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今更きけない?人のために、6分でわかる生物多様性

札幌の 20 x 20 Pecha Kucha Night(20枚のスライドのみ使用可、しかも、1枚のスライドにつき20秒だけしか話せない=6分間)というイベントでお話した時のスライドを使って、最近よく耳にする、だけど、今更改めて何?と訊くのもなんだか億劫な人のために簡単に生物多様性を説明します。

1. 生物多様性=Biodiversity

これは1985年につくられた造語です。

2. 紀元前アリストテレス 動植物学の始まり

ギリシャの哲学者アリストテレスは、植物や動物の生態を観察し情報を書き記したので、植物学と動物学の始まりと考えられています。この頃、人間が自然物(動物や植物など)よりも上の立場、と考えたですが、それはもう大昔(紀元前)の理論、それでもいまだに人間が全ての動植物よりも上と考えている人はいるのですけどね . . .。

3. リンネ 分類学の父

神が生物を作り、リンネがそれを整理した、と言われるくらい、二命名法により全ての動植物に名前をつけることが可能になりました

4. そしてダーウィンの登場


ダーウィン著1859年初版の本「種の起源」。生物は自然淘汰によって適者が生存し、それが蓄積されて進化すると唱えたもの。 進化論の最も重要な古典。


5. 動植物の絶滅の歴史

多様性を守るということを語るときに欠かせない、動植物の絶滅の歴史。

地球の長い歴史46億年、生物誕生6億年で大量絶滅は5回起きている。大事なポイントはこれが非常に長いスパンの中で5回ということ(簡単に1億年に1回)

6. 今、6度目の大量絶滅は過去5回より x10~100倍早い

問題は現在我々が目にしている6度目の大量絶滅が過去に地球が経験したものよりも10~100倍早く進行しており、このスピードでは2100年には種の50%がいなくなるだろうという恐ろしい現実と予想

7. 動植物は絶滅し、人間だけが生き残っていく

今、地球は人類の時代=「人新世」
地球上に生きる人間の数は増加率ピークの2.1%を過ぎても2100年まで増え続ける。
人間が増え過ぎて、資源を使い過ぎているために地球の資源は赤字状態= unsutainable、貯金をくいつぶしている状態
人間が増え過ぎて、資源を使い過ぎている例。木々を伐採し、土地を開墾していく経済活動が止まらず、熱帯雨林は16→9milliom km2まで減少。地球上の40%以上が農地。熱帯雨林に住んでいた多くの種が絶滅危機へ

8. モノカルチャー(単作)問題

地球上の農地で栽培される植物の種も実は急激に減っている 500種以上あったバナナが1種?これでは天候変動や災害・虫害などにより一気に全てのバナナが育たなくなるという危険を孕む。

9. ミツバチがいない問題


人間の口にする野菜やフルーツの100種以上、受粉活動に依存している。ちゃんと棲み分けをして、動植物が暮らす場所を提供すれば、ミツバチ、鳥、コウモリなどは勝手に(しかも無料で)受粉活動をしてくれるけど、ミツバチなどの減少は→直接的に食べ物への影響。

10. 助けなければいけないのは、人気のある動物だけじゃない

トキの絶滅、トラの絶滅危惧、など大きな動物に注目が集まりやすいけれど、本当の問題は多様性そのものが失われることだということを再確認したい。1種1種を取り出して(動物園などで)保護飼育するという活動は困難を極める。
動植物の多様性が複雑に絡み合いエコシステムになっているので、一つ欠けただけでもシステムには欠陥が出始める。イエローストーン国立公園のオオカミの再導入は思わぬ効果をもたらしたことなど有名です。

11. 生物多様性を守るには、生態系をそのまま丸ごと守るのが一番手っ取り早い


絶滅しそうな一種を取り出して(動物園などで)守るよりも、生態系全てをそのままにしておくのが一番→人間の住む場所もきれいな水、きれいな空気、きれいな環境を享受することが可能になる。

地球上の全てを手付かずの自然へ、という意味ではないし不可能。守られるべきなのは、特に生物多様性ホットスポットの地域。

例えば日本。(緑)は保護されているエリア。
(赤)の保護されるべきだが保護されていないエリアがまだたくさん残っている。

12.
2030年までに地球上の30%をそのままの自然で残しておく(土地と海の面積の30%)

30 x 30 ターゲット
30%ならまだ不可能じゃない


終わりに

もっと知りたい人はEO WilsonのHalf Earth(地球の半分)で検索するといいかも。

いつもありがとうございます。このnoteまだまだ続けていきますので、どうぞよろしくお願いします。