あなたのミックスが上手くいかない理由

あなたが自分でミックスをするときに気をつけるポイントは何でしょう?
有料級のTips7つをここだけで教えちゃう。長くなる気がするのでゆっくり書いていきます。

  1. 位相の確認

  2. モノで聴く

  3. メーターで見る

  4. アンカーポントを聴く

  5. ヴォリュームだけでミックスする

  6. EQはブーストしない、まずはカットする

  7. リファレンスと聴き比べる


1.位相の確認

例えばここにKickのオーディオ波形があります。

ドラム

Kick In
Kick Out
Kick Sub
で収録したデータです。

キックたち

この波形、
Kick Subだけ形が違うのがわかりますか?

波形というのはプラス、マイナスでできていて、逆になったモノ同士が合わさると互いに打ち消しあってしまう効果が生まれます。
そうなると音がスカスカに聴こえたり、意図せずドンシャリになります。ミックスの中で”音が抜けてこない”時は大体この位相が意図せずズレていることが多いです。
特にドラムは沢山のマイクを立てます。なので全てのマイクの位相に気をつけないといけません。EQをズラせば位相もズレます。なので常にチェックしましょう。
では何を使うか。DAWにデフォルトで入っているPhaseもしくはφを押してみます。例えばSSLのコンソールプラグイン右下に赤いボタンがあります。これがphase(フェイズ)ボタンです。試しに押してみてください。音がかすんだり前に出たり変化すると思います。

Waves

2.モノで聴く

きっとミックスをステレオ環境だけで聴いているでしょう。
まずはモノで作って真ん中にあるべき音を作ってみてください。
DAWのモノモニタリングを選択できる機能があると思います。
まずはモノモニタリングだけで音を並べます。もちろん位相チェックもします。
モノで聞いたときに大きすぎるものはステレオにしたときにもバランスがアンバランスに聴こえます。特にセンターにいてほしい音のバランスが取れていなければステレオでも作れないと考えます。

3.メーターで見る

おそらく現在の多くのエンジニアは耳だけでミックスをしていません。スペクトラムアナライザーやメーターを見ています。
DAWに入っているものでもいいですし、こちらのフリーのものも使えます。
https://www.voxengo.com/product/spanplus/

私の一番のオススメはPlugin AllianceのADPTR AUDIO Metric ABですが

https://www.plugin-alliance.com/en/products/adptr_metricab.html

まずはフリーのもので慣れていくのも良いでしょう。

メーターで何を見ているのか
7に繋がる話にもなりますが、リファレンス(参考音源)がどのような音の配置になっているかまずは見ます。
各楽器がどこにどのくらいで出ているのか。全てアナライザーに出ています。それを目と耳で追います。
特にLow end というのは再生できる環境が整っていなければ判断が難しいです。80hz以下を自分の環境で確認してみてください。ダイナミクスなどしっかりと聴き取れますか?目で監視しましょう。

Analyzer

ここに一例を用意しました。
この曲を分析してみます。
まずステレオ上で読み取れるのがベースのLow、ハーモニクス、スネア、リードギター(LG)ヴォーカルの基音(F:fundamental)、ハーモニクス
さらにメーターからラウドネス数値、モノにしたとき、サイドにした時、何がどこでどのくらいで鳴っているかが読み取れます。
リファレンスに近づけますね。

4.アンカーポントを聴く

全体を聴いてミックスをするわけですが、曲の中で何を聴かせたいのかポイントをおきましょう。
大体、ヴォーカルだと思います。
ヴォーカルをポイントにして全体を聴いた時に何が出過ぎているかが分かります。

5.ヴォリュームだけでミックスする

まずミックス始めにEQやらコンプやらは入れないでスタートしてみましょう。
ミックスの基礎はヴォリュームバランスをとること。
手始めはヴォリュームと位相チェックだけ。
ここのバランスが取れてから本当に何が必要なのかが見えてきます。
コンプやリミットでダイナミクスをコントロールするのもヴォリュームの一つ、EQで特定の周波数をブースト、カットするのもヴォリュームの一つと捉えています。

6.EQはブーストしない、まずはカットする

いきなりブーストする人が多い印象を受けます。
Low成分に偏った音源があるとして、これをフラットにしたと考えた時にHiなどをブーストしたとします。
異常なドンシャリ、過剰なレベルなどになったりするでしょう。Lowの成分にはパワーがありミックス全体のボリュームを支配しやすい成分です。
メーターで見て偏った形の物はまず抑えてあげましょう。
リファレンスをメーターで見てみてください。バランスの取れたミックスは綺麗な形を維持しています。

7.リファレンスと聴き比べる

作業していると耳がおバカになります。
フラットに聴くために一度あなたのミックスを書き出してiTunesに入れてリファレンス音源と聴き比べてみましょう。
方向性は合ってる?
ラウドネスは足りている?
何が足りない?
何か出過ぎてない?
他にアイディアはない?

この作業の繰り返しです。

騙されたと思ってここまでの作業をやってみてください。きっとまた違う沼にハマります。

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