ザック自体が防水素材でできている場合は問題ありませんが、そうでない場合はレインカバーは必須。最初からそのザックに付属している場合もありますが、ない場合はちゃんと購入し、携行するようにしましょう。
突然の雨などの場合、着替えなどをせっかくもっていても、ザックごとびしょ濡れになってしまっては意味がありません。

こういうものです。ザックのサイズにあったものを買いましょう。

私の装備

私はザックはこれまで6つ購入しています。

Gregory Zule 30L ・・初めてかった登山用のザック(リンクしているものより旧型です)。かっこいいのだけど、何回も背負っているうち、サイズが合ってない(小さい)と思ったり30Lの割に荷物が入らないと不満になり会社登山部に寄付。

Gregory ??? 45L ・・多分スタウトだと思うけど、旧モデルで忘れた。アウトレットで購入。初めてのテント泊登山(雲取山)で使った。今となっては何が不満だったか覚えていないが、これも会社登山部に寄付。

Millet マウントシャスタ 45+10L・・これも現行品はもうないかも。冬山以外の2泊3日程度以下のテント泊で使っているザック。だけど、先月の鍋割山行で、腰ベルトの一部がちぎれ、修理しようとしているけどミシンで縫えない箇所だし、捨てることになりそうな気がする。

MountainHardware サウスコル 70L・・現行品はなくなってしまったが、OutDryの防水アルパインザック。雪山テント泊、3泊以上の夏山テント泊でも使っている愛用品。いつも20kg近くを運んでいるのに、背負い感の不満は一番少ない。

TrailBum Steady
初めて購入したULザック。上記リンクにあるように自分で使いやすいように改造したものの、それなりの重要を持つ登山となると、やはり背中のフレームがないのが扱いづらく、使わなくなってしまった。
背中側が盛り上がってくるとそれだけで背負い辛い。

PaargoWorks Buddy33
一目惚れで購入したザック。購入以後、ロッククライミングも含め日帰りの山行で愛用してる。ULザックほどではないが、割と軽量。トップポケットの容量が大きいのが便利だが、もうちょい荷物入るのでは?的な気もしている。

登山靴

登山靴も色々あり、用途・目的によって履くべきものが変わります。
個人的に種別を分けてみると

1) アプローチシューズ
2) トレラン用シューズ
3) トレッキングシューズ
4) 登山靴
5) 冬山用登山靴

と概ね5種類ぐらいに分けられるかと思います。

1) アプローチシューズ は、基本的には登山というよりロッククライミングなどを行う際に岩場までの移動用かつ、岩場でのちょっとした試し登りなども想定したグリップの良い靴といったものです。重い荷物を背負って長い距離を歩くことを考慮しておらず、一般の登山者としては選択肢には入れなくていいかと思います。

2) トレラン用シューズ はトレイルランニング用のシューズで、登山靴というよりはランニングシューズに近く、ランニングシューズでよりクッション性が高まったり足先の剛性が強くなってたりといった違いがあります。こちらもあまり重い荷物を背負うことは想定されておらず、ローカットのシューズがほとんどです。物によりますが、防水性のないものもあるので、使用条件はちゃんと確認しておく必要があります。

3) トレッキングシューズ は足首までしっかり保護された登山を主とした用途のために作られたシューズです。ミディアムカットの形状で、GoreTexなどの防水素材で覆われているのがほとんどです。
靴裏はビブラムなどグリップ性能の高いゴムが使われています。

4) 登山靴 3)との違いの説明が難しいところですが、トレッキングシューズよりもさらに剛性が高いものというイメージでしょうか。基本的にはハイカットです。岩場などで立ちやすいよう、靴裏は特に硬く作られており、靴の一部がひっかかれば足の裏が曲がらずに体重を支えられるような作りになっています。
重い荷物を持つにも安定性があります。アイゼンがつけられるようなコバがついているものもあります。

例えばMammutの靴だと、

これはトレッキングシューズ

こちらは登山靴といった違いです。登山靴の方が重いです。

5) 冬山用登山靴 は、雪山を想定した登山靴で、通常の登山靴よりも防寒性がさらに高く、アイゼンなどが取り付けやすくなっているものです。さらに重くなり、片足1kg近くになります。鉄のアイゼンをつけることが前提なので、靴裏は全く曲がりません。(曲がるようだと鉄のアイゼンが外れてしまうので)

むしろ通常の歩行をするには厳しい、雪山専用の靴になります。
日本でも森林限界を超える冬季登山ではこのスペックの靴が必要になります。

レインウエア

登山の三種の神器、最後がレインウエアです。状況によってはザックや靴よりも重要なアイテムですが・・・

よく言われるように、山では天候は変わりやすいものです。(その変わりやすさも含め予測するスキルも必要ですが)

突然雨が降った時などに備え、レインウエア上下の携行は必須です。また、レインウエアは防風性も備えたものがほとんどなので、雨は降らなくても「風が強くなり寒い」などに対しても有効です。

濡れを防ぐことは、登山において、すべてのシーズン共通で最重要の課題です。

レインウエアは毎年新素材がでてきて進歩の早いジャンルですが、重要なのは
・防水性 (耐水圧)
・透湿性
・強度
の3点のバランスかなと思います。

レインウエア(雪山用も含め)は大きく分けて、ハードシェルとソフトシェルに分けられます。名前の通り、ハードシェルの方が分厚くゴアゴアした素材のもの、ソフトシェルの方が薄めで体にそってしなやかに動くもの、ですが、昨今テクノロジーの進化により、NorthfaceのFUTURELIGHTMilletのTYPHONなども登場し、単純にハードシェル・ソフトシェルで分けられなくもなってきています。

個人的には、まず購入するなら、かさばってもいいから、できるだけ丈夫で防水性(耐水圧)が高いもの、透湿性はよくわからないので、ベンチレーションなど速攻性のある換気機能がついているものがいいと思います。

天候の予測がある程度つくようになれば、そこからより軽量なものを購入し使い分けるのがよいと思います。

薄めのレインウエアは転んだり木にひっかけたりで、私もなんども破いてしまっています。(ハードシェルもやぶいちゃってるけど・・)
登山の頻度にもよりますが、1,2年で変える消耗品と思ったほうがいいかもしれません。

とりあえず、今回はここまで。次回さらに紹介していきますー。



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